マネージャーの仕事は支点のコントロール
社内ミーティングで、あるマネージャーに、
「担当メンバーに任せた**は進んでいるの?」
と尋ねると、
「いやー、なかなか自発的に動いてくれなくて・・・。自分がもっと時間を割ければいいのですが、いろいろ忙しくて。。」
よくあるパターンのやりとりです。
ここで企画担当のIさんの説明が分かりやすかったので紹介しましょう。なお、個人的にはマネージャーよりリーダーという表現が好きなのですが、今回は仕事を管理する立場という意味が中心なのでマネージャーを使っています。
マネージャーのパワー:input
メンバーの動き:output
と定義すると、
input
output ↓
↑ ↓
------------------------
▲
こんな状態だと、マネージャーはパワー(時間や行動など)をいっぱい注いでも、メンバーの動きはその半分とかいう、非常に悲しい状態になってしまいます。「それなら自分でやった方がマシ」という状態ですね。
ここでマネージャーが気をつけないとならないのは、このままの状態でさらにパワーをかけても駄目、ということです。
output
↑ input
↑ ↓
------------------------
→→▲
このように、支点を移動すれば、マネージャーが少しのパワーをかけただけでもメンバーからのアウトプットが期待できる状態になるわけです。
支点の移動とは具体的に何かというのは、すべきことによって異なりますが、例えば
「目的を明確化すること」「担当を決めること」「期限を切ること」「やり方を指示すること」などがそうでしょう。メンバーが「やらねば」という気持ちになってくれるようにすることや、まず何からやればよいかを分かる状態にすることなどにより、「あとは具体的にやるだけ」という状態にしてあげれば、マネージャーの負担は減り、結果も満足がいくものを期待できる、となります。
ところが、多くの人は、「こうなるといいなぁ」「こうしないとねぇ」というだけで、それではほとんどのメンバーは何も行動してくれませんし、結果もレベルの低いものになってしまうでしょう。希望を言うだけであとは自発的に動いてくれるほどのメンバーはそう簡単にはいません。
「支点の移動がマネージャーの仕事」
です。自分の時間をかけることではありません。
とはいえ、実はマネージャーも「時間がない」を言い訳にしている場合も多いものです。やるべきことを明確化したり、割り振りを考えたり、スケジュールを考えること自体が面倒くさく、「忙しいから」と先延ばししてしまうのです。しかし、それでは支点が自分よりに来ないので、自転車操業的になり、結局さらに忙しくなってしまうものなのです。
メンバーを有効活用できるかどうかは、支点の位置で決まり、支点を動かすことこそマネージャーの仕事、と考えると良いですね。
今晩のオルタナブロガーミーティングには企画担当のIさんも同行しますので、参加の皆様、お相手よろしくお願いいたします。