D・カーネギー:「人を動かす」
先日ブログに「人の魅力が仕事を集める」を書いた際に、D・カーネギーの「人を動かす」を読んでみると良いと勧めていただき、読んでいる最中なのですが、何を今さらと言われそうですが、すばらしい内容ですね。世界の人が皆この本を心から読めば、争いごとなどなくなるのではないかと思えるほどです。
人付き合いでも、ビジネスでも重要なポイントが書かれていますが、そもそもビジネスは人と人との関わり合いから生まれるものですから、当たり前です。
この本の良さを私が代弁しても意味が無いことなので、私なりに感じたことを何回かに分けて書いてみます。
本書の最初の章は「人を動かす三原則」で、いきなり本のタイトルに直結しているのですが、ひとことで言えば、相手の立場で考えることが大切という感じでしょう。命令しても怒鳴りつけても人は動きません。動くかも知れませんが心からの行動ではないでしょう。怒鳴られて心からやる気になる人はほとんどいないものです。嫌々やるものです。
怒鳴ってすっきりするのは、怒鳴る人だけで、それ以外ほとんど何も生まないわけです。
それなら、「どんなことを言えばやる気になるのか、うれしいのか」を考えて、その気にさせるような言動を取った方が良いわけです。相手を避難するのではなく理解しよう、さらに相手の重要性をきちんと表現することも大切と書かれています。例えば名前を覚えてあげるだけでも、相手は喜ぶものです。
あえて例外をあげるとすれば、私自身は怒鳴られてがんばったタイプでした。業績が悪く「お前はいったいどうするつもりだ?」と怒鳴られ、いつか見返してやるぞと歯を食いしばってがんばりました。しかし、それは非常に珍しいケースでしょう。
苦しみは人を育ててくれますが、それは自分が何とかしなければと思った対象だから乗り越えようとがんばるわけで、人のためにわざわざ苦しいことをやりたいとは思わないものです。仕事は人のためであることが多く、あまりやりたくない仕事を本気でやってもらうには、怒鳴っても駄目で、その気になるような話をした方がはるかに効果的なのだと思います。
本書を読んでいると、「そうそう、その通りだ」とうれしくなることも多いのですが、ときどき「ドキッ!」とさせられる部分もあります。「あぁ、自分は甘かった」と反省させられるような部分です。そういう内容を、直接的に避難してくるのではなく、「こんなはなしがありました」と例えから読み取らせる感じで書いてあるので、すんなり心に入るのです。電車の中で読んでいると、涙腺が刺激されて困る部分も多いのですが、心が洗われる本です!
私自身も、ドジっ娘リーダー奮闘記でも書いていますが、「やらせるより、任せよう」という考えでやってきましたので、頼りがいのあるメンバーたちに囲まれて今の仕事ができているのですが、それでも本書を読むと「あぁ、あの時のやり方は間違いだったな」と思い浮かぶことがたくさんあります。メンバーやお客さんに嫌な思いをさせてしまったことがたくさんあったと反省させられます。まだまだリーダーとしての修行も必要ですね。
たまには宣伝:ドジっ娘リーダー奮闘記