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キングジムファイリング研究室の野原淳です。情報を収集し、蓄積し、検索し、作成し、活用する一連の流れを、便利に、楽しく、速やかにする整理のしかたや工夫、便利なツールなどについて私の考えを書いていきます。コンサルティングでは話さない、小さな改善や未完成のアイデアなども紹介したいと思います。

あなたはすでに成功者。毎日欠かさず、捨ててきた。

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 今年も忘年会シーズンがやって来ました。今年も色々ありましたが、飲んで、笑って、嫌なことはパーッと忘れましょう!

 皆さんこんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。

 さて今回は、忘れるということについて、私の思っていることを書いて行きます。

 

あなたも「捨てる」をやってきた。

 自分はモノを捨てたことはない、と自負する方でも、絶対に捨ててきたものがあります。しかも毎日、きちんと継続して行っています。それは、「忘れる」ということ。つまり記憶の整理です。

 我々の頭は睡眠中にその日1日の記憶を「整理」しているのだとどこかで聞いた気がします。

 以下、私の理解と経験則でお話ししますが、残すべきものとそうでないものを仕分けすることにより、必要な記憶をより際立たせているわけです。

 脳には脳の限界があるわけです。その限界値を超えてしまっては本当に必要なことを記憶として留めることはできません。だから睡眠中に不要な記憶を整理し、必要なことを残すわけです。その時必要であっても、時がたつにつれて不要になれば、やはり忘れていきます。忘れるのは、新しい記憶をするための準備なのです。

 これって、何かに似ているような気がしませんか?

 そう。ファイリングです。

 人間の脳には、自動的にファイリングを行う機能が備わっていると解釈していいでしょう。生まれた時からみなさんそれを頭の中で繰り返して生きて来たのです。

 捨てるなんて無責任だと言ってみても、自分はもったいなくて捨てられない性格だと言ってみても、あなたはもう、不要なものを廃棄するということを毎日継続的に実践して生きて来たのです。

 中には、忘れたいのに忘れられないこともあったでしょう。絶対に必要なことなのに忘れてしまって困った経験もあると思います。しかしそれは本来必要なことであっても、脳にとっては不要だったということなのでしょう。忘れられないのなら、その逆ということです。

 もしも、人間に忘れるという機能が備わっていなかったらどうでしょう。

 見たもの、聞いたもの、感じたこと、一切消すことはできません。取るに足らないどうでもいいことまで克明に覚えていて忘れられないとしたら、これは恐ろしいことですよね。そんな状態で、「さあ、明日はもっと新しい経験をしよう」という気になりますか。

 捨てないという人はそれをやろうとしているのと同じです。

 捨てるということはごく自然のことなのです。

 

少ない記憶で管理するノウハウ、それが記録。そして...

 文字がなかった頃、全ては記憶できる範囲のことに留まるしかなかったわけです。しかし、人一人が記憶できる情報量では徐々に複雑化する社会を維持できなくなってきました。

 そうするうちに文字を使うようになり、記録を残せるようになります。

 記録することによって、すべてを記憶する必要はなくなりました。あの記録はここにある、と言うインデックスだけ記憶すればよくなったのです。これで、脳の負担はぐっと減りました。だからより多くの情報を管理できるようになるわけです。我々はこうして進歩してきたのです。

 さらに社会が高度化して、インデックスが増え、記録の場所さえ覚えられなくなったらどうしましょう。次の進歩は何だと思いますか。

 インデックスの台帳を作るわけです。つまり「ファイル管理表」ですよ。これによって記録の場所も覚える必要がなくなります。

 記録を探すときはファイル管理表を見ればいい、と言う事だけ覚えればいいわけです。脳の負担は相当に軽くなり、その分他の事に振り分けることができるようになります。

 捨てないということは、本来人間に備わっている自然の摂理にに抗うことであり、ファイル管理表を作らないことはこれ以上の進歩を自ら諦めているようにさえ思えてきませんか。

 

忘年会に行こう!忘年会を有効活用しよう!

 忘年会はいいチャンス。今年の嫌な思い出、不要な記憶は捨てましょう。こういう場で話してみると、今まで思い悩んでいたのが嘘のようにスッと軽くなるものです。

 話すことによって整頓され、取るべき行動が見えてくるからかもしれません。

 もう思い悩む必要がないとなると、脳は不要な情報として忘却の濁流に処分してくれます。こうして脳のスペースを増やし、来年新たな気持ちで情報収集をするための準備をしましょう。

 忘年会で脳内の整理ができたら、次は、書類の整理です。そうやって自分に約束するのです。

 実は始めるまでが面倒、というのは良くあることで、こういうことと結びつけてとにかく一度「開始」してしまうと、今度はトコトンやっちゃう。そういうのって、ありませんか。私はそう言う性格です。

 あなたもそういう性格なら、それを最大限に利用しましょう。とにかくスタートを切るのです。

 そのきっかけに使えるなら、今年の忘年会は何と有意義なことでしょう。

 頭も机もキャビネットも、情報収納力に余裕を持って新年を迎えられたら、きっと何か変わりますよ。そんな気がしませんか?

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