スマートフォンを使った遠隔通訳支援サービスのアイデア
昨日はお台場までワイヤレスジャパン2011を見に行ってきた。2ホール開催で小ぶりな印象だったがそのなかでひときわ目を引いたのがNTTドコモのブース。お目当ての変態端末N-07Cには出会えなかったが、そのかわり通訳電話という新しいサービスを見ることが出来た。
通訳電話サービスとは通訳が欲しいときスマートフォンなどから音声を送るとそれをクラウド側のサーバが同時通訳してくれるというサービス。詳しくはここに記事が載っている(参考記事:「NTTドコモから「通訳電話」機能と「お願いを聞いてくれるゾウ」のサービスが参考出展」)デモにはひっきりなしに人が訪れていた。
これは結構いけてるサービスじゃないかと思っている。というのも通訳ってあらかじめ必要と判っているシーンだけでなくとっさに欲しいと思うこと結構あるし、その際には「直ぐ欲しい」「その場で欲しい」「品質はとりあえず伝われば良いレベル」というニーズになると思われる。それを解決するためにスマートフォンを媒体にしてクラウドで音声認識と機械翻訳を組み合わせるというのはぴったりのアイデアだと思った。
実は私も以前に翻訳・通訳を手がけるある会社の人から新事業に関する相談を受けてブレストで出したアイデアがある。ずばり「地域振興イベントへの海外旅行客誘致推進のための遠隔通訳支援サービス」という以下の図のようなサービスがそれだ。
あいにくとこのときは採用には至らなかったが、NTTドコモのこのサービスをこれに組み合わせるとさらに強力になる。図ではセンター側は全て人で通訳することになっているが、ここの一部を機械に任せてしまうのだ。機械でまかなえない部分はスーパーバイザーのプロの通訳がフォローすると形式にすればコストは下げられるし、ビジネスモデルとしても基本サービス(機械翻訳分)の利用料はイベント主催者から聴取しスーパーバイザー分だけを従量課金にするといった柔軟性がでてくる。
ちなみに同様な先行事例としては、iPhoneを使った聴覚障害者向けの授業の字幕翻訳サービスというのをソフトバンクモバイルが実験済だし、携帯端末を使った観光案内の例として銀座で行なわれている東京ユビキタス計画 銀座というのがあった。
地域興し、町興しに魅力あるイベントを開催するというのは常套手段で最近ますます増えているし、そういったイベントに外人観光客を呼び込もうというのは観光立国を目指す国の政策にも合致するので、実証実験などの予算を獲得しやすいと思う。この技術が次のステップに進むのを是非応援したい(っていうか、某翻訳・通訳を手がけるある会社で実行してくれないかなw)