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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

話を聞いて理解してもそれを行動に移せる人は少ない

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 自主勉強会なんて運営していると、自分のノウハウを若手に対してプレゼンする機会がよくある、また最近は社外の知り合いから、面白い若手がいるから一度会って話をして欲しいだとかいう依頼もくる。私の性格だとそんなときにどうしても話しすぎてしまう。自分の持っているノウハウを出来るだけ伝えてあげようとi言う発想で詰め込み過ぎてしまうのだ。端から見ている人にはサービスし過ぎに見えるらしい。

 本音ベースで言っても、こういう機会には出せるものは全部出して良いと思っている。理由は大きく2つ。一つはプレゼンなり説明をする過程に於いて自分の頭の整理をするという効果を最大限に活用するため。例えば1から5まで自分が判っていることがあったとする。これを1から順番に5までちゃんと説明をしようと整理をすると突然6とか7が見えて来たり、4と5の間に4.5というのがあることに気づくことがある。これによって自分も成長できる。これは最初から3までというように出し惜しみをしては得られない。
 もう一つは、どうせ出しても全部は伝わらないということを覚悟しているから。5まで話をしてもたぶん聞いた側が得て持って帰るのは良くても3までだろう。3までしか話をしなければ翌日にはほとんど何も残らないのではないだろうか。勉強会なり飲み会なりでその人と会って話をするのは、その日その一度だけになることのほうが多い。ならばその機会を出来るだけ生かしてあげるのが先輩としての努めだと思うのだ。

 そんな事を言っていたら、ある人に「そんな全部話してしまって後輩に追い抜かれたらどうするんですか?」と言われた。大丈夫だと思う。5まで語って3まで伝わったとしても、それを実行できる人はそのまた2割もいない。このあたりについては『「伝説の社員」になれ!』という本にこうした一節があるそうだ。(出所:以前に「シゴタノ!」で紹介されたものから

ある生命保険会社のトップセールスマンが、自分のノウハウを披露する講演をしたときの話です。
講演を聴いたあと、聴衆の一人が質問しました。

「あなたはなぜ、大切なノウハウを公開するのですか。ほかの人が同じことをしたら、あなたのライバルが増えるだけじゃないですか」

するとトップセールスマンは、こう答えたそうです。

「いえ、大丈夫です。今ここで聞いた人のなかで、実践するのは2割程度でしょう。さらにそれを継続できる人は、その中の2割程度。すると、本気で実行する人は今日いらしてくれた方の4%から5%ということになります。たった4%か5%の人がライバルになったとしても、僕にはそれほどの脅威にはなりません」

 まさに同感。実際に最近、大木さんとご一緒した飲み会では、相手の若手社員から「明日から僕もブログを書きます!」と言われたがその後なしのつぶてだし、勉強会で「こういう勉強会は凄くタメになります」といった若手に勉強会の運営のノウハウを全部教えて自分で企画するように薦めても、やっぱり全然動かない。

 思ったこと感じたことを後からちゃんと行動に移せる人は本当に少数派なのだ。だから、よしんば話したことを全て実にした後輩が現れたらそれを脅威に感じる前にまずは素直に褒めてあげたい。

Comment(5)

コメント

人から聴いた話し、本で読んだ話など、すべて実行できたら、世の中、偉人・聖人・できる人であふれかえっているはずです。
「できること」、「しなければいけないと」、「やっていること」は全然違うということですね。根本にはコミュニケーションの問題があると思います。以下のブログにコミュニケーションについて書いてあります。よろしかつたら、ご覧になってください。
http://yutakarlson.blogspot.com/2007/07/it2.html
コミュニケーションに関しては、ドラッカーのような大家ですら、苦労したようです。
でも、コミュニケーションがうまくいかなければ、折角の努力も水の泡となってしまいます。
我々が生きているうちには、終生課題であり続けるのが、コミュニケーションだと思います。

実行に移すまでの動機付けがないのかも知れませんね。
口で言うほど、実は興味がないとか。
悪気はないのでしょうが(あったら困りますが・・)、あまりやりたいとは思わない、といったところなのでしょうか。

>yutakarlsonさん
 ご指摘のとおり、全て実行できる人ばっかりだったら世の中もっと変っていますよね。まあ自分自身だって全部実行できているとも思わないですし。
 ただせめて口に出したことは、一度は実行して欲しいと思っています。
>大木さん
 ご指摘のとおりかもしれません。たぶん口でいうほど興味がないのかもしれません。でも男たるもの一旦口に出したのなら、とも思うのです。
 聞いた側としてもそれを許しちゃいかんとも。そういう意味で敢えてこういう場で取り上げて、プレッシャーを与えるのも先輩としての努めのひとつかなー、なんて勝手に思っています。

toorisugari

自分にとっては「ためになるノウハウ」だとしても、他人の環境からしたらどうでしょう。
興味が湧かないことを無理にやったからといってためになるでしょうか?
>でも男たるもの一旦口に出したのなら、とも思うのです。
後輩にあまり無理を言うのはかわいそうですよ。先輩がわざわざ教えてくれたものを「でも興味がないからやりません」とは言い辛いでしょう。
そんなこと言って気を悪くされて、他の役に立つことまで教えてもらえなくなったら困りますし。
知識として知ってはおきたいけれど、今すぐやるようなことでもないって思うこともあるでしょう。
何を教えてもらってもその知識をどうするか取捨選択するのは教えられた側です。
「これはどうしても実行してもらわないとこっちが困る」というようなことでもない限り、
教える側は、十教えたうちの一が何かをするきっかけになるかもしれない、
ていうくらいに考えておくべきだと思います。

toorisugariさん、コメントありがとうございます。
 おっしゃるていることはよく判ります。私だって参加したセミナーや講義を聞いて、「ああこれ良いなぁ」って思ったことを全部実行できているわけではないのですし。
 でも、本文にも書きましたが、本人に向かって「やります」と宣言したものをないがしろにするのは感心できません。だったら「面白い話でした」くらいに留めて言えば良いだけですから。
 ビジネスにおいてもお客さんに対して「やります」と宣言した(する)からにはそれなりの責任が発生しますし、当然それは守らないと所属する組織ごとの問題になることも多いです。
 だからどんな場でもわざわざ宣言したことは守る必要があるし、逆にそれを聞いた先輩はきちんと覚えておいて彼らにプレッシャーをかけてあげることこそが努め(実は彼らもそれを期待していることすらあるし)だと思ってます。モノわかりが良いふりをしてその場だけやり過ごす人なら、別にそこいら中にいますのでわざわざ私に宣言するなというのが、私のスタンスです。

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