汎用機時代のバックログ問題とBYOD
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私が会社に入社したころの日経コンピュータでは「バックログ問題」というのを良く取り上げていた。社内の各所からのシステム開発ニーズに開発体制が追いつかず、情報システム部門の未開発の積み残し案件がどんどん積みあがっていって、まともにそれを積算すると数年分になってしまう、というやつだ。
最近ではこの「バックログ問題」というのはほとんど聞かなくなった。社内の開発案件が一巡して落ち着いたこと、開発効率が上がった事、SIerなどが増え必要であれば外部リソースが活用できる事、などなどその理由はいくつもあるだろう。
ではその結果、バックログに追われてユーザのニーズにこらえられなかった頃に比べて、社内の情報システム部門への期待や地位は上がったのだろうか。答えは“否”なような気がする。
バックログ問題の当時は、結局この積み残し案件を処理するために、EUC(エンドユーザコンピューティング)というのが叫ばれて、情報システム部門に頼らずに自分たちで情報化をすすめるという体制も取られた。その結果として、情報システム部門不要論のような意見も少なからず出た。
最近のBYODブームを見て、なんか当時のバックログ問題と似ているなぁと突然気づいた。これはユーザが情報システム部門に再度愛想を尽かし始めている兆候ではないか。
EUCの推進の後には、今度はばらばらになった各種システムを効率化する必要が発生して、そこで再度情報システム部門の役割が見直されたが、今度もそうなるのか、はたまたまた不要論が盛り上がるのか、それは良くわからないけど。
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