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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

トライアルサービスとユーザの声

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 実は私は現在昨年開通したつくばエクスプレス沿線に住んでいる。このつくばエクスプレスを運営している首都圏新都市鉄道では顧客サービス充実として「全線で走行する車内で無線LANが使える」ようにするそうである。実はこのサービス昨年の開業直後からトライアルと称して一般モニターを募って実験運用をしてきたものであり、私もこのモニターに応募して実験に参加してきた。

 最高時速130KM/hで走る列車の中でネットに接続し、日々の通勤や出張のときに活用するという画期的とも思えるこのサービスであるが、実際にモニターをしてみて率直に感じているのは案外使いづらいというものである。理由は、
・走行中に利用できる電車がまだ少なく、時刻表を調べないと使えない
・あわせて提供されている各駅に設置されたスポットを断続的に使用して再接続を繰り返すと繋がりにくくなる
・メンテナンスなのか時々スポットが出てこない時がある
などがあるのだが、実のところ一番不満に思っているのは、そういったモニターとしての意見を上げたり他のモニターの人と情報交換をする場が提供されていないということである。

 上記にあげた技術的や利用面での不満な点も、正直実験運用中だから仕方がないと思っている。またもしかすると私の設定内容や使い方が悪いのかもしれないとも疑っている。所詮は実験だからこれから改善されていくことを期待して参加したのだから。でもだからこそ利用していて感じたことや気づいたことを出来るだけ早くフィードバックしたいし、できれば同じ環境にいるほかの人がこの環境を使って何を試みているのか一緒にディスカッションをしてみたいとも思う。

 しかし今回の運用実験ではそういった問い合わせや意見を受け付ける場としては、ホームページの一番下に問い合わせ先のメールアドレスとフリーダイヤルが無機質に掲載されているだけである。最近はやりの表現方法で言えばいかにも1.0的な対応になっており、これではサービスに対して改善して欲しいと思っている要望や質問をする気にはあまりなれないし、ましてや走行列車内でのネット接続という新しいものの可能性として何かあたらしい使い方を考えるという気は起きない。他には一応アンケートが1回だけ送付されてきたがこれも選択式が中心の簡単なものだった。

 最近巷で取りざたされているWeb2.0系のサービスについては「永遠のベータ版」が条件としてあげられることがある。ベータという早い段階のうちからサービスを提供して品質アップや将来性の把握を行うというのは非常にうまいやり方だと思う。Web2.0の「永遠のベータ版」という考え方には、早期のサービス提供というだけでなく、利用者からのフィードバックの受け取りとその還元や反映方法の整備までが含まれる。利用者同士のコミュニティを提供するものもある。ナレッジマネジメント的にいうと「顧客知」の活用の受け入れの体制や活用の仕組みをきちんと整備しているのである。これまでの官公庁や大企業の行う実験やトライアルでは、おざなりにアンケートを収集し、その結果は提供者側のみで共有さて外部に公開されないことが多かった。モノによっては素人であるユーザ個々の意見ではなく専門家が全体を見通して判断をしたほうがよいものもあるかもしれないが、私にはWeb2.0のアプローチのほうが、最終的に魅力あるサービスにたどり着くための近道にように思える。

 さてそんな折、先週末の日経新聞の地方面で6月末を目処に今後このサービスを拡大していくことが報道された。この決定は顧客知をどれくらい活用した結果のものなのだろうか。

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