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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「ルミねえ」と「マルコ」さんを比較してみた。-データから見るペルソナ図鑑(41)-

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スーパーマーケットが苦しんでいます。日本チェーンストア協会の発表によると、前年の消費税率引き上げ直前の駆け込み需要の反動もあり、2015年3月のチェーンストア売上高は、前年同月比マイナス8.6%となりました。

スーパーマーケットはリーマンショック以降、既存店ベースで売上のマイナス成長が続いています。その要因として挙げられるのが、衣料品カテゴリーの低迷と言われています。スーパーマーケットで衣料品を購入する人が減っているというわけです。「シングルソース消費者パネル『ぺるそね』」のデータで、M1層(20〜34歳の男性)とF1層(20〜34歳の女性)のファッションの購入チャネルを見てみても、スーパーマーケットはM1層で12%、F1層で7.9%となっています。ファッションに対して関心が高いF1層に至っては、ショッピングモール、デパート・百貨店、オンラインストアで衣料品を買う人がスーパーマーケットで買う人の4〜5倍となっています。

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【実際にどの店で買っているのか】

「シングルソース消費者パネル『ぺるそね』」では、デパート、ショッピングモールについて、よく利用しているお店を聞いています。トップは「イオンモール」。第二位の「高島屋」にダブルスコアをつけてダントツです。ベスト15位とそれぞれのブランドポジション(年齢×世帯年収)の図を掲載します。

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年齢層の高いエリアには著名百貨店が葡萄の房のように固まっています。こちらは世帯年収により「高島屋」「三越」などの高級百貨店グループと「西武百貨店」「そごう」などの庶民派百貨店グループに分けられます。庶民派グループは鉄道系の百貨店が目立ちます。同じ鉄道系でも東急百貨店は高級グループに属しています。東急沿線にはお金持ちが多いのでしょうか?

年齢層の低いエリアには「イオンモール」「三井アウトレットパーク」「ららぽーと」「ルミネ」「丸井」がポジショニングされています。「イオンモール」のみが世帯年収の低いエリアに存在しています。前回のブログで「『イオニスト』と『ららぽーたー』を比較しましたので(「イオニスト」と「ららぽーたー」を比較してみた。-データから見るペルソナ図鑑(40)-)、今回は「ルミネ」をよく利用してする女性と「丸井」をよく利用している女性のペルソナ像に迫りたいと思います。

「丸井」と言えば、「駅のそば」というキャッチを思い出しますが(これ、ちょっと古いですか?)、「ルミネ」と言えば「駅の上」にあります。「駅のそば」VS「駅の上」という訳です。


【「ルミねえ」と「マルコ」さんを比較してみた。】

「ルミネ」を利用する女性を「ルミねえ」、「丸井」を利用する女性を「マルコ」さんとします。ぺるそねの女性回答者15,345人中、「ルミねえ」は1,208名「マルコ」さんは879名いらっしゃいます。年齢層は、「マルコ」さんの方がやや低く、平均世帯年収はほぼ同じです。

「ルミねえ」はショッピングが大好き。お店に出かけて新しいモノ、面白いモノを探すのが楽しみです。そんな行動の元にあるのは自分のセンスを磨くため。ファッションだけでは無く、アートや写真などにも興味が高いのも、センスのいいライフスタイルを目指しているから。感性磨きに余念がないという印象です。周囲から一目置かれる存在が憧れです。

「ルミねえ」がセレクトショップを好んでいるのも、新しい情報に刺激を得たいから。多くのレコメンドから、自分の眼にかなったものをチョイスしていくのが彼女たちのショッピングスタイルです。好きなファッションブランドは「ユナイテッド・アローズ」「ビームス」「サザビー」で、ひと味違った自分を表現しています。

「マルコ」さんはブランドモノを持つのが好き。話題になったお店やスポットに出かけるのも楽しみです。まだまだ、自分に自信がないので、誰もが認めるブランドや話題のスポットを体験することで自分のセンスを育てていきたいというタイプ。目指しているのはカワイイ女性。周囲の目がちょっと気になる人たちが多いようです。

「マルコ」さんは誰もが知っているブランドを選びます。そんな人気ブランドが集まっている「丸井」で買い物をするのも安心感から。着るもの選びで「外したくない」という気持ちの表れです。好きなファッションブランドはTVCMでよく見かける「アース・ミュージック・アンド・エコロジー」や「ロペピクニック」。そして定番中の定番ブランドの「ルイビトン」です。まさに安心のブランドを選びます。

いつものようにペルソナイラストを掲載しますので、ご確認ください。

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【買い物をする店の違いによってペルソナに違いが...】

前回ご紹介した「イオニスト」と「ららぽーたー」、今回ご紹介した「ルミねえ」と「マルコ」さんをファッション先行度と美容への関心度の軸でポジショニングしてみました。4つのタイプの平均年齢は「イオニスト」が最も高く、「ららぽーたー」と「ルミねえ」は同じくらい。そして「マルコ」さんが最も低くなっています。

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ファッション先行度で最も高いのは「ららぽーたー」で、次いで「「ルミねえ」「イオニスト」「マルコ」さんの順になりました。「ららぽーたー」は、ファッションには敏感で、新しいモノに飛びつき、すぐに試したがります。かたや「マルコ」さんはファッションについてはコンサバです。あまり冒険をしません。一度購入を決めたブランドから離れようとしないタイプです。

美容関心度については「マルコ」さんと「ルミねえ」が同じくらい高いポジションです。「マルコ」さんが好むメイクアップブランドは「カネボウ」「資生堂」「オルビス」などの国産メーカーであるのに対し、「ルミねえ」は「メイベリンニューヨーク」「ランコム」「シャネル」などのインポートブランドを好みます。同じように関心度が高くても、その質には違いがあります。

さて、買い物をする場所やお店の違いから、そのペルソナの違いをデータから見て参りましたが、いかがでしたでしょうか?

ここのところブログから、すっかり遠ざかっていましたが、また、ゆるゆると再開しようと思っておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。

*無料でぺるそねの分析機能を利用できる「フリープラン」のサービスを開始しました。ご登録はこちらから → ぺるそね・アカウント情報のご登録

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