Life Touch NOTEを「本当に必要なものだけを買う技術」に基づいて考える
皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。
今回は、NECさんから3月10日に発売される、「Life Touch NOTE」を、幸運な誠ブロガー約30名が発売前に使わせて頂ける機会に恵まれました。私もその一人として参加いたしましたので、「本当に必要なものだけを買う技術」に基づき、自身の購入対象となりうるのか。それを分析してみたいと思います。
【アンドロイド初体験】
まず、この機器を評価する前に私の知識の現状を記さないといけないと思います。
冒頭からいきなりなのですが、後悔してやまないのは私がアンドロイド初体験であったことです。この点は非常に痛い。もし、アンドロイドOSについてもう少し知っていたら、限られた時間で突っ込んだ使い方までテスト出来たことでしょう。
【自分として必要か?を考える】
私のライフスタイルに合っているかどうかを見るために、自分がどのような使い方をするのかを明確にしておきましょう。
まず、メインマシンか、サブマシンのどちらのマシンとして評価するか、を決めねばなりません。
- メインマシンなら、ワード、エクセル、パワーポイントがマクロまでストレスない速度で動作すること。マクロでプログラムを作ったりするので。
- インターネットはFLASH、Javaなど全て動作すること。株式や為替をリアルタイムで見たいこともあるので。
- ビデオ編集などの重い処理もこなすこと。子供の映像や、車の車載映像などを編集することもあるので。
- また、メインマシンであっても持ち運べることは絶対条件。私は家にいる時間が少ないし、家でも暖房の効いている部屋、子供がテレビを見ていないところ(うるさいので)など、家の中でも仕事場所が移動するので。
サブマシンなら、少々遅くても可ですが、今度は小ささの優先度が上がります。Windows機なら500g以下、それ以外なら300g以下で、いずれもスーツの胸ポケットに入り、マイクロSDカードが読めること。ワード、エクセル、パワーポイントの閲覧ができること。
これが、自分のアクティビティマップ上でサブ機に求める機能です。相当厳しい基準ですよね。でも、クリアする機器は実際にあります。
その他細かな条件もありますが、この辺が基準です。この条件を満たした上で買うことによって得られるメリットに見合った価格かどうか、です。ただ、魅力的な機能が備わっているなら、この条件が若干外れても許容する場合もあります。
私の場合、メインマシンは現時点で不動のVAIOタイプZがあります。Life Touch NOTEはアンドロイドOSですからメインマシンの条件を満たしていませんので、サブ機として評価することになります。
そうなって来ると第一に気になるのが、699gという重さです。iPadよりも重く、Widows機であるVAIOタイプPよりも重いことになります。胸ポケットにも入りませんので、カバンに入れて持ち運ぶことになるでしょう。上の写真は、メインマシンのタイプZとの比較です。
また、残念なのは、ACアダプタが大きいこと。隣にあったかわりものやさんのLet'sNOTEのアダプタと比較しましたが、Life Touch NOTEの方が大きい。9時間バッテリーがもつのだからACアダプタは持ち運びしない、ということで割り切ったのかもしれません。数日に渡る出張などでの仕様をお考えの方は、ACアダプタ込みの重量も確認しましょう。
この時点で「私の」購入要件は満たしていないことになります。しかし、ご理解頂いているとは思いますが、これはこの機器が悪いと言っているのではありません。
【タッチイベントの時点で見えたLife Touch NOTE】
詳細なスペックなどは他のページに譲ることにして、私の観点で目に留ったところを記します。
Life Touch NOTEには加速度センサーが付いているので、本のように立てて持てば、画面も回転してくれます。電子ブックなどを読む場合はこのような持ち方の方がしっくり来そうです。手に持った感覚ですが、キーボード側と画面側の重量配分が均一のように感じましたので、このような使い方の時でも違和感はありません。
ところがこれも置いて使う際にはマイナス要因となってしまいます。画面をタッチすると、機器が画面側に倒れようとしてしまうのです。
ただ、Life Touch NOTEは画面をほぼ180度開くことが可能です。全開で置けばかなりの安定感を得ることができます。
サスペンドからの起動はとても速いです。電源ボタンを押して、まだ手がホームポジションに戻らないうちに起動が完了している感じで、ストレスは全くありません。これなら、短いスキマ時間を無駄にすることはありません。
ちなみにシャットダウンからの再起動は感覚的にWindows7と同じくらいかかります。しかし、毎回電源を切るような使い方はしないとは思いますが。
動作も全般的に速いと思います。私のメインマシンのVAIOタイプZは、Windows7搭載ノートではかなり速い方ですが、その感覚で操作することができました。
キーボードは慣れの問題もあるのかもしれませんが、若干ゆがむ感じがあったと思います。隣の人が打ち込んでいるのを横から見ているとその様子が分かりました。
これが影響しているのかわかりませんが、ブラインドタッチで連続してキー入力しようとすると、キーボード自体が一旦へこんで反発してくる感覚が、次に打つ指先の感覚を狂わせます。
キーボードが良すぎたためにPC並みのブラインドタッチができてしまうからこそ出てくる、高いレベルでの問題点だと思います。おそらく慣れればクリアできる程度の問題でしょう。
Life Touch NOTEにはカメラも付いています。それだけでなく、バイブレーション機能や、光学式のポインティングデバイスなど、現時点のアンドロイドアプリで使用するであろうほとんどのデバイスは搭載したとのことです。デバイスが備わっていないためにあるアプリが使えない、という事態はなるべく回避したかった、とのことです。
背面カメラで撮った写真を紹介します。
デジカメの代わりという期待は持てないと思いますが、記録としてや、バーコードリーダーアプリのための事務的な使用と割り切れば十分なスペックかと思います。
【Life Touch NOTEの魅力は?】
この機器で一番私が魅力に感じたのはスピードです。YouYubeを動かしてみましたが、スムーズに動きました。フルサイズのキーボードもありますので、入力作業もストレスなく出来ることでしょう。
出先でのスキマ時間は10分、15分などの細切れでやって来ます。ネットブックの遅さ、アンドロイド携帯の入力デバイスの不便さで、そうした時間を十分に活用できず後悔していた方はそのストレスから開放されるかもしれません。特に、Gmailをメインに使っていて、テキストを打って、写真を撮って、ブログ、twitter、facebook、mixiなど、ネットにアップすればそれでほとんどの作業が完結するという方は、かなり有力なマシンといえるでしょう。
特に、専用アプリであるライフノートから一発でブログやmixiなどにアップする機能が付いており、人によってはすごく便利みたいです。他のブロガーさんは、この説明があったとき感嘆の声を上げていました。
後は、3G付きにするかどうか、ですよね。これもまた、自分自身のワークスタイル、ライフスタイルを冷静に検証するべきでしょうが、できれば高速なWi-Fi接続で行いたいところです。
自分がこの機器を使用するシーンに、公衆無線LANなどのネット接続の電波があるかどうか。なければまずはモバイルアクセスポイントなどの機器を検討されてはいかがでしょうか。
ネットから情報を収集し、場合によってはEVERNOTEやDropBoxなどネット上にストックし、Life Touch NOTEで編集してネット上にアウトプットする、という機器と言えるでしょう。ネット接続が限られる、もしくは遅いと、インプット、ストック、アウトプットの、情報に対する基本的な流れが全て制限を受けることになってしまい、この機器の持つ、最大の特徴であるスピード感を損ねる、大きなボトルネックになってしまうでしょう。
あれもやりたい、これもやるかもという欲求を捨て、出先で行う業務を限定し、軽量化した人だけ得られる、身軽なスピードがLife Touch NOTEの特長だと私は解釈しました。