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バックアップ

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今回はちょっとお気楽モードで。:)

前回のXXIミーティングでは、バックアップを話題にしました。最近はデジカメの写真とか、音楽とか、非常に多くのデータをPCの中に持っています。iPod用の音楽データや楽しい想い出の写真が詰まったPCのハードディスクが壊れたとしたら、皆さん、きっとすごく落ち込むのではないでしょうか。いや、本当に。(^^;

そう考えると、データのバックアップというのは非常に重要で、これをしているか否かは個人環境と言えども無視できないものになりつつあるような気がします。そこで、「バックアップとは何ぞや?」とか「どんな方法がお薦めなのか」を考えてみたいと思います。

さて、普通にバックアップというと、会社が重要なデータを管理するときに使うものというイメージが一般的なのではないでしょうか。会社のプロダクトをアーカイブするとか、商品のマスターイメージを管理するといったことはすぐに思い浮かぶと思います。では、自宅ではどのようにしているのでしょうか。XXIの中で皆さんに聞いたところ、おおむね次のようなものでした。まず、何をバックアップしているか。

  • メール
  • 写真
  • リッピングデータ(音楽など)
  • 動画

うーん。普通ですね(あたりまえか……)。では、どのような方法を使っているのでしょうか。

  • NAS(Network Attached Storage)
  • Solarisのサーバ
  • USBの外付けハードディスクにrsync
  • インターネットの何か(たとえば、YouTube)
  • DVD-Rなど

こちらも特別変わったことはしていません。ちなみに、rsyncとはUNIXのファイル転送プログラムのひとつで、遠隔にあるファイルとの同期を非常に高速に行います。夜中に自動でrsyncしたりすることで手間を省いたりもしているようです。

ところで、従来はバックアップというとテープデバイスが一般的でした。昔は、QIC(Quarter-Inch Cartridge)という規格のテープを回覧に使ったりもしたものです。その後、音楽用のDAT(Digital Audio Tape)をデジタルデータ用に改良したDDS(Digital Data Storage)というのが出現し、大枚はたいて買った覚えがあります。

現在では、ここ数年のハードディスクの価格低下と大容量化により、ハードディスクからハードディスクへのバックアップというのが普通に行えるようになりました。テープデバイスの課題であった低速という問題を簡単に解決してくれるため、私などはこちらを重宝しています。

ただ、ハードディスクは可搬性の点で劣ります。個人で気軽に使用するならともかく、本気でバックアップを考えるならテープデバイスは外せません。仕事でバックアップを考えなくてはいけない方のために、ちょっと簡単にでもまとめておきましょう。XXIの中では、「会社のデータはどうする?」という形で話題にしています。

現在、バックアップに使われるテープデバイスにはDLT(Digital Linear Tape)を使ったものが多いようです。これは、その歴史の長さからくるものかもしれません。SDLTはSuper DLTの略で、より高速化が図られたものだと考えればいいでしょう。この規格は、(読み取りの)下位互換性が高いのが特長です。

DATは現在、最大で70GBの容量でドライブの価格が12万くらい。ものによってはもっと安いものもあるようで、価格面では優れています。ただし、経験的に速度は遅いです。スペック的にも圧縮がうまくいって20GB/h程度ですから……(単位が“時間”なのに注意してください)。(^^;

それに対してSDLTは100万前後の価格になりますが、600GBもの容量を持つものがあり、転送速度も非圧縮で60GB/h、圧縮がかかれば120GB/hもの数字になる機種もあるようです。迅速にバックアップを済ませようと思うと、この性能差は大きいですね。

ちなみに、ちょっと調べたところ、最近ではLTO (Linear Tape-Open) という規格もあるようです。DLTより後発ですが、DLTに比してほぼ同容量、高速、やや安価ということでかなり普及しているようです。記憶容量に主眼を置いたUltriumとアクセススピードに主眼を置いたAccelisの2種類が存在しますが、使用するメディアの形状が違うためにそれぞれの互換性は無いようです。

しかし、バックアップの目的を考えると、メディアの寿命というのも気になります。残念ながら休刊となってしまうようですが、オープンソースマガジンの企画でDVD-Rなどのメディアの寿命についての記事がありましたが、その短さに少し驚いたりもしました(インターネット上にも「CDやDVDの寿命は意外に短い?」といった記事もあったりします)。

でも、そうは言いつつ、テープメディアにも、たとえば湿気に弱いとか、やはり弱点はあります。時間があれば、今度はそういう部分についても考えてみたいですね。今日の仕事もありますので、続きはまたの機会ということで。

# ちなみに、皆さんはどうされていますか? 何を、どのような形でバックアップされているか、お教えください。

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