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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「レガシィな男性」VS「ゴルフな男性」-データから見るペルソナ図鑑(39)-

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 今回はクルマのお話しです。スバルが好調です。特にアメリカ市場で伸びています。7月の新車販売の結果が公表され、前年同月比27%の大幅増。32ヵ月連続で前年実績を上回っています。

 いま日本では軽自動車が売れているわけですが、スバルは2012年に、伸びている軽自動車の生産から撤退しています。もともとスバルの原点である軽自動車を捨て、(スバル360を知っている人も少なくなって来たでしょうが...)独自技術である「水平対向エンジン」や「AWD」の技術を活かせる分野に集中した商品開発を行う戦略にシフトしたのだと思います。(グループ会社であるトヨタ、ダイハツとの棲み分けという側面も強かったとは思いますが...)

 という訳で、リクエストをいただいたということもあり、今回は「レガシィな男性」を見てみることにしました。比較対象は価格帯が近い「VWゴルフ」にしてみましょう。

【レガシィな男性はアウトドア・スポーツ好き】

 「シングルソース・消費者パネル『ぺるそね』」でレガシィを検索してみると車種が色々と分かれています。サンプル数の関係で、今回は「レガシィツーリングワゴン」のユーザーを見てみたいと思います。

 レガシィツーリングワゴンのユーザーは、195人。ジャンルのシェアでは1.0%。男性が約7割を占めています。オプションの種類が豊富、運転の楽しさがある点で選ばれ、ブランドやデザインで選ぶ人が多いのが特徴です。7割を占める男性が136人。この人たちを「レガシィな男性」としましょう。

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 「レガシィな男性」の価値観は「いいモノをできるだけ長く、大切に使いたいと思う」と「周囲の人からアドバイスを求められることがよくある」という傾向が強く現れています。そして思われたいセルフイメージは「懐が深い、包容力がある」および「頼りがいのある」が強く上がってきます。なんだかレガシィのイメージがそのまま反映されている感じだと思いませんか?

 平均世帯年収は全体より79万円も高くなっています。平均年齢は51.2歳(ぺるそねは70歳以上までサンプルを収集しているため、平均年齢は高く出ます)50代もやや多く出ていますが、35歳〜39歳が男性全体と比較した対比倍率が高くなっています。現居住地域では東京都が少なく、地方が多くなっているのも特徴です。

 クルマが好きです。趣味が「ドライブ」と答えている人は、男性全体と比較し1.8倍。また「D.I.Y(日曜大工)」が1.7倍、「写真撮影」、「園芸・ガーデニング」、「スポーツ・フィットネス」などが1.3〜1.4倍の対比倍率で出現しています。家の中で楽しむ趣味よりも屋外で楽しむ趣味の方を好みます。

 行っているスポーツは、レガシィツーリングワゴンとの親和性もあるのでしょうが「スキー・スノボ」が3.3倍。「ゴルフ」や「釣り」などが1.5〜1.6倍の出現率となり、アウトドア・スポーツを好んでいるのがわかります。


【ゴルフな男性は犬が好き】

 比較対象として選んだ「フォルクスワーゲン ゴルフ」のユーザーを見てみましょう。「ぺるそね」で「VWゴルフ」を検索してみるとユーザーは181人。シェアは0.9%。こちらは男性比率が少し下がって57.5%。「ブランド」で選ぶと答えた方が多くなっています。このうちの104人が男性ユーザーとなりますが、この人達を「ゴルフな男性」としましょう。

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 「ゴルフな男性」は「ブランドものを持つのが好き」で「新商品の情報はマメにチェックしている」人たちです。「信念・ポリシーがある」「懐が深い・包容力のある」と思われたいと考えている人たちです。

 平均世帯年収は男性全体と比較し225万円も高くなっています。「レガシィな男性」よりもさらに146万円高収入です。平均年齢は52.4歳で、45歳〜59歳までの対比倍率が男性全体と比較し、1.2〜1.6倍高くなっています。居住地域は「レガシィな男性」とは逆に、東京都、神奈川県、千葉県など首都圏が高めに出ています。

 趣味は「海外旅行」「ペットの世話・飼育」が男性全体と比較した対比倍率が2.3倍と高く、「ドライブ」が1.9倍、「写真撮影・映像撮影」「スポーツ・フィットネス」「アート鑑賞」が1.6倍となっています。スポーツは「スキー・スノボ」が2.6倍、「テニス」が2.4倍「ゴルフ」が1.6倍となっており、アウトドアスポーツ一辺倒とはならないようです。ペットを飼っている人たちが多く、どちらかというと「犬派」です。「大型犬」が4.2倍、「中型犬」が2.3倍、「小型犬」が1.8倍となっています。「猫」は全体の半分程度の出現率です。「ゴルフな男性」は、あまり猫が好きではないようです。


【レガシィな男性 vs ゴルフな男性】

 好きなファッションブランドは年齢層も近いので割と似た傾向になっています。どちらもノースフェイスやエディーバウアーなどの、アウトドア系のアメリカンカジュアルを好んでいます。時計は「ゴルフな男性」に「タグホイヤー」が飛び抜けて選ばれているのに対し、「レガシィな男性」は「オメガ」が好みのようです。

 いつものように「ペルソナ・イラスト」を掲載しますので、ご確認ください。

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 価格帯も同じくらいの2車種のユーザーを比較してみました。平均年齢も近い二つのグループの違いを見てみると「レガシィな男性」は地方在住者が多く、「ゴルフな男性」は首都圏在住者が多くなっています。平均年収はかなり開きがあります。「レガシィな男性」も決して低くはありませんが、「ゴルフな男性」の平均世帯年収はさらに上を行っています。

 好きなクルマメーカーを比較すると、「レガシィな男性」は「スバル」一筋なのに対し、「ゴルフな男性」は「フォルクスワーゲン」「アウディ」「BMW」などのドイツ車が好きです。どちらも「トヨタ」「ホンダ」「日産」のポイントがそれほど高くはありません。

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 「レガシィな男性」が「レガシィ」という「スバル」のクルマが好きなのに対し、「ゴルフな男性」は「欧州車(ドイツ車)」のブランドとしての「ゴルフ」を選んでいるのではないでしょうか。

 おのずとこの2つのタイプの人たちが「クルマ」に対して求めることも違ってきます。「レガシィな男性」はこのクルマを操縦し、ドライブすることに喜びを見いだしているのに対し、「ゴルフな男性」はこのクルマのブランドを所有することに喜びを見いだしているのかも知れません。


*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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