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キングジムファイリング研究室の野原淳です。情報を収集し、蓄積し、検索し、作成し、活用する一連の流れを、便利に、楽しく、速やかにする整理のしかたや工夫、便利なツールなどについて私の考えを書いていきます。コンサルティングでは話さない、小さな改善や未完成のアイデアなども紹介したいと思います。

ごあいさつ

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 皆さんこんにちは。そして、初めまして。株式会社キングジムでファイリングコンサルタントをしている野原淳(じゅん)と申します。今回は縁あってこのような素晴らしい所でブログを書かせて頂けることになりました。皆さんよろしくお願いいたします。

 このブログのタイトルは、「ファイリングは捨てることと見つけたり」。ファイリングって何?という問いに対して、現時点の私なりの答えです。今後、私自身のスキルアップや、技術の進歩によってこの考えも変わっていくのかもしれませんが、ひとまずこのポリシーでブログを書き進めていくつもりです。

 さて。「ファイリングは捨てることと見つけたり」に込められた考えを少しお話したいと思います。
 どんなに整理整頓が下手な人でも、保有量をどんどん減らしていけば、やがて、探せる、整理できるポイントにたどり着きます。それが「管理できる量」です。この量は人によって違います。
 ファイリングノウハウを習得したり、新しい技術を導入することで、その人それぞれの「管理できる量」の限界を、高めていくことができます。

 でも、それを無限にすることは不可能です。人である以上、「管理できる量」には限界があります。
 捨てたら見れなくなるという不安、良く分かります。しかしその不安をなくそうということは、この先いつ問合せが来るか分からないもの全て取っておくことを意味します。それは膨大な量になるでしょう。
 おそらくとても管理できる量とは思えません。いつやって来るか分からない「いざと言う時」に対応しようと持っていたはずの書類が、その「いざ」が訪れたときには「いや~、あるはずなんだけどなぁ...。絶対捨ててないはずだから...。それとも誰かが間違えて捨てちゃったのかなぁ...」

 これでは取っておいた意味がありません。「管理できる量」を超えた所有は、逆にリスクを積み上げることにもなるのです。
 どの情報はどの程度利用する可能性があるのか、ないことによってどんな不便があるか、これを自分自身の「管理できる量」と比較した上で、要ると要らないを見極め、常に情報の保有量を「管理できる量」の範囲内に維持することが、情報をマネジメントすることだと思います。

 ...と、言い切ってしまいましたが。これは理想の形であって、実際はなかなか難しいですよね。私自身、整理・整頓は不得意な人です。心の底には何でも取っておきたい性格が潜んでいます。でも、だからこそ、捨てられない人の気持ちも分かりますし、やりたくなかったことをやろうと思うようになっていく変化の様子もリアルに話せると思っています。

 ですからいきなり100点満点の理想を目指す必要はありませんのでご安心を。
 気に入ったもの、出来そうなものから始めてみれば、始めた分の便利さを享受できます。仕事の種類がたくさんあるように、適したファイリングのしかたもその人の数だけあります。ですから、面白いと思ったら、どんどん自分流にカスタマイズしてみて下さい。自分流にカスタマイズするって、結構楽しいですよ。楽しければ、もっとやってみたくなって、いつの間にか理想型に向かって歩き出している...、そうでないと続かないし、続かなければ意味がありません。

 また、ファイリングのスキルが応用できそうなところは他にもたくさんあります。冷蔵庫の中、押入れの中、物置の中、クルマのトランクの中...。工夫しだいで、きっと普段の生活も変わると思います。

 私もまだ理想型に向かって歩いている途中です。
 コンサルティングでは理想型への最短コースである幹線道路をご案内することがほとんどですが、このブログでは幹線道路だけでなく、遠回りしたことや、まだ通りづらい未舗装路、果ては路傍の花に立ち止まったりするようなことも折り混ぜながら、皆さんと一緒に楽しみながら成長や発見ができたら素晴らしいな、と思っています。
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