アナログ版受信トレイ、MAILファイリング
仕掛りファイリングで作業中の書類は整理できるようになりました。
しかし、あなたが外出から帰った時、または翌朝来てみると、書類が机の上に置かれてることに気づきます。これはいったい何?
そう、伝達書類です。
机の上に置かれる書類のもうひとつ、伝達書類のルールも作らないと、机の上に書類が置かれてしまうのです。
こんにちは。キングジムファイリング研究室の野原です。今日は、伝達書類の整理のお話をすることにしましょう。
【意図しないところで机に置かれる伝達文書】
仕掛りボックスが定着してきて、仕事中の書類の整理ができるようになると、伝達書類が気になってきます。
伝達書類はほかの人が自分宛てに机に置いて行ってしまうため、自分だけの努力ではどうにもならない点が厄介です。
そうは言っても自分の机の上に置かれた以上、やはり自分が管理しなければなりません。
伝達書類が面倒なのは、自分が見たことのない書類であるケースがほとんどであることです。1件だけならいいのですが、長い時間席を外していると2件、3件と机に置かれていきます。
あなたが机に戻った時、もしこれが混ざって一つになっていたら、例えば2件来ていると知っていればまだしも、1件か、2件か、それ以上かも判らずに、それをきちんと戻せるでしょうか。
私は不安です。
【MAILボックスを使ったMAILファイリング】
そこで、伝達書類もまた、1案件1ホルダーに入れ、一人一つ用意したMAILボックスに「立てて」入れてもらいます。MAILボックスは前回の仕掛りボックスとは別のボックスです。
こうすることで、MAILボックスを見れば、自分宛ての伝達書類が何件来ているか、自分にも、周りにもすぐに分かります。
eメールでも受信トレイに未読のメールが(2)とかって表示されますよね。あれのアナログ版です。
来ていると分かれば、早く目を通そう、早く次の人に回そう、そう思うはずです。
立てているので、優先度の高そうなものから閲覧することもできます。ホルダーの色を優先度や緊急度で変えてもいいですね。
発信した人は書類がどこまで回っているのか分かります。
また、MAILボックスが一杯になっていたら、その人は回覧を読む時間が取れていないと予想できます。ならば「先に別の人に見てもらおう」といった判断も可能です。
このような判断は、MAILボックスの中は伝達書類だけと決めたからできることです。何でもかんでも混ざって置いていたら、そのような判断はできません。戻す場所を明確にしたからこそ、できる効率化なのです。
【発信者が最終的な保管方法を指示】
回覧情報は、発信者が「誰に回すか」「回覧終了後どうなるか」を明確にして回します。
誰に回すかは、押印欄のついた紙などを1枚入れます。これは多くの方がやっていることだと思います。
回覧終了後どうなるかは、例えば捨てるなら「回覧終了後廃棄」などと表示します。何かのファイルに綴じるなら「○○のファイルで保管」などと書けば良いでしょう。
どうしても読む時間がない時、この情報があれば、捨てられてしまうものだけ読み、ファイルに保管されるものは綴じられてから後で見る、と言う判断もできるようになります。
【提出も受け取りもMAILボックス】
書類提出や郵便もMAILボックスを利用します。
仕掛りボックスにあった案件が完了したら、上長のMAILボックスに提出します。上長は押印後、あなたのMAILボックスに返却します。
なるべくMAILボックスを利用するようにすれば、自分も相手も時間を無駄にすることなく書類の受け渡しが出来るようになるのです。
【MAILボックスはどこに置く?】
各自の机の上にそれぞれ置くか、キャビネット1段を用意して部署でまとめて置くかになります(写真の下段の棚)。
各自の机に置けば、伝達文書が来たことを見落とす心配がない利点がある反面、席を知らない他部署の人などは困ります。また、自分の机の上にあると、つい別のものを入れたくなってしまい、いつの間にか単なる本棚になっていた、ということが起こりやすい欠点があります。
組織の大きさや環境で決めると良いでしょう。すぐに修正できることなので、始めてから検討してみても良いと思います。
【全てMAILボックスを利用するべきか?】
もちろんそのようなことはありません。重要書類や、申し送り事項がある場合は直接渡すべきですし、社内メール、掲示、朝礼などでの連絡が向いているものもあります。
MAILボックスは書類の受け渡し方法の一つの選択肢です。伝達情報の性格に合わせて、机の上に書類が放置されることのない、最も適した方法を選んで下さい。
このような方法をとることにより、伝達書類が机の上に放置されることがなくなり、伝達書類が最後まで回らない、回るのが遅い、いつの間にか書類が無くなるなどのトラブルを防ぐことができます。