ソフトハウス経営者が考える視点
中小ソフトハウス、特に私の場合は年商30億円未満のソフト会社が多いのですが、これらの企業はこれから更に厳しい時代に突入していきます。業界を揺るがした一つのトピックスとして偽装請負の問題がありました。この問題も落ち着いてきた矢先に、今度は内部統制への対応から再び偽装請負に対する内部管理上の意識が高まってきました。更に言えば、請負ビジネスにおける工事進行基準への対応が企業規模に関係なく適応となる事で、プロジェクト管理に対する問題が大きくクローズアップされます。
この他にも、サブプライムローンの問題やパチンコ業界の低迷による金融機関の業績への影響、原油価格の高騰から派生する製造業の材料費高騰問題による業績への影響。現在IT業界を支えている2つの大きな産業の先行き不透明感が、今後の成長性に暗い影を落としています。そして人口減少による消費人口の減少は、単純に国内のビジネス需要の先細りを予言しています。
こういった時代背景を考えると、中小ソフトハウスの経営者はこれまでの様な業界内部への内向きな力から、もっと広く時代の流れを見る必要があります。この業界は、面白い様に誰かが作った一時的な流行に全員が便乗していきます。先行者や大手資本の会社が勝利する方程式に変化が無いまま、そういったビジネスに乗り遅れまいと必死になるのです。私は職業柄、経営者との付き合いが多いのですが、時代の大きな流れを感じながら経営を考えている社長は驚くほど少ないと言うのが実感です。船井総研の経営哲学の一つに【必要・必然】という言葉があります。このブログのタイトルにもなっていますが、今の状況になっているという事実には、必要であり必然的な理由があるのです。もしも自社の今の状態に満足をしていなければ、今のやり方の何かを疑ってみる必要があります。そういった観点から、少し今よりも外に目を向けてみる、それだけでも意識に変化が起こります。IT業界はますます厳しくなりますが、ピンチの時にも常に必要・必然的な事実があります。そのピンチの中で、何が自社にとってチャンスとなるのか、そこにポイントがあります。