女性向け化粧品市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション(10)-
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スキンケア化粧品の市場が揺れています。カネボウ化粧品の白斑被害。症状が確認できた被害者が4000人を超え、まだまだ増えそうな勢いです。日本皮膚学会の協力を得て治療法を研究しているそうですが、原因究明だけでも半年~1年近くかかりかねないとか...。消費者庁からはカネボウに治療や補償、原因究明、再発防止策の検討を求められています。
カネボウはご承知の通り、花王が化粧品事業強化のために2006年に買収。化粧品分野のシェアを国内4位から国内2位に上げ、業界トップの資生堂に次ぐポジションになりました。どちらかというと、資生堂、花王など化粧品大手の場合は、様々にセグメントされたプロダクトを販売しシェアをとっています。従って、ファッション業界と同様にコーポレートブランドよりもプロダクトブランドが前に立ちます。今回はその女性用化粧品ブランドについてのポジションをみていこうと思います。
【スキンケア化粧品のポジショニング】
「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」の女性回答者16,175人中、「スキンケア化粧品」に関して回答している方は15,230人です。この人たちが購入していて、かつ、お気に入りのブランドを挙げていただいています。したがってここに提示しているブランドは実売のシェアではなくマインドシェアと理解していただけるとありがたいです。マインドシェアのトップはロート製薬の「肌研(ハダラボ)」で12.0%。以下「ちふれ」「オルビス」「ドクターシーラボ」が上位に来ています。
ポジショニングマップは平均世帯年収×平均年齢の軸でランキングの15位までのブランドをポジショニングしています。平均年齢が高いエリアにはDHCの「Q10」、ドクターシーラボの「アクアコラーゲン」が位置しています。平均世帯年収が最も低いのは「ちふれ」。平均年齢が最も低いのは資生堂の「専科」となっています。その近くの「無印良品」の存在が目を引きます。
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【メイク用化粧品のブランドポジション】
「ぺるそね」の女性回答者16,175人中「メイク用化粧品」に関して回答している方は14,340人です。こちらも同様に購入していてお気に入りのブランドを複数回答で選んでいただいています。「メイク用化粧品」のマインドシェアのトップはカネボウ化粧品の「ケイト」で12.5%。以下「ちふれ」「オルビス」「マキアージュ」「メイベリンニューヨーク」と続きます。
「スキンケア化粧品」と同様、「メイク用化粧品」も平均世帯年収×平均年齢の軸で15位までのブランドをポジショニングしてみました。平均年齢の高いエリアには「アクアレーベル」「シャネル」「ディオール」がポジショニングされています。一方平均年齢が低いエリアには「キャンメイク」「マジョリカマジョルカ」「ケイト」がポジショニングされています。
平均世帯年収が高いエリアには海外ブランドの「ディオール」「シャネル」が位置し、それよりも低いエリアに国内ブランドの「オーブクチュール」「マキアージュ」が位置します。そして平均世帯年収の低いエリアには「スキンケア化粧品」と同様に「ちふれ」がポジショニングされています。
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スキンケアの「無印良品」は異業種からの参入ということになるのでしょうが、マインドシェアでベストテンに入っているのはさすがです。商品企画とブランディングの勝利という感じがします。「無印良品」というライフスタイルのコンテクストにスキンケア化粧品がぴったりとはまった感じがします。パッケージなどもシンプルで好感が持てます。
スキンケア化粧品、メイク用化粧品とも二番手につけているのが「ちふれ」です。どちらも平均世帯年収が低い層に支持されているのがわかります。ここ数年来の可処分所得の減少傾向からみて、ここのボリュームは無視できなくなっているのでしょう。
化粧品マーケットも、ちょっと目を離すと勢力図が変わるマーケットです。数年前に頭に入っていたポジショニングとは随分変わった印象を持ちました。多分これからも変化し続けるのかも知れません。
追記:メイク用化粧品市場について新しい記事を投稿しています。あわせてこちらもご覧下さい。
「マキアージュなレディー」について。メイク用化粧品市場を眺めてみる...
*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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