「片づけ教育」の未来は明るい!と感じた日
7月26日に、愛知県刈谷市で愛知県内の小中学校の事務職員の方々116名を対象に、刈谷市でファイリングセミナーを実施しました。これだけの人数の前でセミナーを行うのは、私としては初めてのことです。
今回は、特別に許可をいただいたので、私の仕事の様子なども含めて書きたいと思います。
【学校事務ってどんな仕事?】
ほとんどの方が、小中学校の事務の方と接する機会はないと思います。
私は2年間だけ中学校社会科の教員をしましたので、一般の方よりも学校事務の方と接する機会はありました。ただまぁ、大学を出てすぐでしたので、教師としてはもちろん、「社会人」ということにも初心者という状況で接しただけですから、どこまで正しく理解できているかは少々不安ですが、その点ご理解頂いた上で、まず、学校事務のお仕事についてご説明いたします。
まず、学校事務の仕事で私が一番に思い浮かぶことは、先生方の給与や休暇などの業務をこなす、会社で言えば人事部のような仕事です。私も、学校事務の方と接した記憶はほとんどがこの手のやりとりです。
また、学校全体の窓口となり、運営全般を行う総務部のような業務担っています。保護者や来客のようなことだけではなく、県や市などの行政機関とのやり取りも学校事務の仕事です。書類もたくさんやってきます。
また、教科書や備品の準備など、教育環境の整備なども行います。これがなければ先生は主たる業務である授業ができません。
このようなことに従事して下さる学校事務の方々がいらっしゃるからこそ、教員は子供たちとの時間を多く取ることができるのです。
一般の会社では、総務・人事・経理・企画...と、普通なら複数の部署に細分化されていたり、サービス会社など別会社を独自に持っていたりして行っている業務を、1人か2人でこなします。この仕事量は膨大であることは容易に想像できるでしょう。
仕事あるところに書類あり。
現場は業務量と書類量でギリギリの状態と思われます。本当に、難しい職場だと思います。
【ファイリングセミナーってどんなことをするの?】
今回のセミナーは、事前の応募者100名が1名も欠席することなく実施されました。
通常、セミナーでは欠席はある程度あります。急な対応に追われる学校現場ではなおさらそのようなことが起こりがちです。それなのに1名の欠席もないというのは、ファイリングに対するプライオリティの高さの表れと言っても良いでしょう。これに事務局の方々16名が加わり、合計116名と言う、私の講師人生の中でも最高記録を更新した、私にとっても記念すべき日となりました。
今回の講義は約2時間で、当社で通常用意されている内容です。ただ今回は、このブログでも取り上げた、ファイリング三識「意識・知識・組織」という視点で話を進めました。
それは、事前に頂いた質問の内容がファイリングテクニックに関することに集中していたためです。知識によって現状を打開しようという姿勢が強くみられたのです。もちろん、期待にこたえるため、「知識」の項目でお応えし、その上で、加えて意識と組織も重要です、という構成にしたのです。
これは、今回のために新たに組み直したのですが、なかなか良くできている思うので、今後も使いたいと思っています。
このように、お客様の状況が見えれば、それに合わせて若干アレンジすることもあります。
また、今回はかなり「知識」を盛りだくさんにしたのでタイトな内容になっていたのですが、それでも敢えて私が先生だった頃の話を所々に入れました。
私が先生をやっていたのはもう15年くらい前の事ですし、地域も違うので、ともするとあてはまらないことの方が多かったかもしれません。
それでも、聞きながらあれは違う、ここは似ていると思いながら聞いていただければ、親近感を持って頂けると思います。親近感、いや、否定でもいいのです。何か主体的な意見を持ちながら聞いた知識は定着しやすくなります。
今回は、学校用のファイリング方法をお教えしたつもりはありません。私は現場に適したファイリング方法を見つけ出すための考え方を伝えるのであって、もし、学校用のファイリングがあるとしたら、それは、やはり学校事務の方だけが生みだせるものだと思います。
しかし、わずかでも現場を近くで見たことがある私の話は、学校現場に少し近い視点で話せたと思いますし、教員とファイリングコンサルタントを経験した、私にしかできない話ができたと自負しています。
いかがでしたでしょうか。日本では、お金、片付け、時間の使い方について良い教育を受けていないと言われています。海外については良く知りませんが、それでもお金についての教育はアメリカなどではかなり進んでいると聞きます。
将来、どの道をどんなふうに歩もうとも、成果を出すために絶対に必要な、実に有用な知識ばかりです。
でも、今回のようにファイリングに非常に前向きな学校事務の方々は全国にもたくさんいらっしゃると聞きました。それならば、時間はかかっても必ず子供たちの生活の場が、整理整頓されて行くはずです。それは、必ず子どもたちに伝わるはず。そう考えると、片付けに対する子供たちの未来は期待できるんじゃないか、と思えてくる、そんな1日でした。