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プログラミングでメシが食えるか!?

自社のIT製品の思い入れを書いてみる

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たまには仕事らしい話題と思い、ちょうど会社ホームページの微調整などを行ったので、現在HPで紹介しているIT関連製品の紹介というか、思い入れを書いてみようと思います。

不正接続検知/排除システム「IntraGuardian2」
いまのところ、一番数が売れている製品です。許可していないMACアドレスを持つネットワーク機器を発見し、通知・排除するシステムです。開発のきっかけは、この後に登場するProDHCPを何か有効活用できないか?という感じで、DHCPサーバはせっかくMACアドレスとIPアドレスを持っているので、それをデータベースとして不正な端末の検知・排除をしてみよう、ということでした。作るのはすぐでしたが、製品化を検討しているうちに、もっとシンプルじゃないと売るのが大変だ、ということになり、DHCPサーバは切り離して、単独で動くシステムとし、さらにソフト売りではなく、アプライアンスとすることになり、安い・簡単・つなぐだけ、のコンセプトで製品化しました。初代IntraGuardianには私のソースも入っていましたが、2代目のIntraGuardian2からは私のソースは消え、メンバーが完全に作り直したソースになっています。最初のソースは試行錯誤で拡張性などに問題があったためです。
大規模での運用も増えてきており、結局はシンプルというより、機能盛りだくさんになりつつありますが、使う上での簡単さは譲らないとメンバーががんばって改善を続けています。

回線遅延シミュレータ「Ethdelay」「EthdelayPro
イーサネットの帯域・遅延・ロスをシミュレートするシステムです。
受託開発でVoIPのエンジンを開発した際に、回線遅延対応が問題ないか?ということを証明するために自作したのが最初のバージョンでした。その後、ソフト製品としてホームページに掲載していたのですが、全く問い合わせもなく、忘れた頃に問い合わせをいただいた際にはすでにソースが見つからなかったという思い出があります。慌てて3時間ほどで作り直し、それが今のバージョンのベースになっています。
いずれにしてもソフト販売では導入しにくいと言われ、アプライアンスとしたところ、毎月コンスタントに数台ずつ売れ続ける製品になりました。
より高性能なものが欲しいというご要望にお応えして、ハードを強化したEthdelayProもリリースし、こちらもコンスタントに売れています。技術系の製品にしてはあまりにも安いということで、お問い合わせをいただいて売れないことはほとんどないという珍しい製品です。

コンパクトパケットキャプチャ「Ethcapture」
Ethdelayを見たオルタナブロガーのYさんが、中継するパケットをそのまま保存してキャプチャを作って、ということで誕生した製品です。パケットキャプチャというとPCにインストールして使うソフトウェアか、高性能で高価な製品というイメージがありますが、この製品は現場で手軽に障害解析などで使えるようにと、全く異なるターゲットで開発しました。機能的にはEthdelayから帯域制限や遅延・ロスなどの機能を外して、パケットを保存するようにした程度なので、2時間程度で作り上げましたが、製品化にはユーザインターフェースや、リアルタイムクロック対応、NANDフラッシュ対応と、多少は手間がかかっています。この製品の便利さは使った人でなければわからないと言いたくなるくらい、デバッグにも開発にも便利です。

メール宛先制御システム「BridgeFilter」
メールサーバやメーラーの設定を一切変更せずに、中継するパケットをチェックしながら、宛先によって通過・遮断を行うシステムです。目的としては、たとえば派遣社員の方々の島からのネットワークに挿入し、社員宛のメールのみを許可する、という感じに使うことを想定しました。技術的にはTCP/IPのパケットを自分で解釈しながらチェックし、遮断する場合にはメールサーバとメーラーにRSTパケットを送りつける、というとても楽しい内容です。
残念ながらアプライアンスシリーズで最も売れていない製品で、そもそも競合製品もないので、何に使うのかもなかなか理解してもらえない製品です。

添付ファイル管理システム「ATGateway」
添付ファイル付きのメールから添付ファイルのみ切り出し、ファイルサーバに格納し、それを取り出すための情報をメール本文に挿入して転送する、という製品です。今のところ、サイバーシステム総合研究所さんのMPKという製品と組み合わせて販売することを前提としているので、なかなか単独で紹介しにくいのですが、添付ファイルの安全化という意味でとてもユニークな仕組みです。出ていくメールも入ってくるメールも対象にしますので、添付ファイルはとにかく禁止にしたい、という目的にはピッタリです。

大規模向けDHCPサーバ「ProDHCP」
個人的には一番思い入れのある製品で、おそらくDHCPサーバを自作した人というのは世界でもそんなにいないだろうという、自己満足の製品です。もともとは某通信事業者でIPアドレスを15万件管理していても、設定変更を瞬時で終わらせられないか?という相談がきっかけで、ISCのDHCPサーバの改造の話だったのですが、フルスクラッチで作りました。3日でプロトタイプを作って性能面の検証をし、2週間後にはテストを開始したという超短納期で作りました。その後、なかなか単独では売れなかったのですが、ソリトンシステムズさんのNet'Attest D3のエンジンに採用いただき、どんどん機能強化を続け、最近は単独でも売れるようになってきました。冗長構成にも対応しています。
安いサーバ機でも100万件程度のアドレスを管理でき、設定変更もスピーディーで、動作もログも確実、というのがアピールポイントですが、実際は、全て自作していますので、何か問題が発生しても確実に解析などの対応が迅速・確実にできる、という点で喜んでいただいている感じです。
個人的には、Linux,Solaris,MacOS(BSD)に1つのソースで対応しているのも自慢です。

Webシステム負荷試験ツール「SADEE 2」
だいぶ古い製品ですが、実際に自分たちでも使って役立つという面では社内でも一番人気の製品です。HTTPのプロキシとして中継させながらシナリオを採取し、そのシナリオを使ってHTTPサーバに負荷をかけて動作を確認するものですが、負荷テスト以外で、監視やデバッグにも役立ちます。私が作ったものにしては珍しくWindowsでも動く製品です。WindowsとUNIX系に1つのソースで対応しているのも自慢です。
息の長い製品で、セッション関連の対応や、IPv6対応など、地道にバージョンアップを繰り返し続けています。

サーバ二重化システム「Perfect HA」
クラスターシステムです。単独で売れることはまずないのですが、サーバ構築の仕事で使うことは結構あり、その都度カスタマイズしながら様々な用途で使ってきました。Windows版とLinux版があり、これは残念ながら別のソースです。作るきっかけとしては、既存のクラスターシステムが帯に短したすきに長し、という感じで、なかなか思い通りにならなかったので自作した、という感じです。

とりあえず、今、会社ホームページで紹介している製品はこれで全てです。以前はもっとたくさん載せていたのですが、欲しいと言われてもすぐに提供できないものや、ほとんど問い合わせがなかったものは削除となりました。遠い昔にはCADシステムも開発販売していました。。

ソフトウェアを中心とした製品の開発販売をやっていて感じるのは、日本人はとにかくソフトに価値を感じてくれにくいことです。アプライアンスにして箱があるかどうかで売りやすさが全く異なります。また、作るのに比べて売るのはとても大変、ということも痛感しています。それでも、受託開発だけをやっていると、チャレンジする気持ちが盛り上がりにくく、受け身の姿勢になりがちで、やっぱり製品開発販売に取り組む価値は大きいと感じています。自分たちが作ったものを、自分たちの手で世に問うというのは、とても刺激的な仕事です!

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