本当は必要ないけど買う ~物欲を勉強と称して買った極小Android機、IDEOSを試す~
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
前々回の「Life Touch NOTEを「本当に必要なものだけを買う技術」に基づいて考える」の回でもちょっと書いたのですが、実はアンドロイドOSを触ったことがなく、このままではちゃんとしたレポートが書けないのではという不安に駆られました。
2月25日、タッチイベントでアンドロイド機を触ってから、モバイラーなら、ノマドワーカーなら、アンドロイド機くらい知ってないと恥ずかしいだろ、と、特に誰にも期待されていないことに必要性を見出してしまい、収まりがつかなくなってきてしまったのです。
【どうしても必要というわけではないけれど】
どうしても必要と言うわけではないのでアクティビティマップ(全ての自分の行動とそれに必要なものを図式化したもの)上にはプロットできません。単にアンドロイドOSを知るための購入ですから、どんなものにするか決まらず困りました。今まで持ったことのないスレート型か、持ってもカバンやポケットを圧迫しない極小サイズか...。
色々調べているうち、海外からのSIMフリーのタブレット型アンドロイド機や、ソニーエリクソンのXperia X10 mini proのハードウェアキーボードなどにはかなり惹かれたのですが、一応日本国内でもちゃんと使えるIDEOSに落ち着きました。
Android2.2だし、ネットでもいろいろ話題になっていて小さいながらなかなかのスペックのようです。このサイズ、この価格なら、お試しで買うくらいでも邪魔にならないだろう...と言うことで決めました。
【ついに手に入れたマイアンドロイド機】
IDEOSは定価26,800円、プリペイドのSIMカード代を含めてもかなり格安なスマートフォンです。本体だけで買っても10日間使い放題の日本通信のSIMカードが付属し、アンドロイドの世界を堪能できるようになっています。
画面は240×320と小さいものの、GPSや320万画素のカメラも搭載しており、3G、Bluetooth、Wi-Fiを備え、自分自身がモバイルアクセスポイントとなるテザリング機能もあります。付属のSIMカードの場合はNTT DoCoMoの回線で上下最大300kbpsに制限されますが、機器自体は下り最大7.2Mbps、上り最大384kbpsでのデータ通信が可能です。SIMフリーなので、3Gならその他のSIMカードも利用可能のようです。重さはバッテリーも含めてたったの100gしかありません。
【このままで良いのか、HYBRID WILLCOM ZERO3!】
スマートフォンに対する私の基準値はHYBRID WILLCOM ZERO3なわけですが、IDEOSを使ってとにかく感じたのはカタログには書きようがないような細かい所が随所に快適なこと。
まず、アンドロイドに共通の「戻る」「設定」「ホーム」「検索」が全てのアプリに共通して使えるというのはすごく便利です。一度覚えてしまえば、他のアプリケーションも同じ感覚で使えるようになります。ファイリングもそうですが、ルールを共通化した結果でしょう。
次に、お知らせ欄。ここにさまざまなお知らせがアイコンとして表示されます。指でお知らせ欄をなぞって下ろすと、お知らせ欄が指についてスルスルと下りてきて、詳細が表示され、指で押せば対象のアプリが起動します。
そしてGmail。アンドロイドはセットアップ時にGmailアカウントを登録します。そうすると、定期的にGmailを見に行って新着メールがあれば、お知らせ欄に表示してくれます。ほとんどケータイメール感覚でGmailを利用できます。
同様に、Twitterに自分宛のツィートがあるかどうかも見に行ってくれます。ツィートがあれば、やはりお知らせ欄に表示されます。
次にPCとのUSB接続。マイクロUSBですが、市販のものでOK。これ一本でPCとのデータのやり取りも充電も可。HYBRID WILLCOM ZERO3のように接続用ソフトをインストールしたPC+専用ケーブルでないとダメとか、そういうのはありません。PCからは外部記録メディアとして認識されます。
GPSもすぐに衛星を補足します。車でモバイルGoogleマップを使用しましたが、画面が狭いことを忘れさせるほど快適でした。同時に使用したHYBRID WILLCOM ZERO3は、QuickGPSを使って能動的に衛星を補足させてあげないと補足までに時間を要します。画面はIDEOSの4倍以上と広いのはいいのですが、回線が途切れるせいか地図が表示されない時間が結構出てしまいました。そして、1時間半ほどであえなく電池切れ...。
カメラは前述の通り320万画素。明るいところでしっかり固定して撮ればまずまずの品質です。記録レベルとしては十分に耐えると思います。下は、実際にIDEOSで撮影したものです。クリックすると最大サイズのものを見ることができます。
そして何より、専用アプリの選択肢が多いのがいいです。HYBRID WILLCOM ZERO3はあるものを使うか、ネット上のサービスをブラウザで利用するしかありません。
キー入力は下の写真のような感じ。アプリもたくさんの中から選べます。
【画面は小さくても繋がることが快適】
こういう小さな快適さの積み重ねが機器選びには重要です。私はわずかなスキマ時間を生産的な時間に変える機能をスマートフォンに期待します。
何度も接続にリトライし、結局繋がりませんでしたみたいなことを繰り返す機器では、「だったら本を読もう」となってしまい、結局使用シーンが限定されてしまうでしょう。
Life Touch NOTEのところでも書きましたが、特にこの機器だけで仕事を完結できないスマートフォンはインターネットにスムーズに繋がるかどうかが快適さを大きく左右すると思います。IDEOSは最大300kbpsですからHYBRID WILLCOM ZERO3と大差ありません。
しかし、繋がりやすさはだいぶ違います。それ以外はむしろHYBRID WILLCOM ZERO3の方が優れているところが多いはずなのにIDEOSの方が快適に感じてしまいます。HYBRID WILLCOM ZERO3にもソフトバンクの3G回線が入っていますので、それを解禁すれば、一気に使いやすくなってしまうかもしれません。でもそれでは、WILLCOMではなくなってしまうような気がするんですけどね。
【時間もファイリングする】
...って言うエントリーをいずれ書こうと思っています。要らないものは捨て、要るものは管理する。このファイリングの考えを、限りある自分の時間の使い方にも応用するという話です。
スマートフォンやPDAはそのために極めて有用なツールです。だから、最大限の効果が期待できるものを選ばなければいけません。
今はかなりWILLCOMにカタ入れしてしまっているのですが、今回の件でアンドロイドの勢いを感じました。IDEOSを使って得たアンドロイドのノウハウ、勉強になりました。
...と、締めくくることによって、今回の衝動買いを懸命に正当化しようとしているわけであります。
※本稿は3月11日に完成したまま、アップできなかったエントリーを、一部修正して掲載しました。次回は、「時間もファイリングする」方法を書いていきます。