新製品!回線遅延シミュレータ:EthdelayEx
昨日、新製品の回線遅延シミュレータ:EthdelayExをプレスリリースしました!
Ethdelayシリーズはこれで3製品となりました。
- 一番安価なEthdelay:59,800円
- 新製品のEthdelayEx:198,000円
- 上位機種のEthdelayPro:258,000円
機能面での違いとしては、
●最大スループットが、
- Ethdelay:10Mbps
- EthdelayEx:200Mbps
- EthdelayPro:500Mbps
●最小遅延が、
- Ethdelay:15msec
- EthdelayEx,EthdelayPro:2msec
●計測機能は、EthdelayProのみ
という感じです。
Ethdelayでは性能が低くて、EthdelayProまで本格的でない製品が欲しい、というご要望はたくさんいただいていて、EthdelayProは筐体が大きいのが持ち歩きにくい、などという点もあり、もう少しコンパクトで、性能もEthdelayProに近いもの、ということでEthdelayExを誕生させました。
せっかくなので、3機種の比較を簡単に紹介しましょう。
下から、EthdelayPro,EthdelayEx,Ethdelay
大きさはこんな感じで、かなり違います。EthdelayProはネットワークが6ポートありますが、実際に使うのは、シミュレート用:2個、測定用:2個、管理用:1個です。EthdelayExはシミュレート用:2個、管理用:1個です。Ethdelayはシミュレート用:2個で片方を管理用に共用、という感じです。
せっかく実物が並んでいるので、使ってみましょう。
EthdelayProの測定機能で、EthdelayExの性能測定をしてみます。
左がEthdelayExの動作設定画面、右がEthdelayProの測定画面です。223Mbpsでています。
続いて、EthdelayProの測定機能で、Ethdelayを測定してみましょう。
左がEthdelayの動作設定画面、右がEthdelayProの測定画面です。
なお、Ethdelayは管理ポートとシミュレーションポートを共用しているので、実は測定中は動作設定画面を出すためのケーブルを抜いて測定用のケーブルのみにし、測定が終わってから差し替えてます。
12Mbpsでていますが、実は送出間隔を100μsecに下げています。Ethdelayにあまりにもパケットを送りすぎると、受信処理が重たくなりすぎて、送出レートが下がってしまいます。CPUが非力なので・・・。遅延も大きいです。
最後に、EthdelayProで自分のシミュレーションポートを測定してみましょう。
左が動作設定画面、右が測定画面です。202Mbpsくらいでています。EthdelayExより悪いじゃないか!とは思わないでください。自分で自分を測定すると、CPUが忙しくなり、半分くらいの性能になってしまいます。EthdelayProを2台使って、シミュレーションと測定を分けると、500Mbps以上でます。EthdelayExより遅延が少なく、バラツキも少ないのがポイントです。EthdelayProのCPUはEthdelayExのCPUよりかなり強力ですので。
という感じで、使い勝手は3機種とも同じです。EthdelayProのみ測定機能がある点が違うだけです。
個人的なお勧めとしては、1台はEthdelayProがあると便利です。何よりも測定機能が便利です。絶対遅延時間を測定するのは、一般的に非常に大変なのですが、EthdelayProは1台で送受信を行うことにより、絶対遅延時間を精度良く測定できます。Ethdelayのシミュレーションのパラメータの検証にもとても便利です。ただし、EthdelayProは筐体が大きいので、複数台使いたい場合や持ち歩きたい場合に不便です。そんなときにはコンパクトなEthdelayExです。最大スループットはそれほど見劣りしませんし、十分持ち運びできます。
Ethdelayは携帯電話回線など、スループットが低い回線のシミュレーションには役立ちますし、なによりコンパクトで安価なのがポイントです。
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なお、マニアックなお話しですが、EthdelayExにはEthdelayProのような液晶画面がありませんし、Ethdelayの用にリセットボタンがありません。実は製品化でもめたのはここの部分で、設定の初期化の手段が難しいのです。Ethdelayはリセットボタン長押しで出荷時設定に戻せます。EthdelayProは液晶画面にIPアドレスが表示されますし、最新ファームウェアでは液晶画面とボタンで設定の初期化ができます。一番困るのは、IPアドレスを何にしたかを忘れたときなのです。ユーザインターフェースが出せれば変更できるのですが、IPアドレスを忘れてしまうとお手上げです。まあ、ネットワークマニアならパケットをキャプチャしたりすれば何とかなるのですけど。。
EthdelayExはシリアルコンソールで初期化ができるようにしてあります。
こんなかんじにクロスケーブルでつないで、ターミナルソフトでシリアル接続すると、
こんな感じにメニューが表示されます。ここで「2」の出荷設定に初期化を行えば、IPアドレスもデフォルトの192.168.100.1になる、という感じです。
いまどきシリアル接続は面倒、という感じなのですが、緊急用ですので。。IPアドレスはきちんと記録しておくことをお勧めします。。
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さらに裏事情をお話しすると、Ethdelayは比較的短納期で納品できます。EthdelayProは在庫がなくなると1ヶ月以上お待ちいただく感じになってしまいます。EthdelayExはEthdelayProよりは短納期で納品できる見込みです。
技術系の製品としては、あり得ないほど安い、と、お客さんに言われますが、実際に、2年間で100台程度の販売実績ではビジネス的には全く儲かりません。しかし、自分たちも技術者の立場として、そんなに高い測定装置は買えませんし、測定装置自体が利益を生むものでもありませんので、買わせてもらえないことが多いのは良くわかっています。
当社はネットワーク関連の開発を強みとしていますので、技術力のアピール用と位置づけ、安価に提供しているという感じです。本音としては、Ethdelayシリーズで儲けるのではなく、「こんなものを作れる会社なので、ネットワーク関連の開発のご相談とか、お待ちしてます!」というところですね。
よろしくお願いいたします。。