ソフトウェア製品の価値
今日はProDHCPを採用いただいたお客さんとのミーティングで、ProDHCPは安定してサービスを続けており、GW明けにはさらにセグメントを増やすが、テスト環境で問題なく評価できていて、安心している、というようなコメントをいただきました。今回のリプレースでは他の海外製DHCPアプライアンス製品なども検討されたようですが、1サーバで12万件くらいのアドレスを管理したいということと、リース時間を20分以下に短くして運用したいという点で、1サーバではとても無理、という状況だったそうで、「ProDHCPが見つからなければプロジェクトは完全に行き詰まり状態だった」という感じだったそうです。
アプライアンス製品は電源を入れるだけで簡単にセットアップでき、便利なユーザインターフェースなど運用も簡単なのですが、使いたいサービスに上手く合わないことが意外とあるものです。一般的に、記憶領域の容量による制限や、処理性能による制限、UIによる制限、さらにカスタマイズは難しい点、他のシステム(特に他社製品)と連携するのが難しい点などは、便利さと引き替えに妥協を迫られる点でしょう。
DHCPサーバ製品の場合、ほとんどの製品がISC製のDHCPサーバを組み込んでいますので、ISC版DHCPサーバ自体の制限も当然あります。もちろんISC製が悪いというつもりは全くありません。オープンソースで一般的な用途では幅広く便利に使えるDHCPサーバです。私も自分で作ってなければ、買わずにISC製を使うでしょう。
しかし、商用サービスなどでは、ソフトなどの製品にサービスをあわせるのではなく、なんとしてもサービスの目的を達成しなければならないケースも多く、そのような場合にはProDHCPのように完全に自作したもので、作った人がある程度対応できるようなソフトの価値があるのだと考えています。
一方、ProDHCPは小規模で使う分には有料ですし、それほど安くもありませんから、コスト面で引っかかることもあると思いますが、大規模で使うには、1サーバで100万アドレスを管理させても実用レベルで動いてしまうので、安過ぎという場合も多いのです。数十万円から数百万円するアプライアンス機を複数台使わなければならないサービスを、1サーバで運用できてしまうのですから。
まあ、エンジニアとしては、作ったものが活躍することはうれしいことで、単なる自己満足でなく、実際に役立つだけでもうれしいので、ついつい儲けより使ってもらうことを優先してしまうものです。でもそれが「技術者のやりがい」を満足させることができるのであれば、それはそれで価値がある仕事ではないかと考え、正直に真面目なビジネスをしていればお客さんも損をさせるほどのことはしないだろうと信じて、皆さんに喜んでもらえるシステムを作り、提供していきたいと思っています。
今日は一人新しい仲間がIT事業部に加わりました。歓迎会も開催するようですが、私は外での打ち合わせもありましたが、少し精神的にも疲れてきたので遠慮しました。IT事業部はチーム制になって2年目で、リーダーもますますリーダーらしく成長し、採用活動なども自ら動くようになってきてくれました。私がちょっと疲れたくらいでビクともしない事業部になってきました。新しく加わったメンバーも技術者としての喜びを一日でも早く感じられるよう、自身の努力と周囲のサポートに期待しています。