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「実行力不全」~なぜ知識を行動に活かせないのか?

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 このところ少し時間がとれるようになったので、溜まっていた本を読んだり流し読みですましていた本を改めて読み返したりしている。これはその中の1冊。

実行力不全 (ジェフリー・フェファー、ロバート・I・サットン著, 長谷川喜一郎監訳)

 この本の中で著者は

 スマートな発言をするだけで、何かすばらしいことをやったように錯覚する世界である。プランや、意思決定、会議、トークなどが、行動の変わりになってしまう傾向がある。(中略)「ディスカッションも分析もすませた、意思決定も下した。きっと何かが起こるはずだ」と考えるマネージャーは多い。そんなことはめったに起こらない。

 と断言している。

 私も仕事柄人の会社に入っていって「ああすれば良い。こういう事を試してみましょう」といったことを話して、最終的にはそれらをレポート(報告書)という形式で残してくることが多いのだが、正直日本の大企業ではプロジェクトの終了後に何も起きなくて、「あのレポートは何だったのだろうか?」という忸怩たる思いをすることも多い。最近は、そうした経験を元にレポートに偏重しない、より実践的なやり方にやり方を変えてきているが、それでもフラストレーションとストレスは溜まる。一般的にコンサルタントのキャリアパスの延長にユーザ企業への転職があるというのは、こういったフラストレーションの存在とも無縁ではないだろう。

 本書の中で、著者はこの問題の解決方法として、8つのガイドラインを紹介するとともに、まず行動してギャップを把握して、それをフィードバックしていくことが重要だと結んでいる。まったくの同感である。今後とも行動と経験をに重きをおいたコンサルティングを行っていきたい。

 ところで、本書を読み終わった後に気がついたのだが、監訳者の長谷川さんというかたはプラウドフットジャパンの社長であった。このプラウドフットというコンサルティングファームの「インストール型コンサルティング」というコンセプトは前に雑誌などで読んだことがあり、以前からちょっと興味を惹かれていた。いつかぜひ一度お会いして、お話を聞いてみたいと思う方のひとりである。←どなたかか紹介してもらえないものだろうか?

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