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自由にコミュニティを作らせないのなら社内SNS(やイントラブログ)なんて不要では?

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 「けんじろう と コラボろう!」のエントリー「「コミュニティを勝手に作らせるな」が成功の秘訣 -企業内ブログ/SNS 」に対して、昨日は1日中違和感があって、もぞもぞしていた。コメントを書いていたら長くなったのでこっちでエントリーにした。

  えーと。まず誤解が無いように書くと、紹介された話は間違っていないしその部長さんの言うことも判る。紹介された部長さんの信念に納得も出来る、でもしかし・・・なにかが違うと感じたのだ。
 
 たぶんそれは、この部長さんが言う“コミュニティ”と最近我々が扱っている「コミュニティ」との定義が違うことにあると思う。元のエントリーに

 部門やオフィシャルなコミュニティ(委員会、会社のクラブ、プロジェクト、顧客単位のチーム)以外は原則作らせいない。 許可条件は、
・定期的なオフサイト・オフラインMeeting活動が含まれていること(遠隔地の社員も含め例外なし)。
・業務改善、社員の精神的な支援を目的とし、明確な数値目標(参加者の満足度、プロセススピード改善係数など)を設定し、達成できない場合は自発的に閉鎖すること。
・自分の部門および、自分の部門と直接利害関係のある部門の社員のみを対象とする。
・コミュニティオーナーは年に2回のコミュニティ議長研修に参加し、コミュニティの健全な運営能力を維持・向上すること。
・自分がオーナーとなるコミュニティの作成は二つまで

とあるのだが、私の個人的な感覚ではこれってコミュニティではなくプロジェクトチームと呼んだほうが良いのではないか。なにか目的とゴールを持って編成されたチームが、時間と場所の制約があるからそれを補うためにシステムを使うイメージだ。当初から目的が明確でそれを達成するための共同作業をコンピュータやネットワーク上で、決められた形式で遂行していく、そんな感じだ。そうなると当然コミュニケーションプロセスもある程度パターン化されるし、交換される情報の形式も定型的なもののほうが多くなる。
 こうしたプロジェクトチームの運営には、グループウェアを祖とするLotusNotesやMOSSがあてはまりやすいし有効に機能するとも思う。もしこれまでにあった別のものに例えるなら、もともと社内の公式会議にあたり、会議をシステムで支援するまたは補完するというアプローチだと思う。

 “コミュニティ”と「コミュニティ」。人によって同じ言葉でも頭に感じるイメージは違う。確かにプロジェクトチームだって立派なコミュニティの一種だが、最近多くの企業がイントラブログや社内SNSで試行している「コミュニティ」とは違ような気がする。既にいくつかのコメントがつけられているが、最近注目されていたりいろいろ試行されているのは、こうした公式なプロジェクトチーム内“コミュニティ”ではなく、もっと柔らかい「コミュニティ」をなんとか出来ないのかという試みだと思うのだ。こちらを例えて言うなら、「たばこ部屋」「飲みニケーション」「ランチタイムのたわいない会話」になる。

 さて、最初に戻って違和感の正体なのだが、件のエントリーのタイトルを「企業内ブログ/SNSの成功の秘訣」のように読んでしまったのだが、このエントリーに出てくるその部長さんの会社は社内SNS(あるいはイントラブログ)でこのプロジェクトチームの作業支援をしているということなのだろうか。
 いや別に社内SNSのそういう使い方もありだろう。うんあると思う、けどそれならグループウェアで良いのでは?と私は思ったのだ。一瞬「営業日報をブログで書くように強制しましょう!。そうすれば会社ではブログ利用率100%です!」という別の某社の営業幹部の発言も頭をよぎる。

 以前から何度か書いたかも知れないが、一応、私としてはイントラブログについては肯定的で、社内SNSについては否定的なポジションを取っている。それでも社内SNSならではのメリットもいくつかあると考えていて、それは、「社内SNSとグループウェアの違い」にも書いたようにコミュニティを自由に作れることだと思っている。(イントラブログのほうは、各個人が自由に支配できる場の提供)
 その一番のメリットを否定されていた(実際には元のエントリーにはオープンなコミュニティの設置もOKとあるので全否定ではない)ので、思わず反応をしてみた。

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