苺77%で実感したTwitter上での口コミの威力
『会社帰りにビールを買いにスーパーに寄ったのだが、帰宅してみると、いつのまにか苺77%が袋に入っていた』
何を言ってるのか分からねーと思うので、ここから先は普通に書くことにする。
ここ最近私のTwitterのタイムライン上には「苺77%」という言葉が頻繁に流れてきていた。いつ頃からかは覚えていないが多分数日前からだと思
う。文脈からしてどうやらチョコレートのことらしいというのは理解できたのだが、ちょうど出張で日本を離れたこともあり確かめることが出来ないでいた。
ところが昨日会社帰りに寄ったスーパーで、ビール売り場からレジに行く途中でふとこの「苺77%」というキーワードが頭の中によみがえり、結果菓子売り
場に寄って思わずこの商品を購入してしまったのだ。ちなみに売り場には苺70%という他社の類似商品もあったのだが、77%という数字で印象つけられてい
たので間違えることなく「明治リッチストロベリーチョコレート」を購入できた(笑)
さて本題、先日林さんが「クチコミブログ広告市場は2010年に4倍になるのか!?」の中でクチコミブログ広告市場の今後の拡大の予想の調査結果を紹介していたが、個人的には口コミマーケティング市場の今後の成長には同意するものの、そのプラットフォームは既にブログから次のメディアに移ったのではないかと感じている。
林さんの紹介してくれた数字「2010年度に132億5,000万円で2007年度比4倍以上」という口コミ広告の市場予測は多分的中するとしても、その中のある程度の部分はブログ以外のツールによるものになると思ったのだ。
実際に冒頭で書いた私自身の経験から言ってもすでに、行きつけのブログの記事にかかれた内容よりもTwitterで流れたメッセージのほうが断然広告効果が高い。
その理由はいくつかありそうだが、Twitterのような多人数チャットでは、相手の発言者のパーソナリティが判った上でそのメッセージを読んでいるこ
とが一番大きい。情報の提供元がちょっとした知り合いなのでそこから聞いた口コミ情報には影響されやすいのだ。知り合いの2~3人から「ATOK2008
が良いよ!」ってタイムラインに書かれるとオンラインショップに行ってついポチッとおしてしまうなんてのは典型的だ。
このあたりブログやSNSでも執筆者は判っているので同じではと問う人もいるが、ブログのコメント欄やSNSのコミュニティで意見交換するよりも
Twitterでの意見交換のほうが数倍回数が多い。それにSNSだとコミュニティまで最新メッセージを読みにいかないといけないがTwitterはタイ
ムラインに強制的にメッセージが流れる。ブログはRSSリーダーで読めるが基本はブログ単位での購読になる。これがTwitterだと例えば「苺77%美
味しいよ by Aさん」「俺も苺77%買ってきた byBさん」というのが数分間の間に数珠繋ぎにいくつも流れてくるのでインパクトが全然違う。
Twitterのこうした面を「Social stream」とか「Social AD」と名付けている人もいる。
Twitterのこういう口コミに強い特性には、結構な人が気づいているようで、既に「buzztter(ばずったー)」という一定時間(1時間毎)内にTwitterワー
ルドの中で取り交わされた言葉のうち出現頻度上位のものを並べるサービスや、Twitterのメッセージを読んだ人が「お気に入り」に登録する行動を投票
行動と見なして、皆が注目したメッセージだけを拾いあげる「ふぁぼったー」というマッシュアップサービスが提供されている。
もうじきブログと同じように特定キーワードの時系列での出現グラフや評判分析なんてマッシュアップサービスも登場するのではないだろうか。
ただ気になるのは、過去にネットのマーケティング用のツールとして最初に認知されたメールはスパムメールによってマーケティングツールとしての価値を落
としたし、林さんの記事にある現時点でもっとも口コミツールとして注目されているブログだってこのところのスパムブログの増加で将来が危ぶまれてい
る。SNSにも広告的足あとなんてのが出てきているようだ。
じきにTwitterにもスパムの試練の時が訪れるかもしれない。