プラネックス 2代目「カメラ一発!」 CS-W70HDで、ネットワークカメラの用途を考えてみた
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先日の充電大王に続いてではあるが、プラネックスの「カメラ一発!」の新製品「CS-W70HD」を取り上げてみたい。
「カメラ一発!」は、いわゆるネットワークカメラで、有線/無線のLANに接続して、カメラ映像をネットワーク中継、配信するもので、特にその名の通り、設定が至って簡単であることが特徴である。
●2代目「カメラ一発!」 CS-W70HDの特徴は?
今回、プラネックスより、前回の「充電大王」に引き続き、「カメラ一発!」の新製品CS-W70HD(以降、新「カメラ一発!」と表記する)を発売前からお借りすることができた。2代目「カメラ一発!」である。
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写真 カメラ一発! CS-W70HD
宇宙飛行士のようなかわいらしいデザインだ。
ホンダのロボット「ASIMO」にも似ていると思った。
今回の新「カメラ一発!」は、カメラを上下左右に動かす機能が追加された。つまり、カメラ用語で言うと「パン」(水平方向の移動)、「チルト」(垂直方向の移動)が可能になったのが特徴だ。
さらに、温度センサーを内蔵し、カメラを設置した周辺の温度を測定しレポートできるようにもなった。
また、従来通り、iPhone、iPad、Android端末や、Windows PCを操作して、カメラのリアルタイム映像を確認したり、録画したりでき、赤外線人体感知センサやマイク、スピーカーの搭載で、さまざまな遠隔監視や「見守り」の機能に対応している。
●「クラウド直結」が設定を劇的に簡単にした
「カメラ一発!」のネットワーク接続機能は、有線LANにも無線LANにも対応する。
従来機種の「カメラ一発!」と同じく、ネットワーク接続の設定はむちゃくちゃ簡単、まさに「一発」で設定ができる。無線LAN対応のため、電源さえ確保できれば設置できるのもうれしい。
これまでのネットワークカメラは、IPアドレスがどうとか、ルータの設定がどうだとか、かなり専門的な知識と手順が必要だった。ネットワークカメラの設定というと面倒くさいイメージが強かったのだ。しかし、そうした現状を「カメラ一発!」シリーズは見事に変えてくれたのだ。
設定を簡単にしたのは、クラウドの技術のおかげだ。カメラをネットワークにつなぐと、さっそくプラネックスの「カメラ一発!」専用クラウドに接続して待ち状態になる。ユーザがWindowsやスマートフォンのアプリをインストールし、同じカメラ一発のクラウドシステムにログインすれば、さっそくこのネットワークカメラが使えるというわけだ。
ドライバも必要ない。ネットワークの技術的な知識も必要ない。圧倒的な簡単さだ。
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写真 カメラ一発! たった3ステップで簡単接続
本当にこれだけで接続可能。
あまりの簡単さで驚きである。
(プラネックスのホームページより引用)
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写真 IDとパスワードを入力する画面(Windows)
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写真 IDとパスワードを入力する画面(iPhone)
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写真 無線LANの設定画面
WPSボタンで接続できない場合、
Webブラウザから設定することが可能
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写真 カメラ一発! Windowsアプリの画面
写真 カメラ一発! iPhoneアプリの画面
写真 カメラ一発! iPhoneアプリで撮影 自宅ベランダから見える景色
東京タワーがかろうじて見えている。
写真 カメラ一発! iPhoneアプリでパンしながら撮影した画像 5枚
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写真 温度センサーの設定画面(Webブラウザを使用)
通知の設定など、センサーごとの設定は
Webブラウザから行える
●何に使うと便利か?考えるのも楽しいネットワークカメラ
「カメラ一発!」のようなネットワークカメラの用途について少し考えてみよう。
たとえば、誰もいないはずの留守宅で、物音がしたり、動くものがあったら検出して、暗視カメラモードの動画で記録をおこない、同時にメールで遠隔のスマートフォンやタブレット端末に通知できる。出先でこの通知を受けたら、アプリを立ち上げて、暗い部屋の中や窓の様子を確認したり、必要ならば、物音を聞き、もし万一の時は、「どろぼー!!」と大声をスピーカーから発することができるのだ。
まあ、これは「ベタ」な防犯カメラとしての使用例だが、ネットワークカメラの使い方はほかにもアイデア次第である。
ペットを飼っているひとは、留守番中の愛犬の様子を外出先から確認できたり、声をかけるなんていうこともできる。
愛犬には迷惑かもしれないが、飼い主がいないリラックス中の様子を、スマホを操作してこっそり覗き見ることができたり、飼い主的には役に立つのだろうと思う。まあ、声をかけられたからといって、餌をもらえるわけでもないので、「愛犬」にとっては単なる迷惑なだけかもしれないが、、。
でも、ペットのこととなると、いきなり財布のひもが緩む人たちも多いので、プラネックスも良いところに目をつけたかもしれない。
「監視」と言ってしまうと、応用範囲が絞られるが、特定の場所の映像を居ながらにして見ることができるのを「定点観測」と考えると、いろいろ便利なアイデアもありそうだ。
たとえば、インターネット黎明期に話題になったコーヒーポットがあった。ある大学の研究室にあったコーヒーポットであるが、ネットワーク越しに今取りに行ったら飲めるかどうかがわかるのだ。同じ部屋にいるひとだけでなく、世界中から確認できるのはオーバースペックではあるが、当時、インターネットの黎明期の話題として、とても印象的で、有名になったのだ。
Link: 「世界一有名なコーヒーポット」から15年(オルタナティブブログ けんじろうとコラボろう!)
