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PC-1が稼働して、早50年が経ちました

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話題が遅くなりましたが、3月26日に「パラメトロン計算機PC-1完成50年記念イベント」が行われたそうです。

「PC-1」とは“Parametron Computer No.1”の略で、昭和32年9月に製作を開始し、昭和33年3月26日に稼働を始めた初期の計算機です。製作の中心となったのは、当時の東京大学理学部高橋研究室。実験機でもあったPC-1は、万能型科学計算用計算機として一定の成果を上げることに成功しました。

私自身、PC-1の後継となるPC-2の巨大な演算ユニットを見たことはありますが、PC-1の実物を見たことはありません。しかし、いくつかの資料を見ることで、その想像をふくらませることができます。このあたりにご興味があれば、アスキーから出版された「コンピュータが計算機と呼ばれた時代」(ISBN4-7561-4677-5、アスキー、2005年12月14日初版発行)か、情報処理学会の「コンピュータ博物館 <http://museum.ipsj.or.jp/>」をご覧になるといいと思います。

さて、この話を聞いて私が思ったことは、「昔はいろいろと面白かったなぁ」ということです。自分が欲しいものがあったら、自分の頭と労力で作っていく。さまざまな文献を調べ、理解し、試行錯誤を重ねながら何かを作り上げるという喜びは現代ではほとんど味わうことができません。

いまでは、ある程度のお金さえ出せばかなりのコンピューティングパワーを得ることができますが、そこにあるのは楽しみよりも「必要に迫られて」といった現実が先に来てしまっているような気がします。

機械は何のためにあるのか。これを契機として、そのことをあらためて考え直してみたいと思います。

▼ PC-1
http://museum.ipsj.or.jp/computer/dawn/0016.html

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