ショーンK問題から見るSESの闇
ショーンKこと川上氏の経歴詐称問題で世間が賑わっていますが、似たような話でシステムエンジニアリングサービス(SES)があります。
なんとなく、SESにおける詐称とついでにSESの闇についても触れてみたいと思います。
システムエンジニアリングサービス(SES)とは
請負契約の一つで、オフィスに常駐しながらシステム開発/運用などをやるサービスです。
成果物ではなく、人月単価で契約を行いながらも指揮命令系統や労務管理が発注側には存在しないのが特徴です。
SES採用のステップ
SESを採用する際に、以下のステップで人を選びます。
1.職務経歴書の確認
2.面談
1をクリアしないと2に進めないため、どんな人でも1に力を入れます。
職務経歴書の詐称
それで、過去にとんでもなく横行していたのがこれ。
やったこともないのに、やったことにして書いています。
・Java 3ヶ月 研修 → Java 1年 基幹システム開発
・PHP 1年 趣味でちょっと触った → PHP 1年 CMS開発
入社1年目の社員などに対して多かったり、空白期間がある場合はそれを埋めるためにわざと書いていたりします。
昔はどこそこでやってた、会社から詐称するように言われて詐称した、など良く耳にしました。
しかし、最近はほとんど聞きませんが、前職で発注側として毎週のように面談をしていた立場だったので警戒して誰も言わなくなっただけと考えています。
# 加えて、社会人1年目のようなフレッシュな人と接する機会がなくなったということもあります・・・(´・ω・`)
なぜ詐称するのか
新人などキャリアが全くない場合は、よっぽど単純作業が必要でないかぎり採用されることはありません。即戦力が欲しいのにお金を払いながら発注者側が教育していくというのは、あり得ない話です。
しかも最初にお客様の目に留まるかどうかは「職務経歴書」で決まってきます。これで面談まで進めば口八丁手八丁でなんとか乗り切れる可能性が高まってきます。
ここで詐称すれば、まさにショーンKです。
また、SESをコア事業にしている企業は「稼働率=売上」という非常にわかりやすいビジネスのため、稼働が空けばその人は一切売上を立てることができません。
そのため、嘘ついてでも人を現場に送り込みたいというわけです。
詐称だけじゃない発注者側にも闇がある
本来、SESは請負契約のため発注者側にエンジニアに対して直接の指揮命令系統はありません。直接指揮命令系統が得られるのは派遣契約のみです。
直接指示を出せば労働基準法違反となります。
しかし、それでは非常に使いづらいので発注者、受注者は暗黙の了解で直接指示を出しているケースがあります。そもそもこの違反、偽装請負であることを知らないでやっているケースもあります。
SESの現場のエンジニアで仲が良い人も多かったので、色々お話を聞きましたが、法の解釈による抜け道にしか聞こえなかったため、何とも言えない闇が深いと感じています。
まとめ
何ともいえませんが、それでも世の中は上手いこと言っているわけです。
こういうことが排除できていないのは、それによって利益を享受するものが複数いて、場合によってはwin-winの関係なので排除しづらくなってるんじゃないかと思います。
別にこの業界をどうにかしたいという想いは全くありませんが、詐称と聞くとSESが真っ先に出てきたのと、最近このネタの記事を見かけないので書いてみました。
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