本を読もう:『70倍自動化営業法』
今回は営業の本を読んでみました。著者はオール電化の陰の仕掛け人だそうです。
70倍自動化営業法
田原 祐子 著
中経出版
ISBN978-4-8061-3193-9
営業嫌いが営業好きになるには、というような感じで、自身が成長したポイントをまとめています。私はどちらかというと、個々の戦術はあまり読まないというか、流し読みしてしまうのですが、心がけの変化や、気づきのあたりはじっくり読む感じの読み方をします。本書は読み始めて30分くらいで流し読みしてしまったのですが、何となく心の中で、「そうだそうだ」とか、「お付き合いしているあの営業にはこういう本を読ませたいな」とか感じました。
例によって本の内容を解説しても意味がないので、自分の製品と照らし合わせて考えてみようかと思います。
まず、自分の商品の良いところ:USP(UniqueSellingProposition) をしっかり把握するのがポイントということで、やってみます。今自社で販促活動に一番力を入れている、不正接続検知:IntraGuardianについて考えてみます。
まず、カタログでアピールしている「安い・簡単・つなぐだけ」
・安い:59,800円
・簡単:機能はシンプルで設定も運用も簡単
・つなぐだけ:アプライアンス(専用機)製品なので、インストールなどは不要。ネットワークと電源のケーブルをつなぐだけ
自分で他に思いつくもの
・壊れない:ハードディスクや冷却ファンなど壊れやすい部品を使っていない
・コンパクト:タバコの箱くらいのサイズで、置き場所に困らない
・エコ:常に電源を入れておくものなので、消費電力が少ないのは大切
・ネットワークの管理にも便利:自動収集機能で、接続している機器の情報が簡単に集められる
それ以外で競合との比較での良い点
・導入が簡単:インテリジェントスイッチを使うタイプだとネットワーク機器をほとんど入れ換えないとダメ
・サーバ無しでも運用可能:単独でも使えるので、小規模なら本体のみでも運用可能
販売する立場でのメリット
・シンプルなので説明が簡単
・導入が簡単なので、専門知識がなくても販売できる
さらに、デメリットもメリットにするように考える
・機能が少ない:わかりやすい
・排除が完全でない:万が一不具合が発生しても、単に外せばネットワークは使える状態にできる
・有名でない:知られていないということは抜け穴も知られていない
・安いので利幅が少ない:儲け主義ではないことをアピールできる(?)
さっと考えても結構出てくるものです。こういうものを関係メンバーで出し合い、さらにお客様に説明・販売するたびに、お客様からのメッセージを集めて、営業ツールとして資料化しておけば、経験の浅い営業担当でも十分アピールできる、と書かれています。
本書でも書かれていますが、現代は情報過多の時代です。お客様はいくらでも情報は集めることができるので、押し売り的な営業では売れないのです。むしろ情報を整理してあげたり、購入することによるメリットや明るい未来を語ってあげたり、そもそも営業担当が個人的にも好かれるようなコミュニケーションをしていかなければならないのです。嫌いな営業から買いたくないと思えばいくらでもネットショップでも買えます。むしろ良くできたネットショップの方が購入までに必要な比較・検討から購買までの流れが整理されていると言えるくらいの時代です。
私自身もかなり好き嫌いがはっきりしているので、「なんか押しが強いな」「自分の都合の良いことばかり話している」「きめつける」「人間味がない」というようなイメージの相手とはあまり付き合いたいとは思えず、例えその製品・サービスの方が良いと思っても、長期的に嫌な思いをするくらいなら、他を選択することも十分あると思っています。逆の立場で考えれば、自分が、あるいは自社のメンバーがそういうイメージをお客様に与えていないか、十分気をつけなければなりません。
こういうきっかけを与えてくれた本でした。読みやすくて、励まされるので、営業嫌いにはお勧めの本だと思います。読んで何となく元気や勇気がもらえる本は好きです。