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プログラミングでメシが食えるか!?

本を読もう:『誰かに話したくなる小さな会社』

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『小さな会社とブランド戦略』と同じ方が書いている本で、読んでみると半分以上同じことが書かれているのでは?という感じで少しがっかりだったのですが、同じことを繰り返し伝えることもリーダーの大切な仕事、と考えると、まさにそれを地でいっているのかも知れません。

誰かに話したくなる小さな会社
浜口隆則・村尾隆介 著
かんき出版
ISBN978-4-7612-6547-2

2冊は発売時期も非常に近く、不思議に思っていたら出版社は違うのですね。。

どちらか片方を読めば十分だと思いますが、『小さな会社とブランド戦略』の方がやや説明が多く、『誰かに話したくなる小さな会社』は事例が多い、という感じです。

理想的な戦略として「戦わずに勝つこと」はこの本に限らず、多くの書籍で語られています。特に最近のような不景気では、戦いは値引きに直結しがちで、仮に勝ったとしてもほとんど儲からない、あるいはやっても赤字、ということになりかねません。

戦わずに勝つためには、他と違うことをやれば良い、と口で言うのは簡単ですが、他と違うことをやるということは、新たに市場を開拓するような面もあるので、リスクも大きいものです。製品を販売していても感じるのですが、競合製品がある方が説明しやすく、売りやすいのです。しかし、競合と比較して勝たねばなりませんから、戦ってしまうわけです。

もう一つ戦わずに勝つ方法として、お客様にファンになってもらう、というのがあります。同じ製品・サービスを買うとしても、好きな人・会社から買いたいというのは誰もが考えることです。好きな会社の製品なら高くても買いたいと思うものです。それが「ブランド」です。

ブランドを作り出すためには、作り手・売り手の「考え」を伝えなければなりません。こんな思いで作っているものだ、とか、こういう背景から生み出し、こういう思いを込めて売っている、というようなものです。会社自体のブランドイメージという考えもありますが、最近は会社だけでなくメンバー一人一人のブランドを作っていこう、という考えが増えてきています。そのやり方として誰もが思い浮かべ、実際に効果が出ているのが「ブログ」でしょう。

ブログは日々の行動や考えを公開し、それによってどういう人が製品やサービスを提供してくれているのかをアピールする絶好の場です。その一方、あまりにも宣伝色が強くなってしまうと、見る側が嫌になってしまうと言う面もあり、単純に会社のホームページを作るような考え方でブログを書いてしまうと、うまくいかない場合も多いものです。

『ビジネスブログ成功の秘訣』という本も机に積んでありますので、そのあたりをどう書かれているのか期待していますが、個人的にはやはり、きちんと素直に自分をさらけ出す、というスタンスが大事なのではないかなぁ、と考えています。人は文章からその人が裏で考えている思いまで見抜く力を持っています。あまり儲けばかり臭わせてしまうようなブログは読んでいてひいてしまうものではないかと思います。むしろ、素直に自分の考えを表に出す感じで書く方が身近に感じてもらえ、長期的にはファンになってくれるのではないでしょうか。

昨日、ある初めてのお客様を訪問してきたのですが、その方からお問い合わせいただいたきっかけは、私が1月31日に行った講演を聞いていただいて、こんな人・会社と一緒に仕事をしてみたいな、と思ってお声がけいただいたとのことです。本当にうれしいお話しです。私が講演でいかにも商売っぽい話ばかりしていたらそうは思っていただけなかったでしょう。同じように、お客様からこのようにお声がけいただければ、こちらとしても、是非力になりたい、と思うもので、お互いとても良い関係で仕事ができるようになるものです。こっちは客なんだから、と、高圧的な姿勢で問い合わせいただいた場合と、今回のようにフレンドリーなスタンスでお問い合わせいただいた場合では、いくらビジネスとはいえ、こちらの思い入れもかなり違ってしまうのは避けられないでしょう。

提供する側のイメージ、依頼する側のイメージ、ともに好印象になるような「ブランド化」を意識すると、いろいろな面でプラスの連鎖が起きると思っています。

書籍の紹介というより、自分の思いばかりになってしまいました。。

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