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フロー情報の効率的な管理(4)~フロー情報の効果的な掲載方法

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 企業内の情報掲示の際に、通達・お知らせ・ニュースなどの寿命の短いフロー情報はストック情報を分けて管理すべきという話の続き。

 さてでは、分けたフロー情報をどのように掲載・配信するのが効率的か。これについては情報洪水時代に未だ明確な回答は得られていないが、それでも過去に何度も試行錯誤してきた結果としていくつかのセオリーがある。以下の4つほど、そのセオリーを紹介する。
  1. 重要度、分類によっていくつかのカテゴリーに分けろ
  2. 読者(宛先)が制限されるのものは、ACL等で最初から見えなくしろ
  3. 記憶に残りやすいのは、時間と人(発信者)情報
  4. 読者側が分類、ランキングを行うソーシャルタギングの手法は有効
  • 重要度、情報特性等によっていくつかのカテゴリーに分けろ
 フロー情報の数が少ないうちは全てを「更新情報」「最新情報」として一覧表示すれば良いが、数が増えた時点で、必ず読むべき「通達」とできれば読んでほしい「お知らせ」さらには余裕がある人が読めばよい「ニュース」といった形で掲載場所を分離する。これにより読み手側で自分の状況に併せて閲覧場所を限るなどの工夫が可能となる。
 情報の中身が明らかに違うものは「営業情報」と「開発情報」というように分け、次のACLなども組み合わせて掲示する。
  • 読者(宛先)が制限されるのものは、ACL等で最初から見えなくしろ
 そもそも対象限られている、フロー情報は対象者以外には配信しない(見せない)ことも大切だ。企業内の情報流通に対して、利用者のアンケートを取ると多くの組織で「情報が多すぎる」「自分に関係のない指示や連絡が多い」「開けて最後まで読んだ後に自分と関係の無い情報だと気づいて無駄な時間を費やしたことがある」という回答を多くみる。
  • 記憶に残りやすいのは、時間と人(発信者)情報
 “超整理法”などにもあるように、人が後から情報を呼び出そうとしたときに、最初に手がかりとして記憶から呼び出しやすいのは「いつごろの情報か」という時間の情報だそうだ。従って、フロー情報を掲示する際には、「発信日」など日付情報を明確に掲載しその順に掲示することが有効だ。
 ちなみに次に記憶から呼び出しやすいのは、「誰が(どの部署が)」発信したのかという人に関する記憶だという説がある。こちらについては、発信者(発信部署)別の検索ボックス等を設置することで対応する。
  • 読者側が分類、ランキングを行うソーシャルタングの手法は有効
 日々膨大な数が流れ、しかもその内容や特性が変化しやすいフロー情報を完全にコントロールすることは難しい。上でカテゴリーに分けると書いたが、環境変化や事業戦略の変化によってカテゴリー自体が変わっていくことも多い。
 我々の実験によると参加者自身でフロー情報にタグ付けを行ったり、評価をしていくようなソーシャルタギングの手法は、こうしたフロー情報の洪水にかなりの効果を発揮する。
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