ファイリング的思考で、私たちにもできる協力がある
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
東日本大震災により、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復興をお祈りしております。この危機に私たち国民全体でできることを考え、探し、継続しなければならないと日々の報道を見て強く感じています。
【ファイリング的思考で全てのムダを再検証する】
-ファイリングは捨てることと見つけたり- ファイリングは要らないものを捨て、本当に要るものだけにリソースをかけようとする「考え方」です。今、私たちにできることは、これまでの判断基準では「要る」だったものを、現在のわが国の状況に応じて新しくなった基準で再考し、更にスリム化することではないでしょうか。
ファイリング導入の目的でよく挙げられるのが、効率化やコストダウンです。これは、時間をかけない、人を割かない、資源をムダにしないなどの行動で達成されます。これは、文書管理の枠に留まらず、今、わが国が求められていることの多くに通じる思考です。
また、ファイリングを突き詰めることによって要・不要の選別眼が磨かれます。この選別には業務を読む力や、周辺知識が必要なので、こうした情報の収集や処理の力も養われて来ます。こうして身に付けたロジックを色々なものに応用すれば、生活の色々なムダや、不要・不急であるかどうかを今の状態に合わせてよりシビアに見定めることができるようになると思います。
例えば、時短効果によって、電力や資源の過剰消費を減らせます。
企業の方針さえ整えば、出勤回数を減らして自宅でも仕事を進めることもできるかも知れません。紙と電子の特長をよく理解すれば、何を会社で、何を自宅でやるべきかかなり正確に読めるはずです。
- 限られた商品の中、今本当に必要なものだけを買う。
- 今あるものを使わずに進められないか工夫する。
- 限られた燃料を使って車で移動するべきかどうか、使わない方法はないか判断する。
こう言った判断を行うのに、ファイリング的思考が必ずプラスになるはずです。そう言う訓練をしていれば、生活をすぐに省エネモードに切り替えられますし、不要な所で焦らなくても済みます。
ムダなもの、もしくは今でなくても良い電力、燃料、食料の消費を減らし、本当に必要な場所に回せます。
計画を立て、時間通りに仕事を進められれば、限られた時間しか電車が運行していない状況でも通勤、帰宅の混雑を緩和できるかもしれません。自動車での移動も同じ。被災地以外での混乱や事故が減れば、被災地の迅速な復興に貢献できます。
使うモノを減らし、時短するなど、数々の工夫が積み重なると、それなりにまとまったお金や時間の余剰が生まれてきます。
これによって得た時間を更なるムダの削減のために時間投資してもいいでしょう。被災地への直接的な援助活動に加われるほどの余剰時間になるかもしれません。お金なら直接的な支援にも使えます。
当然、ムダなモノや今でなくて良いものを省くことによって、自分のところで消費されていた電力、燃料、食料などが被災地に回されます。やはり、節約は最大の投資です。
ムダを省いていくことは、自分が縛られる、制約される、自由度がなくなることのように思っていらっしゃる方もたくさんいます。
しかし、今回のような事態に対して「何か力になれた」「復興に参画できた」という喜びを得ることができ、それによって余剰の時間やお金が生まれることを知り、自分の管理工数が減ることなど、シンプルライフを手に入れたことの開放感を味わうことができるのです。
このエントリーを合わせて、私はこれまで50本の記事を書いてきました。ほとんどの記事がどこを切っても「いらないものは捨てる」の思想が含まれていて、みなさんのアイデア次第で、今私たちに求められいてることに応用できると思います。これらの記事が、皆さんの「ファイリング的思考」の一助となり、ムダの排除に応用されればこんなにうれしいことはありません。