Andrew McAfeeの語る企業内システム革新の成功の秘訣 from "FAST forward 08"
実を言うと昨日から米国のオーランドに来ている。エンタープライズサーチの雄FASTの主催するナレッジマネジメント関係のイベントである「FAST forward 08」に参加しているのだ。
初日の今日は、プレイベントとしてのインターナショナルエグゼクティブブログラムの後に夕方から基調講演が開かれた。FASTのトップの話の後に登壇したのはEnterprise2.0(以下エンタープライズ2.0)の提唱者であるAndrew McAfeeと日本でもベストセラーとなった「ウィキノミクス」の著者の一人Don Tapscottの2人。
まずは、Andrew McAfeeの話を紹介。題目は「Enterprise2.0:What Will it Take to Bring About a World of Change?」となっていたけど、スライドに映し出されたのは「エンタープライズ2.0の成功のための秘訣」というもの。McAfee准教授は「テクノロジー」「進め方」「風土」の3つの面から成功の秘訣をいくつか提示していた。
- Tools are intuitive and easy to use
- Tools are egalitarian and freeform
- Borders seem appropriate to users
- At least some of the tools are explicitly socia
- Toolset is quickly standardized
このうち重要なのは1番目の「ツールの容易性」と4番目の「ソーシャル性」、難しいのは最初の「容易性」、「自由性」、「適切性」の3つだということである。
次が「進め方」の面
- Incentives exist,and are soft
- Excellent gardeners exist
- Patient and dedicated evangelists exist
- Energy and activity are primarily bottom-up
- Effort has official and unofficial support from the top
- Goals and clear and explained
がポイントで重要なのは最初の「インセンティブの存在」と3の「忍耐性のある献身的活動者の存在」および5番目の「目に見える努力」と「陰からのトップからの支援」、ハードルが高いのは最初の「インセンティブ」と「成功体験の獲得」ということ。
- People are trusted
- Slack exists in the workweek
- Helpfulness has been the norm
- Top management acceots lateralization
- There are lots of young people
- There is pent-up demand for better sharing
の6つを挙げ「正直さ」「トップマネジメントの受容」「これまでの不満の蓄積」が重要で「正直さ」「業務時間での遊び」「受容」が難しいとしていた。
准教授は最後にエンタープライズ2.0は企業の必ず変革をもたらし、その変革こそが重要だとして講演を締めくくった。ちなみにこれらのポイントは別にエンタープライズ2.0ではなくても企業内情報システムをリプレースしたり拡張する際には重要となるポイントばかりだ。
実を言うとこのあとのDon Tapscottのウィノミクスをベースにした話もとっても興味深かったのだけども、長くなったのでそちらはまた今度にしたい。このイベントには、ITmedia、ZDNet、IDGの各社からも記者が来ていて時期に記事もあがると思うので「FAST forward 08」全体について知りたい方はそちらも参照してほしい。