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プログラミングでメシが食えるか!?

業績が悪い原因は「社内外のコミュニケーションが下手」!?

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今日はソフトウェア関連事業を行っているIT事業部の、リーダーミーティングをじっくりやってみました。IT事業部はざっくり言うと、受託開発と製品開発販売を行っていますが、この上期は業績がよろしくなく、それを再認識し、下期以降どうするか、ということなのですが、まずはブレーンストーミング的に、それぞれが思っていることを出し合いました。先週のうちに私の方から、こんなところが問題だと思う、という課題をメールしておきましたので、その内容を中心に、考えを出し合うという感じです。

IT事業部固有の問題はここに書いても意味が無いので、どの組織でも関係ありそうな部分を紹介すると、一番大きな問題は、「社内外のコミュニケーションが下手」ということです。

●社内でのコミュニケーション
それぞれのプロジェクトが、どんな状態なのかとか、案件はお客さんとの間でどうなっているか、などの情報が、それぞれのリーダー間で共有が不十分で、お互いに遠慮し合って「お見合い状態」になってしまったり、連係プレーができていなかったり、経営者への報告ができなかったりという問題です。先日もブログに書きましたが、「見える化」ができていないためです。

●社外とのコミュニケーション
お客さんの巻き込みが不十分です。例えば、ある製品を一緒に立ち上げよう、というお客さんに対して、進捗などの情報を頻繁に提供できていなかったり、受託開発でお世話になったお客さんと、案件終了後にコミュニケーションが途絶えてしまっていたり、製品を購入していただいたお客さんとも、より深い関係作りができていなかったり・・・。

この件に関しては、リーダーたちとかなり議論をしました。

私:「せっかく開発中の製品がどんどん進んでいるのに、何で一緒にやろうと言ってくれている会社さんに、頻繁に情報を提供したり見てもらったりしないのか?」
リーダー:「中途半端な状態で見てもらっても、印象を悪くするだけでは?」
私:「製品を購入するお客さんなら、きちんとしたレベルで提供するのは当たり前だけど、一緒にやろうと言ってくれているんだから、途中経過でもどんどん伝えて巻き込めばいいのでは?」
リーダー:「でも、そこで進捗が遅れていたり、バグがあったりすると、関係が悪化してしまう心配が・・・」

ここでようやく私は気がつきました。リーダーたちは一緒にやろうと言ってくれているお客さんと良好な人間関係が築けていないのが原因だ、と。

良好な人間関係というのは、表面的にビジネスの会話をできるレベルではなく、もっと自分をさらけ出して、良い点も悪い点も腹を割って話し合える関係、という意味です。

一緒にやろうと言ってくれている人からすれば、情報や様子はたくさん知りたいはずです。一緒にやろうと決まってから、ずーっと音沙汰がなく、完成したからどうぞ、という関係より、都度様子を把握できた方が一緒にやっている感じも盛り上がりますし、うれしいはずです。途中のやりとりでは中途半端な状態を見られてしまったりすることもあると思いますが、そういう関係であれば、それを非難されるようなことはまずないはずです。

リーダーたちにその話をしたところ、「言っていることは分かるが、お客さんは立場も上の人だし、怖そうだし・・・」というような感じでした。

私はこれまで、たくさんの大切な人との関係を作ってきました。そのポイントは、

・とにかくどんどんメールでこちらの状況を報告する
・できるだけ実際に会う
・格好つけずに、自分の良いところも悪いところも見てもらう

このあたりを心がけてコミュニケーションしてきました。基本的には相手の懐に飛び込ませてもらうくらいの感じの方が、人間関係はうまく行きやすいとも感じています。特に相手の人が年上であったり、立場が上の人の場合はそうです。威勢の良いところを見せるのが大切な場面もありますが、ずっとそれを続けていては相手も心を開いてくれません。こちらの弱みも見せてしまうことで、相手も、「じつはね・・・」と深い話ができるようになるものです。

さらに、自分に余裕があるときには、相手にどんどんプレゼントします。モノを送るのではなく、情報や仕事でのプラスアルファとかです。

相手の人が得意な分野は、どんどん頼るのも良いことです。一方的になりすぎても駄目ですが、知り合いに頼りにされるのはどんな人でもうれしいものです。

そのように、「相談させてもらえる関係」を築いておけば、困ったときにも相談に乗ってもらえますし、ちょっと製品の評価をお願いしたとして、不具合が見つけられてしまっても、悪いイメージになったりはしないものです。

極論してしまえば、信頼関係と誠実さがあれば、「バグのあるプログラムを使ってみてとお願いしても関係は悪化しない」「それどころか、弱みを見せてしまうことで、かえって人間的なお付き合いが深まる」と思ってます。もちろん状況によりますが。

少々極端な内容を書きましたが、私はやっぱり人間味溢れるお付き合いができる人と仕事をするのが好きですし、仕事ができる人は皆そういう人たちばかりだと感じています。力がある人は威張りません。強い犬は吠えないのと同じです。

今のIT事業部は、野球で言うと、勝つときはどんどんホームランを打って勝つけど、苦しい試合だとバントやスクイズとかでコツコツと点が取れない、という状態だと感じています。それはやっぱり深い人脈が少ないために、お客さんから依頼が来るときにはいいのですが、自分たちから探さないとならないときや、頼らないといけないときに動けないのです。

あらためて課題を認識できたミーティングで、やって良かったと思っています。コミュニケーションは怖がっていては駄目です。自分から飛び込んでみると、実はとても楽しく、やりやすい状態になるものです。

新規開拓に比べれば、関係が少しでもあるお客さんとのコミュニケーションは簡単なモノです。あらためて、リーダーたちがお客さんたちと良好な関係作りができたとき、きっと今の苦しい状況が嘘のように良い状態になることでしょう。

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ドジっ娘リーダー奮闘記」を読めば書いてある気が・・・

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