プログラマー社長の夢
オルタナティブ・ブログ読者の皆様、はじめまして。日本シー・エー・ディー株式会社代表取締役社長の小俣です。これまで自社のブログに書いてきたのですが、こちらに引っ越してきました。まずは簡単に私自身のことや仕事を通じて考えていることなどを自己紹介を兼ねて書いてみたいと思います。
プログラミング歴としては大学時代に今の勤務先の社長(現会長)からアルバイトに誘われ、事務手伝いをしていたのですが、どうせならプログラミングをやらない?と言われ、UNIX上でC言語を使い、CADシステムの開発の手伝いしました。大学での専攻は工業化学でしたので、プログラミングは独学で既存のソースを見ながら勉強しました。そのまま新卒で入社し、3年でCAD開発販売の事業部を作り、2年くらい大赤字を続け、出向に行ったりしながら徐々に受託開発に主軸を移し、2年くらいで黒字化し、以後発展を続けてきました。2005年12月より社長を任命され、ソフト開発関連事業のIT事業部長を兼任しながらプログラミングも一応続けています。
2000年からプログラミング関連の著書を書き始め、現時点で7冊書きました。2007年1月に発売した「プログラミングでメシが食えるか!?」で読み物も書き、これまでの仕事を通じて得たプログラマーのノウハウや心得を書くと同時に、「プログラマーはSEの下請け」というような認識を改め、「得意分野で勝負しよう」と書いたところ賛否両論が盛り上がりました。
さて、プログラマー社長としての夢と言いますか、考えていることなのですが、日本は資源に乏しく、技術力などで世界と戦うしかない中、IT業界ではプログラミングをオフショア開発、つまり海外に任せ、もちろんコストダウンが目的なのですが、それによってプログラマーが魅力のない職業というイメージが強まり、ただでさえ3Kな業界と言われるIT業界の中でもプログラマーの地位は非常に低く見られています。しかし、モノ作りを実際にできる力を持つプログラマーは本来SEの下でも上でもなく、作ることのプロとして創造力を発揮すべき職種のはずで、技術立国日本としても決して軽視できない職種のはずです。大手企業を中心に商社的な、つまり、海外からソフトを仕入れて組み合わせてシステムを構築して、足りない部分は海外に安い費用で発注して完成、というような商売を目指しすぎたため、力のある技術者がプログラマーを目指さなくなってしまっているのではないでしょうか。
私の会社ではプログラマーが自らお客さんに提案したり、製品化を考えたりするような仕事をしています。仕事を取ってくるのも企画するのもプログラマーです。やらされ仕事ではなく、技術者が自らやりたい仕事をすることで、レベルの高い開発力を社会に提供できると考えています。SEの単なる下請け作業ではなく、SEとも協力し合って仕事を仕上げてきました。得意分野を持ったメンバーがお互い協力し合うことでよりすばらしい技術を提供できるはずと考え、とにかく得意分野を意識するように指導してきました。得意分野は技術面だけではなく、コミュニケーションにすぐれたメンバーや、管理能力に優れたメンバーなど様々ですが、全員プログラミングを軸に活動してきました。
徐々に事業の範囲が広がってきており、マーケティングや企画の専門の方の力も加えたりしてきていますが、私の理想は技術者が自らやりたい事業を実現できる会社作りです。関わる皆がそれぞれワクワクできるような事業をやりたいのです。製品開発はもちろん、受託開発においても言われるままに作るのではなく、プロとしての思いを込めたモノ作りをすることによって社会貢献ができると考えています。
まだまだ難題も多く、試行錯誤ばかりですが、それがブログを面白くするはずと信じて、日々思ったことを書いていきたいと思います。