お客さんとのコミュニケーションも人を育てる
ブログは人を育てるという話題が少し盛り上がってますが、お客さんとのコミュニケーションも人を育てると最近強く感じています。
私の目の前のメンバーたちはプログラマーなのですが、製品開発販売をやりたいメンバーたちなので、開発だけでなく、販売にも取り組んでいます。販売はお客さんとのコミュニケーションがポイントです。
このところ製品のお問い合わせがひっきりなしで、すぱっと終わる事もありますが、調べたり検討したりしてからお返事することも多く、1つのお客さんと数回やりとりするのは当たり前で、メールも多用しますが、やはり一番多いのは電話です。
電話でのコミュニケーションは慣れてもなかなか大変なもので、冷静に考えると仕事でやっているのですから、緊張する必要などないもののはずなのですが、なぜか緊張もかなりのものになります。特に初めてのお客さんや、お付き合いが始まったばかりのお客さんとの電話は緊張するものだと思います。
それでもメンバーたちは、自分たちでやりたいと思っている事業に取り組んでいますので、相談したりしながら、勇気を出してどんどん電話をしていきます。
電話でのコミュニケーションは、ある程度リアルタイムの反応を求められます。相手がなんと言ってくるかの予測も完璧にはできませんし、話の流れが突然変わることも良くあります。それに対応するためには、自分たちの仕事をかなり広く深く把握していないとならないものなのです。何度も電話で失敗したり、少々お待ちくださいと、他の詳しいメンバーに確認したりしているうちに、たいていの人は詳しくなろうと努力するものです。
また、言葉遣いや話し方に問題がある人も、直接お客さんとやりとりしていると、不思議なことにみるみるうちに言葉遣いが良くなっていくのです。丁寧な表現が思いつかずに言葉につまっていたりした人が、いつの間にかすらすらと綺麗な言葉を使うようになります。これも自ら気をつけようと思うことと、お客さんの言葉を聞くうちに覚えるのでしょう。
私の部署のメンバーは技術者だからといって会社に籠もっていることは許しません。受託開発でも、提案や要件定義からテストまで、あるいは見積や納品など、全て自分たちでこなすようにしています。従って、誰をお客さんの前に連れて行っても恥ずかしい思いはほとんどした記憶がありません。
人は誰でもはじめてやることは苦手意識を感じるものです。そこで逃げていてはいつまでたっても上達しません。上手くなれないことは好きになれないものです。それでは成長しません。はじめはやらざるを得ない状況に追い込まれる必要があると思います。上司がそうし向けるケースや、自ら飛び込むケースなど様々だと思いますが、「自分がやるしかない」という状況になれば、誰でも何とか乗り越えるものです。それが人を育てるのです。
技術者はコミュニケーションが苦手、というのは食わず嫌いのようなものだと思っています。仕事というのは多くの場合、相手があって成り立つものです。コミュニケーション無しでできる仕事などほとんどないと思っています。できるようになってみればコミュニケーションほど楽しくて刺激的なことはないと気がつくことでしょう。