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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

次世代の仮想空間では、バーチャルコンテンツが縦横無尽に活用される

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 一つ前のニコニコ大会議とai sp@ceの話を書いていてふと気づいた事がありどうしても文章化しておきたくなったので連投で。さきほどは仮想空間上に皆で集まってわいわい騒げるスペースを設けてそのレンタルフィーを課金する案を書いたが、マネタイズという面でもうひとつ。

 ニコニコ大会議の中で紹介されたai sp@ceの動画の中でJCBホールに集まったai sp@ceのキャラドルがUMAUMAダンスを踊っているのを見てふと思ったのが、このキャラドルの仕掛けというのは実は仮想世界にお金を落とさせる仕掛けとしてはとても優れものかもしれないという仮説。

 仮想世界でプレイヤーに何かを売るときは、プレイヤー本人に何かを売るかアバターにも何か売るかを分けて考えるべきだと言われる。そして特にアバターに何かを売るというのは、一度や二度は成功しても継続的にそれを行わせるのはかなりハードルが高いらしい。だから結局、今の仮想世界では商品が3D表示されるオンラインショッピングの手数料で稼ぐという構図が多いようだ。 

 ところがai sp@ceでは、キャラドルというアバターにさらにもうひとつキャラを足している(当初の報道を見たときは、プレイヤー本人のアバターがあってそれにキャラドルがついて歩くような印象だったが、最近の公式動画を見るとキャラドルがアバターなのかもしれない)

 これがユーザにお金を使わせるきっかけとして面白そうなのだ。なんといっても私も含めてオタ系の人種は、自分を着飾るために投資はしなくても自分の好きなものや気に入ったものを自分の知り合いに自慢するためには労を惜しまない人種である。そう自分のアバターに格好良い衣装を着せたり高価なデザイン時計を持たせてそれを自慢する事には興味が無い、が、しかし横にいる渚を自分仕様にするには多分彼らは財貨を惜しまない可能性が高い。

 このモデルは既にバンダイナムコゲームスがアイドルマスターで実証済みだ。DLCとしてバーチャルアイドルの衣装やアクセサリーをオンライン販売して既に数億円の売り上げを上げたという。(ちなみにオンラインショッピングよりもDLCのほうが利益率は数倍高いと思われる)いやアイドルマスターのように、ai sp@ceでもキャラドルを飾るのは衣装だけではなく歌や踊りというアイデアもあるかもしれない。そしてそれを今度は動画作品としてニコニコ動画側に発表できるような流れを作るとどうなるか。

 ai sp@ceおよびその上で活動するキャラドルの権利は当然ドワンゴが保有するだろう。キャラドルの動きを細かく制御できるようにすれば、背景と合わせてかなり良質なMAD用素材になりうる。アニメ作品だって簡単に作れるかもしれない。音楽のほうは今回のニコスクリプトのバージョンアップで@BGMという機能で既に手当が始まっている。

 自慢するための道具としてのキャラドル、着飾らせたり面白く動かすためのDLC、そしてその成果を発表するためのバーチャルコンサートホールや撮影専用スタジオ付きのニコニコ動画連携機能というのはどうか。

 ネタ・セントリックなコミュニケーションシステムであるニコニコ動画と3D空間である仮想世界のシナジーの可能性は相当高いように思える。ネットを現実の世界に出来るだけ似せようとしたセカンドライフに代表される第1世代仮想世界とは全然違う、よりバーチャルコンテンツ(ネタ)同士が多種多様に組み合わされながら縦横無尽に再利用されつつ進化する場、そんな第2世代の仮想空間の登場が直ぐそこまで来ているのかもしれない。

 これは私の夏の夜の幻想か、それとも・・・

===当ブログでの過去の仮想世界関係のエントリー

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