古いシステムを使い続けるには・・・
コンピューターを業務で使っていて、一番心配なのは、コンピューターが故障することでしょう。故障しても修理できれば、あるいは代わりのものが入手できればまだ良いのですが、古いシステムでは困ってしまいます。
先日、あるお客さんからご相談いただいたのですが、「MS-DOS時代のFMR(富士通ですね)のシステムを使い続けているが、故障したらと思うと不安で仕方がない。なんとか安心して使い続けることはできないか?」という感じです。
そのシステムのベンダーは今でも同じ事業を続けているのですが、当然そんなに古いシステムのサポートはしてくれませんので、相談しても、「買い換えてください」と言われるだけです。しかし、ハードを買い換えるだけではもちろん駄目で、ソフトも、ついでにそのシステムで制御している装置側も変更が必要で、かなりの費用がかかります。費用だけではなく、使い勝手が変わってしまう点や、入れ替える際に営業を止める点など、課題はたくさんあります。
お客さんとしては、単に今のまま使い続けたいだけなのです。
オルタナブロガー宮沢さんなら、エミュレーターで古いソフトを新しいハードで動かすこともできるでしょう。しかし、その費用もそんなに安くはありません。ソフトを再開発するよりはもちろん安いのですが、製品として販売されているシステムだと、買い直す方が安いかも知れません。
そのような背景で相談いただいたので、私としては、とにかくそのまま使い続けることだけに絞ったシンプルな提案をすることにしました。
同等のハードを中古で何台か揃えて、ハードディスクは複製を作り、予備として確保する、という提案です。
FMRは実は触ったことがないので、とりえあずオークションで安く本体だけ仕入れてみました。何とか動いていますし、メンテナンス性は意外と高い作りですので、何とかなりそうです。
問題は、ハードディスクの複製で、コピーをどのようにして取るか、コピーしている最中にちょうど壊れたらどうするか、などの問題があります。このあたりのリスクを考慮し、条件と見積のバランスを考えて一応お客さんに提案してみました。まだ回答はいただけてませんが。
====
実は2008年8月にも「20年前のシステムの保守」という記事を書いています。ベンダーとしては、古いシステムの個別対応で苦労するくらいなら、買い換えてもらう方がはるかに楽なのですが、それは売る側の理論であり、使う側としては、困っていないのに何で買い換えるのか?という考えもありますし、そもそも不況でもあり、投資はできるだけしたくない、というのも当たり前です。
私の会社では、せっかくコンピューターに詳しいメンバーがたくさんいるわけですから、単に売っておしまい、ではなく、お客さんが困っていることを解決してあげる、ということができるはずです。事業としての採算性の問題ももちろんありますが、まずは困っている人を助けてあげる、というのは仕事の基本だと思っています。そうやってお客さんに喜んでいただいて、良い関係を増やしていければ、また将来、相談をいただける、これが商売の基本でもあると思っています。
私自身も、実は今ブログを書いているMacBookAirの液晶モニターのヒンジが壊れ、愛用しているので非常に困っているのですが、どうやら無償修理対象のようで、木曜日にAppleStoreに持って行く予定です。自分が使う立場だとやっぱり満足に使えるものを買い換える気にはなかなかならないものですよね。お客さんの立場で考えることができないようでは、製品開発販売事業もうまく行かないと肝に銘じています。