わかりやすく書くためには「対照的な概念」を探してみよう
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こんにちは。文書化能力向上コンサルタントの開米です。
「文書化能力」というのは、要するに複雑な情報をわかりやすく「書く」力です。
複雑な情報をわかりやすく書くためには、「構造化」が必要です。
「構造化する」ためには、情報をいったんバラバラの断片に切り刻んでから構造を探します。実はこの「いったんバラバラに切り刻む」ことを軽視する人が非常に多いんですよね。一見、無駄な単純作業に見えるので必要なさそうに思えるのかもしれません。残念ながらこれは、「実際やってみないとその重要さになかなか気がつかない」タイプの作業です。
切り刻んでから構造化するわけですが、構造化するときに手がかりになる「典型的な構造」が2種類あります。それが、
対称的な構造
順序のある構造
の2つです。
でも、これだけだと抽象的すぎてわかりませんので、簡単な例を挙げてみましょう。
フランス(パリ) と 北海道(札幌)
15.5℃ と 12.9℃
メキシコ湾流 と (不明)
となります。フランスは国名なのに北海道は違うとか細かいところには目をつぶって、こんなふうに構造化できることはわかりますね。
こういうふうに「対照的な構造」と「順序のある構造」を探して、それがハッキリ見て分かるように「断片的な情報」を並べていくと、最終的にそれが図解になるのですが、これがなかなか一筋縄ではいきません。
前述のパリと北海道の気温のように単純な文なら簡単ですが、もっと長い文になると紛らわしく書かれているケースも増えるため、「どれとどれが対照関係にあるのか?」を見つけるのが難しくなってきます。
難しいのですが、これこそが「文書化能力」の超本命。これを地道に少しずつでもやっていかないと、なかなか力はつきません。
そこで、それを実践する機会を企業研修で提供するのが私の本業というわけです。
受講者の感想によると、ちょっとずつヒントをもらいながらも「自分で考えて」いくと、
あっ・・・・ひょっとしてここ?? これでしょ!!
と閃いて答が見つかったときの快感はなかなか爽快なものがあるそうなのです。
もちろん、そういう快感が得られるように研修プログラムを設計するわけですが(^^ゞ
ちなみに、「長い文」だとどれぐらい難しくなるか・・・一例としてご覧に入れましょう。
いやー、、、、、長いですね。こんだけ長いと「図解」しようなんて考える気もなくなりそうです。でも、実はこの「トータルフットボール革命」のテキストは構造がわかりやすいように書いてあるので素直に読むと構造化できます。でも、なにしろ長いので、たとえば
「当時は選手の育成レベルが現在に比べて低く」
と対照的な関係にある情報はどれか?
と聞かれてもすぐには探せないかもしれません。
でも結局こういう「対照的な情報探し」を地道にやっていくことが大事です。ずっと続けてやっていくと、「対照的な部分を見分ける目」ができてきます。そうなれば、
プロリーグが発達し、プレーヤーの育成レベルが向上した
と、同じ「育成レベル」という用語を使っている部分がすぐに見つかります。実はこの「育成レベルが低かった ←→ 向上した」という関係は比較的わかりやすいほうなんですね。
これがもし
プロリーグが発達し、プレーヤーの技術水準が向上していた
のように、ほぼ同じ意味のことが違う表現で書かれていると、とたんに難しくなります。
実は普通の「文章で書かれた説明文」というのはそういう、「構造を発見しにくくする罠」が非常に多いのです。そのため、1度読んだだけでこういう構造をイメージするのはまず不可能です。
「トータルフットボール革命」テキストの構造化(図解)例
なにしろ元ネタが長いこともあって、一度読んだだけでこういう構図になることをイメージするのは非常に難しいですが、でも、「バラバラに分解して、構造を探す」ことを地道にやればできます。
ほんとかなあ・・・・・と思うかもしれませんが、本当なんですよ。
ぜひ、やってみてください。自力でもできます。付箋紙にバラバラに書き出して、「対照的な関係」「順序のある関係」をそれぞれ探してみるだけです。すぐにはわからないかもしれませんが、少しずつでもずっとやっているとだんだん見えるようになってきます。
「自力でやるのは心細い」という場合は、ぜひライティング・ワークショップへお越しください。
というわけで、そんなワークを実際にやってみたい方のためのライティング・ワークショップがこちらです
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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ライティング・ワークショップのお知らせ
5/ 5 14:00~16:00 @竹橋 理系の文書編
5/11 19:00~21:00 @竹橋 IT文書編
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「わかりやすく書く力を身につけたい」方のための
ライティング・ワークショップ
■5月5日は「少し理系の文書をあまり知識の無い人に説明する」
シーンを想定した題材で行います。
「少し理系」というのは、あくまでも「専門外の一般の人に説明する
ための文書」なので、ガチ理系の内容ではないからです。
実際どのような問題なのかは、課題文書を見てご確認ください。
↓
ライティング・ワークショップ 5月5日 理系の文書編
http://ideacraft.jp/cms/wws/90-2012-04-23-04-15-58.html
今回扱う課題文書は↑リンク先に掲載してあります。
■5月11日は「IT技術者向きの課題」ということで、
サーバー二重化、Oracle RAC、ファイル監視プロセス の3つの課題を用意してあります。
課題文書はこちらでご確認を
↓
ライティング・ワークショップ 5月11日 IT文書編
http://ideacraft.jp/cms/wws/91-wws0511.html
どの課題もなかなかに読みにくい書き方がされていますが、それを
「スラスラ読めて、スイスイ頭にはいる」ように書き直すワークを行います。
「えっ、そう言われても、何をどうすればいいのか・・・難しそうでとてもできる気がしない」と思ったとしたら、そういう方にこそぜひ来て欲しいですね。
普段やったことのないことは、出来る気がしなくて当たり前です。
逆に言えばそれは「実際やってみれば、苦手意識が薄れる」ということでもあります。
ずっと苦手なままでいたいですか?