写真 我が家のコーヒーポット(笑)
我が家のコーヒーポットは現在 空である。
今回の新「カメラ一発!」は、防水設計ではなさそうなので、屋外でよりも屋内での利用に向いているが、定点観測にはぴったりのできばえだ。温度や音のセンシング機能に加え、人感センサもある。
温度センサが付いたので、温室の植物の栽培などにも役に立つかもしれない。
個人での利用ではないが、例えば体育館の温度管理と、子供たちの安全の見守りにもいいかもしれない。温度センサがあるので、熱中症対策のアラームもあると良いと思う。
さらにもっと法人での利用でいえば、建設会社が工事現場の様子をリアルタイム映像として工事依頼主に公開するのに使っても良いと思う。工事依頼主にとって、現場に出かけなくても工事の様子が確認でき、とても価値あるサービスとなりそうだ。
夜景が自慢のホテルやレストランでは、その夜景や、賑わうおしゃれなロビーや店内の様子をリアルタイム中継しても良いと思う。店舗や、現場の様子を中継することは、知恵の出し方によっては、O2O(online to offline)施策のひとつになり、顧客を呼び込むことにつながるかもしれないと思うのだ。
これも随分前のことになるが、私がデジタルカメラの企画担当をしていた頃、お客様から注文を受け開発したシステムを思い出した。山奥での土木工事の一部の立ち会い検査を、ネットワークカメラを使って、事務所にいながら遠隔で済ませてしまいたいというアイデアだった。デジタルカメラ黎明期だったが、当時のネットワークカメラでは解像度が足らず、デジタルカメラの解像度でカバーする特別な開発が必要だった。しかし、今なら、高解像度化が進んだ「カメラ一発!」のような市販のネットワークカメラを使って、同様のシステムをかなり簡単に実現することができそうだ。
まあ、こんなニッチなニーズでなくても、一般企業でもいろいろ使い道があると思う。
私が在籍していた某企業でも、ネットワークカメラは同じ事業所の事務所と実験室の間で、もしくは遠く離れた事業所間で、お互いの様子を気軽に確認するために使っていた。けっこう便利だったのを思い出す。特に、あるカリフォルニアの研究所の特定の会議室の様子は、社内ネットワークのどこからでも見ることができ、たとえばそこで頻繁におこなわれる講演会は、そのままストリーミング放送の感覚で視聴できた。東京にいながら、カリフォルニアの講演会に参加することもできたのだ。
●新「カメラ一発!」は買いか?
ネットワークカメラは、はっきりいって、用途が思いつかないひとには無用であることには間違いない。しかし、「カメラ一発!」は用途がはっきりイメージできるひとには、とてもおすすめできる商品だと思う。やはり、設定がとても簡単なことがおすすめできる理由だ。
今後、さらに「カメラ一発!」のシリーズが追加されるとしたら、ぜひ屋外でも使えるタイプ、そして、LTEや3G、もしくはWiMAXが内蔵できるタイプ、さらには、車載タイプなどにも発展してくれると良いなあと思う。
また、今回の機種ではカメラを動かす、パンやチルトが可能になったのだが、360度「全球」を撮影、記録できるカメラというのもあったら良いなあと思う。再生時に必要な角度だけを切り出して視聴できたりしたら、未来的で面白い媒体になると思う。こんなカメラがあちこちに置かれ、過去のその場で起きたことをいつでも振り返って見ることができるのだ。監視カメラというと、監視されるいやなイメージもあるが、定点観測や、記録と再生という観点で考えてみてはどうだろうか?
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