ドレッシングなミセス達 -データから見るペルソナ図鑑(15)-
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今年の夏も猛暑になりました。子供の頃、夏休みに父親の故郷に遊びに行くと、そこは農家。麦わら帽子に半ズボン、ランニングシャツという夏の子供の出で立ちで、キュウリやナス、トマト、とうもろこしなどの野菜畑を横目に駆け回っていました。だから私には、野菜は夏というイメージがあります。
夏野菜を使った料理は本当に大好きで......、なんて、ちょっと強引でしたが、今回は野菜をおいしくいただくための「ドレッシング市場」を見ていきたいと思います。「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」では、約3万人の方々に、普段買っているドレッシングについても聞いています。
【ドレッシングと言えばキューピー?】
「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」では、普段お使いでお気に入りのドレッシングについて複数回答で聞いています。したがって、実際の市場シェアとは違いますが、このランキングは消費者の方々のマインドシェアと言えます。
ドレッシング市場のポジショニング
ドレッシングについて回答していただけたのは29,093人の内、22,826人で、回答者の61%が女性でした。ベストテンを見てみると「キューピー」のブランドが5種類も入っています。キューピーはドレッシングの国内市場シェアでは半分以上を占めるほどのトップ企業と言われていますが、それを裏付ける結果となっています。
その他では、「理研ビタミン」「ピエトロ」「味の素」「日清オイリオ」が入ってきています。キューピーの寡占状態とはいえ、「理研ビタミン」「ピエトロ」などは、それなりに健闘していると言えるでしょう。
【ユーザーのゾーンは3カテゴリー存在している】
「ぺるそね」の「マーケットを知る」というメニューではそれぞれのマーケットの上位15ブランドのポジショニングを見ることができます。上の図は「年齢」と「性別」の二軸でポジショニングしたものですが、これを「年齢」と「世帯年収」でポジショニングしてみると、大きく3つのゾーンに分類することができそうです。
ユーザーのゾーン
年齢層と世帯年収が低めのゾーンは「お手軽志向」。年齢層が高いゾーンは「健康志向」。世帯年収の高い層は「味わい志向」と名付けてみました。「お手軽志向」ゾーンの代表は「ドレッシング/キューピー」です。また「健康志向」ゾーンの代表は「リケンのノンオイル」。キューピーのノンオイルも近いところにいますが、「リケンのノンオイル」は、年齢層の高い方達をしっかり掴んでいるようです。「味わい志向」ゾーンには「ピエトロドレッシング」の存在感が目立ちますが、味の素の「GABANスパイスドレッシング」とキューピーの「テイスティ」が並んでいる形になっています。
キューピーはトップブランドだけあって、全方位に商品を配置し、それぞれのゾーンにくさびを打つような戦略をとっています。一方、「理研ビタミン」と「ピエトロ」はそれぞれの特長あるポジションをしっかりと確立しているように見えます。というよりも、市場の巨人「キューピー」に対し、「健康志向」や「味わい志向」というカテゴリーをしかけ、「キューピー」の独壇場を切り崩したのかもしれません。
市場で生き残るために後発企業が選ぶ戦略は、そのカテゴリーでトップを狙えない場合、「ターゲットを変える」か「新しいカテゴリーを創る」かの二つです。「ピエトロ」や「理研ビタミン」の場合、ターゲットを変えることでドレッシング市場に新たなカテゴリーを創ったのかも知れません。
【ドレッシングなミセス達】
それぞれのブランドを選んでいる人達を見ていくことにしましょう。メインは女性の市場なので女性ユーザーに絞ってご紹介します。
ドレッシングなミセスのポジショニング
お手軽志向の代表は「キューピードレッシングなママ」。平均年齢は最も若く、平均世帯年収はこの中では一番低い主婦層です。同居家族は多めで年齢からみても、小さいお子さんがいらっしゃるママが典型的なタイプでしょう。セルフイメージは「家庭的」な人達。
健康志向の代表は「リケンなかあさん」。平均年齢がこの中では最も高い人達です。「健康・医療」に対する興味が高いのは、年齢的な影響もありますが、夫の健康に気を遣う妻世代が多い、ということかも知れません。セルフイメージは「まじめ」「誠実」。
味わい志向は「ピエトロドレッシング/ピエトロ」と「GABANスパイスドレッシング/味の素」「テイスティ/キューピー」と3つのブランドが隣接しています。このエリアのブランドのユーザーは世帯年収が高い人達。「旅行」や「外食・グルメ」などに興味が高いのが共通の特長。お酒にもとても強く興味を持っています。
味わい志向ゾーンで最も多いのが「ピエトロなマダム」。この3つのブランドの中では年齢が高めです。ブランドものを持つことが好きで、セルフイメージは「洗練された」「ワクワクさせる」。
次に多いのが「GABANなレディ」。最も食べること、飲むことに積極的で、外食・グルメやお酒に対しての興味が高くなっています。有職率も高く、その分、美容や癒しなどへの興味、行動が目立ちます。セルフイメージは「先進的な」「洗練された」「刺激的な」など。
このゾーンで一番若いのが「テイスティなミセス」。この人達も食べること・飲むことへの関心が高いのですが、どちらかというと「自宅でグルメ」の人達です。「GABANなレディ」ほど有職率が高くなく、センスの良いライフスタイルを目指しています。セルフイメージは「洗練された」「品性がある」「知的な」。
いつものようにペルソナ・イラストを掲載しますのでご参照下さい。
ペルソナ・イラスト
さて、ドレッシング市場の概略を「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」で見て参りましたが、いかがでしたでしょうか。今後、単身世帯が増加するなど、家庭内食の環境が変化する中で、ドレッシング市場も今のままで推移して行くのかは不透明な状況だと思います。調理をする男性が増え、コンビニでの生鮮食品の販売量が増加するなど、変化の芽はいたるところに散見されます。新たなカテゴリーが生まれては消える変化の中で、まだまだ参入の余地もあるかも知れません。ドレッシング市場をデータから見る中で、そんなことを考えました。
このブログで取り上げて欲しいブランドユーザー、比較してみたいブランドユーザー等ありましたらリクエストをお寄せ下さい。(データの取得の問題でご希望にそえないこともあるかも知れませんが、頑張ってみますので...) → Twitter ID @keijix55
*データは全て2011年9月「ぺるそね」調べ。n=29,093
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