それとも壁を越えていきたいですか?
課題文書そのものにはあまりヒントを載せられないので難しそうに見えますが、現場ではこれでもか! とヒントをたくさん出しながら進めますので、手も足もでないようなことには絶対なりません。
その体験を通じて、「あ、これなら出来そう」という感触をつかんでもらうためのワークショップなのです。
「難しそうで私にはできそうにない・・・」と諦めてしまう前に、試してみてください。
それではまた、お会いしましょう(^_^)/
「文書化能力」というのは、要するに複雑な情報をわかりやすく「書く」力です。
複雑な情報をわかりやすく書くためには、「構造化」が必要です。
「構造化する」ためには、情報をいったんバラバラの断片に切り刻んでから構造を探します。実はこの「いったんバラバラに切り刻む」ことを軽視する人が非常に多いんですよね。一見、無駄な単純作業に見えるので必要なさそうに思えるのかもしれません。残念ながらこれは、「実際やってみないとその重要さになかなか気がつかない」タイプの作業です。
切り刻んでから構造化するわけですが、構造化するときに手がかりになる「典型的な構造」が2種類あります。それが、
対称的な構造
順序のある構造
の2つです。
でも、これだけだと抽象的すぎてわかりませんので、簡単な例を挙げてみましょう。
フランスの大半は日本の北海道よりも高緯度にあるが、パリの最高気温の年平均値は約15.5℃と、札幌の12.9℃よりも2.6℃も高い。これはフランスにはメキシコ湾流という暖流の影響があるためだ。たとえばこういう文から「対称的(あるいは対照的)な構造」を探すと
フランス(パリ) と 北海道(札幌)
15.5℃ と 12.9℃
メキシコ湾流 と (不明)
となります。フランスは国名なのに北海道は違うとか細かいところには目をつぶって、こんなふうに構造化できることはわかりますね。
こういうふうに「対照的な構造」と「順序のある構造」を探して、それがハッキリ見て分かるように「断片的な情報」を並べていくと、最終的にそれが図解になるのですが、これがなかなか一筋縄ではいきません。
前述のパリと北海道の気温のように単純な文なら簡単ですが、もっと長い文になると紛らわしく書かれているケースも増えるため、「どれとどれが対照関係にあるのか?」を見つけるのが難しくなってきます。
難しいのですが、これこそが「文書化能力」の超本命。これを地道に少しずつでもやっていかないと、なかなか力はつきません。
そこで、それを実践する機会を企業研修で提供するのが私の本業というわけです。
受講者の感想によると、ちょっとずつヒントをもらいながらも「自分で考えて」いくと、
あっ・・・・ひょっとしてここ?? これでしょ!!
と閃いて答が見つかったときの快感はなかなか爽快なものがあるそうなのです。
もちろん、そういう快感が得られるように研修プログラムを設計するわけですが(^^ゞ
ちなみに、「長い文」だとどれぐらい難しくなるか・・・一例としてご覧に入れましょう。
【トータルフットボール革命】
1974年、サッカーの世界に1つの革命が起きた。
当時は選手の育成レベルが現在に比べて低く、選手に多くの役割を期待することができなかった。しかしそれでも役割を特化してFWは攻撃だけ、DFは守備だけに専念させれば、レベルの低い選手でもそれなりに機能する。そのためには選手にガチガチのフォーメーションを指示してそれを守らせなければならない。それが当時のトップチームの常識だったし、当時としては合理的な戦法でもあった。これは現代の目では「弱点の少ない形を固定する戦術思想」と総括することができるだろう。
そこに革命を起こしたのが74年のオランダチームである。
当時、新しい現実が進展しつつあった。プロリーグが発達し、プレーヤーの育成レベルが向上したために、なんでもこなせる万能選手が数多く育ちつつあったのだ。そしてオランダは「弱点の少ない形を固定」していた他国チームに対して、「その少ない弱点へ集中攻撃をかける」という戦術思想を採用した。
少ない弱点へ集中攻撃をかけるためにフォーメーションを流動化する。その結果自陣に穴が空いたらそれも流動的に対応する。場合によっては全員攻撃・全員守備の状況も起こる。そして天才的な司令塔、「鳥人」クライフがフィールドでその指揮をとる。これが「トータルフットボール」と呼ばれる、74年の革命だった。
オランダは、36年ぶりに出場した74年ワールドカップで快進撃を続けて決勝に進出した。その決勝では徹底的なマークでクライフの動きを封じたドイツが薄氷の勝利を飾ったが、その後の現代サッカーの流れを作ったのは勝ったドイツではなく負けたオランダだった。現在ではすべてのトップチームが当時のオランダをモデルにトータルフットボールを展開している。
いやー、、、、、長いですね。こんだけ長いと「図解」しようなんて考える気もなくなりそうです。でも、実はこの「トータルフットボール革命」のテキストは構造がわかりやすいように書いてあるので素直に読むと構造化できます。でも、なにしろ長いので、たとえば
「当時は選手の育成レベルが現在に比べて低く」
と対照的な関係にある情報はどれか?
