失敗は成功の元
お盆休みでかなり電車が空いてて快適です。
今回は当社のゴルフ練習場向けシステムの昔話でも書いてみましょう。
もともと当社は現会長がマイコンやメカトロ関連をやろうと立ち上げた会社で、以前は石油関連向けプラント制御システムなどの製品を開発販売したりしていたのですが、なぜかあるとき突然ゴルフ練習場の自動ティーアップ装置の開発を始めました。私は当時プリント基板設計CADシステムの開発・販売で忙しかったのであまり途中のことは知らないのですが、最初の設置先は名古屋方面で、当時は工事関連のノウハウもなかったので、搬入から設置まで全て社員で行いました。2トントラックと4トントラックを自分たちで運転して運び、工事中の現地で泥沼にはまって動けなくなり、ショベルカーで引っ張り出してもらったりしました。
現地での設置も初めてのことで大変だったのですが、設置してみると想定してなかった問題がたくさん発生し、そのうちいくつかは仕組み上すぐに直せそうもないほど致命的な問題でした。真夏の工事で、私もいまだに最高記録の4日連続完全徹夜作業をしたりしましたが、オープン後も問題は解決できず、結局ある一部分、他の業者の仕組みを導入してようやく稼働状態になりましたが、会社が潰れるかと思うほどひどい状況でした。社員は他の仕事の担当者も含めてほとんど工事にかかりっきりでしたし、入れ替えの費用も当然負担しましたし。
ここで終わらないのが会長のすごいところで、メカ全体を再設計し、数々の特許技術を生み出しながら新製品を作り上げました。それ以降、40を超える練習場に様々なタイプを設置してきましたが、細かい問題は都度多少あったものの、基本的には非常に安定性が高く、今では毎回非常にスムーズに工事を終えることができる状態になっています。それでもさらに良くしようと改良を続けています。
どんな仕事でも始めてのことは多少なりとも失敗するものです。しかし、失敗でノウハウをつかみ、次は成功できるのです。最初の失敗を怖がったり、失敗でくじけてしまっては、本当の成功はつかめないのです。
成功できる人は失敗を恐れない人です。誰でもできることをやっていても成功はできません。過剰供給時代の現代では誰でもできることは価格競争で淘汰させるという将来しかないかも知れません。社員全員がそうである必要はありませんが、少なくともリーダーはチャレンジを恐れてはいけません。