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プログラミングでメシが食えるか!?

パトライトをSNMPでコントロール

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最近技術ネタが少ないので、どっぷり技術ネタです。

パトライトというと、パトカーの屋根についているものや、工場の壁や入り口についているようなものを想像すると思いますが、IT向けのパトライトはもう少しコンパクトなものが主流みたいです。先日購入したものはこの写真のようなもので、なかなか精密な作りでマニア心をくすぐります。

Patlite

IT関連でパトライトを何に使うかというと、監視システムなどで異常を検知した際に、光と音で知らせるためで、工場のパトライトと同じような役割ですが、ITのシステムから制御しやすいような製品が存在します。

以前はシリアル通信で制御するものが主流でしたが、最近はネットワークでの制御が主流のようです。実は数年前にあるシステムの監視機能用に使ったことがあり、この製品も同じ会社の製品なのですが、よりコンパクトで機能もかなり変化しています。

この製品の場合、制御はrshかSNMPを使います。rshはセキュリティの問題などから最近ではあまり使われていないのと、Windows系では対応しにくいので、基本的にはSNMPを使えということでしょう。SNMPはSimple Network Management Protocolの略なのですが、今となっては全然シンプルではありません。主にネットワーク機器の管理・監視・制御に使用されるプロトコルですが、中小規模のシステムではあまり使われないので、なじみも少ない気がします。機器ごとに取得・設定できる内容がMIB(Management Information Base)として定められていて、SET,GETの操作が中心になります。この製品の場合は、ランプのON/点滅/OFF、ブザーのパターン1/パターン2/OFFが制御でき、状態の取得も可能です。

SNMPは公開プロトコルなのでフルスクラッチで自作することも可能ですが、かなり複雑で多機能になっていますので、コマンドと開発環境を使うのが良いでしょう。オープンソースでnet-snmpというのがマルチプラットホーム向けに公開されていますので、それを使う場合が多いようです。とりあえず、MacOSXで実験し、Windows版も使ってみました。ビルド済みの状態での配布と、ソースでの配布があり、私はソースからビルドしました。Windowsの場合、ビルド環境によってかなり組み合わせの制限がありますので、ソースからビルドした方がライブラリを使って開発する場合はやりやすいと思います。無事にsnmpsetコマンドでパトライトを制御できました。

パトライトを何で使うかというと、不正接続検知システムであるIntraGuardianで、異常検知時にメール通知以外にも光と音でアラームを発したいということと、ゴルフシステムのサーバの2重化で、異常時に光と音で知らせたいという目的です。ITシステムですと異常を知らせるのに、メール通知やモニターに警告が表示されるようなものが多く、常にPCを使っているような仕事の場合は気付きますが、普段はPC以外の作業をしているような場合は以外と気付かないものです。IntraGuardianの場合はIntraGuardian自体が安いので、パトライトが割高になってしまうのが気になるところですが、トータルで安いことには変わらないので良しとしましょう。

実は組み込みLinuxのArmadilloなどを使えば簡単にネットワーク対応パトライトは自作できるのですが、それなりに見栄えの良い製品にしようとするとやっぱりコストがかかりますので、そうとう大量に作らない限り、汎用製品の方が安くなります。いい加減に作ってパトライト自体が不調では本末転倒になってしまいますし。それぞれが得意な技術を合わせて便利な製品を安価に素早く提供する方が我々中小企業の強みを活かしやすいものです。ネットワーク経由で何かを制御するというのはハード屋さんの得意な分野ですが、私の印象としてはまだまだ少ない気がします。ネットワークで電源のON/OFFをするような装置もサーバ2重化で使っていますが、そのくらいいくらでもあるだろうと思うと以外とないのです。私自身はハード技術はあまり詳しくないので、ソフト側でどう使うかというのがポイントになりますが、面白いハードがどんどんネットワークにつながると便利で楽しいでしょう。そういえば、今後のネットワークの一つのキーがセンサーをネットワークにつなげようという動きです。まだまだIT関連も楽しそうなネタが残っていますね。

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