と聞かれてもすぐには探せないかもしれません。
でも結局こういう「対照的な情報探し」を地道にやっていくことが大事です。ずっと続けてやっていくと、「対照的な部分を見分ける目」ができてきます。そうなれば、
プロリーグが発達し、プレーヤーの育成レベルが向上した
と、同じ「育成レベル」という用語を使っている部分がすぐに見つかります。実はこの「育成レベルが低かった ←→ 向上した」という関係は比較的わかりやすいほうなんですね。
これがもし
プロリーグが発達し、プレーヤーの技術水準が向上していた
のように、ほぼ同じ意味のことが違う表現で書かれていると、とたんに難しくなります。
実は普通の「文章で書かれた説明文」というのはそういう、「構造を発見しにくくする罠」が非常に多いのです。そのため、1度読んだだけでこういう構造をイメージするのはまず不可能です。
「トータルフットボール革命」テキストの構造化(図解)例
なにしろ元ネタが長いこともあって、一度読んだだけでこういう構図になることをイメージするのは非常に難しいですが、でも、「バラバラに分解して、構造を探す」ことを地道にやればできます。
ほんとかなあ・・・・・と思うかもしれませんが、本当なんですよ。
ぜひ、やってみてください。自力でもできます。付箋紙にバラバラに書き出して、「対照的な関係」「順序のある関係」をそれぞれ探してみるだけです。すぐにはわからないかもしれませんが、少しずつでもずっとやっているとだんだん見えるようになってきます。
「自力でやるのは心細い」という場合は、ぜひライティング・ワークショップへお越しください。
というわけで、そんなワークを実際にやってみたい方のためのライティング・ワークショップがこちらです
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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ライティング・ワークショップのお知らせ
5/ 5 14:00~16:00 @竹橋 理系の文書編
5/11 19:00~21:00 @竹橋 IT文書編
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「わかりやすく書く力を身につけたい」方のための
ライティング・ワークショップ
■5月5日は「少し理系の文書をあまり知識の無い人に説明する」
シーンを想定した題材で行います。
「少し理系」というのは、あくまでも「専門外の一般の人に説明する
ための文書」なので、ガチ理系の内容ではないからです。
実際どのような問題なのかは、課題文書を見てご確認ください。
↓
ライティング・ワークショップ 5月5日 理系の文書編
http://ideacraft.jp/cms/wws/90-2012-04-23-04-15-58.html
今回扱う課題文書は↑リンク先に掲載してあります。
■5月11日は「IT技術者向きの課題」ということで、
サーバー二重化、Oracle RAC、ファイル監視プロセス の3つの課題を用意してあります。
課題文書はこちらでご確認を
↓
ライティング・ワークショップ 5月11日 IT文書編
http://ideacraft.jp/cms/wws/91-wws0511.html
どの課題もなかなかに読みにくい書き方がされていますが、それを
「スラスラ読めて、スイスイ頭にはいる」ように書き直すワークを行います。
「えっ、そう言われても、何をどうすればいいのか・・・難しそうでとてもできる気がしない」と思ったとしたら、そういう方にこそぜひ来て欲しいですね。
普段やったことのないことは、出来る気がしなくて当たり前です。
逆に言えばそれは「実際やってみれば、苦手意識が薄れる」ということでもあります。
ずっと苦手なままでいたいですか?
それとも壁を越えていきたいですか?
課題文書そのものにはあまりヒントを載せられないので難しそうに見えますが、現場ではこれでもか! とヒントをたくさん出しながら進めますので、手も足もでないようなことには絶対なりません。
その体験を通じて、「あ、これなら出来そう」という感触をつかんでもらうためのワークショップなのです。
「難しそうで私にはできそうにない・・・」と諦めてしまう前に、試してみてください。
それではまた、お会いしましょう(^_^)/
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