クラウドが仕事に与える影響
昨年末から参加している、ニフティクラウド ワーキンググループの会合が昨晩あり、参加してきました。ニフティと名前がついていますが、とくにニフティに限定しているわけではなく、「サムライクラウド」ようするに、日本のクラウドを考えていこう、というような集まりです。
昨晩はパネルディスカッションもあり、クラウドのメリット・デメリットをはじめとした、様々な議論が活発に行われました。
私自身は、クラウドで何らかのサービスを提供する立場、というよりは、ネットワークオタクですので、クラウドのインフラで何ができるか、という、使う側の立場での見方が好きなのですが、実はIT業界への影響は非常に大きいという面もあります。
わかりやすいところでは、共通化できるものは個別開発がクラウドに置き換わっていくため、受託開発が減るだろう、とか、ソフトやハードは必要なときに必要なだけ使うようになり、固定的な収入をもらいにくくなる、とか、いろいろあるでしょう。いずれにしても確実なことは、「コストダウン」なわけです。従来のようには稼ぎにくくなるということです。クラウド提供側としても、共通化によって量の戦いになるわけで、ますます淘汰されていくことになるでしょう。
新しい仕組みでコストダウンというのは、IT事業をやっている側にとっては、自分で自分の首を絞めているようなものという表現をする方もいます。まあ、実際はIT業界に限らず、どんどんコストダウンの方向に向かうのは当たり前なのですが。そうなってもきちんと食っていけるように考えておくことが大切だと思います。
参加各社の皆さんも、そのあたりは考えているようで、クラウド化とともに、商流の変化や提案の仕方の変化、見積の仕方の変化など、様々な議論が懇親会まで続きました。
当社としては、ネットワークの基幹部分の開発力に自信があることから、クラウドでもますますネットワーク関連技術は役立つと考えていますが、それだけで食っていけるのか?また、そのようなスキルを持つメンバーをより増やすにはどうするか、など、今から考えておかねばならないと感じています。もちろんクラウドに直接関係ない部分での仕事もたくさんあると思うのですが、いずれにしても、共通化によるコストダウンの方向は確実ですし、さらに、短納期化の要求も高まり、開発側としては非常に大変な状況に向かうことでしょう。独自力できちんと戦えるよう、自分たちを磨くと共に、しっかり力をアピールしていかなければと思っています。
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そうそう、クラウドといえば、今週金曜日に、これまた当社が参加している、LBI(Linux Business Initiative)のサロンがあります。3つの講演がありますが、そのうちの1つはIIJ-GIOです。さらに、1つ目の講演は当社メンバーでありオルタナブロガーでもある稲川さんです。ご興味ある方は、今からでも間に合いますので、ご参加お待ちしています!
第3回LBIサロンをご案内いたします。 LBIサロンはどなたでも参加できます。懇親会を除いて参加は無料で、講演会または懇親会のみの参加も可能です。
テーマ 様々な側面の仮想化とLinux
開催日時 2011年1月21日(金)13:30-17:00
会場 関東ITソフトウェア健保会館 ITS大久保会議室の1F C会議室
懇親会 ソムオー新大久保店
開始時間 13時30分
予約締切時間 2011-01-21 12:30
セミナー
1.「ITは、ものづくりなのか?サービスなのか? Ⅱ」
~サービス・マネジメントからみるIT~
目に見 えにくいIT産業という存在そのものを技術的な側面ではなく、経営学のものづくり論と サービス論からみてみます。
日本シー・エー・ディー株式会社 企画担当:稲川 卓治 氏
経済学修士・筑波大学大学院 経営政策専攻
2.「Android開発について」
仮想世界への繋がりとも考えられる携 帯端末環境のひとつである、Android で開発を行っている開発者からの、実際の開発について。
有限会社アドリブ:加畑 健志 氏
3.「IIJ GIO の HaaS基盤について」
商用サービスへの設備および 運用コストをどのように工夫をしたかなどの実例を交えた紹介など。
株式会社インターネットイニシアティブ立久井 正和 氏、牧野 泰光 氏
お申し込みはこちらへ。