努力するためには具体的な目標が必要:さらに謙虚さも!
「自分は営業力が足りないと思っているので、自分なりに努力しています。」
こんな感じの話はよく聞きますが、
「では、具体的にどんな努力をしているか、聞かせてくれる?」
と言うと、返事に困る人が意外と多いものです。
人は基本的には楽をしたいものですから、努力しなければと思っても、大抵は放置してしまうものです。努力しなければと思うことは誰でも簡単ですが、実際に努力することは大変なのです。
努力するためには、具体的な目標が必要です。目標を決めずに努力はできませんし、目標が具体的でなければ努力しようとたまたま思っても、何をやればよいかがすぐに分からず、結局何もしないのです。
では、目標はどうやって決めればよいのでしょうか。
自分で自分の悪いところをはっきりと分かっていれば、その悪い点を直すような目標を立てれば良いのですが、意外と何が悪いのかが分かっていないことが多いのではないでしょうか。例えば「営業成績が悪い。少しは努力しろ!」と言われたところで、何を努力すれば営業成績が良くなるかがそもそも分からないものです。それでは目標の立てようがありません。
自分の悪いところは、人から指摘してもらうのが一番です。自分で分からない部分でも、他人から見れば意外とはっきりと見えるのです。それは身近な仲間でも良いでしょうし、お客さんでも良いかも知れません。一人よりもいろいろな人に指摘してもらうと確実です。指摘までいかなくても、アドバイスや一般論を聞かせてもらうだけでも良いのです。自分では思いもよらない点を指摘してもらえたり、教えてもらうことができるのです。
ところが、人から指摘されることを嫌う人が多いもので、「自分はそのくらいはできている」「そんなことはしっている」と、せっかくの指摘やアドバイスを跳ね返してしまう人が多いのです。当然、指摘やアドバイスをしてくれた人は、「せっかくあなたのためを思って言ったのに、聞く心がないなら言うだけ無駄だな」と、核心を突くようなことを言ってくれなくなってしまいます。これが実は一番怖いのです。
多少なりとも自分に自信がある人は、プライドがありますから、他人からあれこれ言われるとしゃくに障るタイプの人が多いものです。特に若いうちはそういう傾向が強いものです。しかし、それが自分の成長を妨げることになっているものなのです。
人からの指摘やアドバイスを謙虚に受け止め、自分の足りないところをしっかり認識し、具体的に「ここを良くしよう」と目標を決めることで、はじめて継続的な努力ができるようになるのです。努力のスタート地点は「謙虚な心」と言えるかも知れません。