【図解】コレ1枚でわかるRPA
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間の手作業による複数のアプリケーションにまたがる操作手順を登録しておけば、その手順に従って人間に代わって自動で操作してくれるプログラムのことです。
一般的に、複数のアプリケーションを連係して処理する場合は、各アプリケーションが提供するAPI(Application Programming Interface)を介し、それらを連係させるためのプログラムを組む必要があります。しかし、このやり方では専門的なプログラミング知識が必要なことに加え、対象となるアプリケーションのAPIを作成・公開してもらう必要がありました。
それに対しRPA は、既に使用しているアプリケーションのユーザーインターフェイスで人間がおこなっている操作手順を登録すれば、そのまま同じように自動で操作をしてくれます。たとえば、申請書登録画面に表示された項目毎のデータを読み取り、それを他のアプリケーションに転記、拾い出したキーワードから他のアプリケーションで情報を検索して必要な項目をチェックすると言った、これまで人間がおこなっていた操作の手順をそのまま実行してくれるのです。このように人間に代わって作業をしてくれる労働者という意味で、「Digital Labor」とも呼ばれています。
RPA は、事務処理や書類関係の作業が多い金融業界や人事・採用に関わる部署など、人間の手作業に頼る単純だけど手間のかかる業務が多く残る業種・職種での生産性を大幅に向上させることができます。
これまで、事務処理の合理化をすすめコスト削減を図るために、海外でのシェアード・サービスやBPO(Business Process Outsourcing)が使われてきましたが、現地での労働単価の上昇に加え、人材の流動性が高くノウハウが定着しないという問題を抱えています。また高齢化が避けられない我が国に於いて、業務の生産性向上は喫緊の課題です。このような課題の解決策としてもRPAは注目を集めています。
RPAは、カバーする機能の範囲によって、3つのクラスに分けられています。
クラス1: Robotic Process Automation
ルール処理エンジン・スクリーン収集・ワークフローの機能を搭載し、データ入力や複数アプリケーションの連携が必要な単純作業の定型業務をこなす。例えば、人事・経理・総務などの間接部門の事務・管理業務、販売管理や経費処理など
クラス2: Enhanced Process Automation
構造化されていないデータや知識の処理する機能を搭載し、非構造化データの収集や分析などの非定型業務をこなす。例えば、ログの分析、様々な要因を加味した売上予測、Web のレコメンド広告などの分析処理など
クラス2: Cognitive Automation
自然言語処理・ビッグデータ分析・機械学習などを駆使し、大量データを学習して最適判断が必要な個別最適化された業務をこなす。例えば、ヘルプデスクや天候に左右される仕入れ管理、経済情勢を加味した経営判断など
クラス2と3については、人工知能の技術が使われ、今後、広範なホワイトカラーの業務を置き換えてゆくことになると考えられています。
【受付開始】ITソリューション塾・第25期
次回の日程が5月16日(火)からに決まりました。詳細日程や正式なお申し込みにつきましては、こちらをご覧下さい。
第25期は、IoTやAI、クラウドといったテクノロジーの最前線を整理してお伝えすることはもちろんのこと、ビジネスの実践につなげるための方法についても、これまでにも増して充実させてゆきます。
また、アジャイル開発やDevOps、それを支えるテクノロジーは、もはや避けて通れない現実です。その基本をしっかりとお伝えするだけでなく、ビジネスに結びつけてゆくための実践ノウハウも、第一人者の講師をお招きし、お伝えします。
さらにIoTやモバイルの時代となり、サイバー・セキュリティはこれまでのやり方では対応できません。改めてセキュリティの原理原則に立ち返り、どのような考え方や取り組みが必要なのか、やはりこの分野の第一人者にご講義頂く予定です。
さて、2009年から今年で8年目となる「ITソリューション塾」の成り立ちについて、少しだけ紹介させて頂きます。
「自社製品のことは説明できても世の中の常識は分からない」
当時、SI事業者やITベンダーの人材育成や事業開発のコンサルティングに関わる中、このような人たちが少なくないことに憂いを感じていました。また、自分たちの製品やサービスの機能や性能を説明できても、お客様の経営や事業のどのような課題を解決してくれるのかを説明できないのままに、成果をあげられない営業の方たちも数多くみてきました。
このようなことでは、SI事業者やITベンダーはいつまで経っても「業者」に留まり、お客様のよき相談相手にはなれません。この状況を少しでも変えてゆきたいと始めたのがきっかけで、既に1500名を超える皆さんが卒業され、昨年からは大阪と福岡でも開講しています。
ITのキーワードを辞書のように知っているだけでは使いもものにはなりません。お客様のビジネスや自社の戦略に結びつけてゆくためには、テクノロジーのトレンドを大きな物語や地図として捉えることです。そういう物語や地図の中に、自分たちのビジネスを位置付けてみることで、自分たちの価値や弱点が見えてきます。そして、お客様に説得力ある言葉を語れるようになるのだと思います。
ITソリューション塾は、その地図や物語をお伝えすることが目的です。
ご参加をご検討頂ければと願っております。
最新版(3月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
新入社員のための「最新トレンドの教科書」も掲載しています。
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*ビジネス戦略のチャートと解説を充実させました。
*人工知能の動画事例を追加しました。
*大手IT企業の現場改善大会での講演資料を掲載しました。
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ビジネス戦略編 106ページ
新規チャートの追加と解説の追加
【新規】ビジネス・プロセスのデジタル化による変化 p.6
【新規】ビジネスのデジタル化 p.17
【新規】ビジネス価値と文化の違い(+解説) p.19
【新規】モード1とモード2の特性(+解説) p.21
【新規】モード1とモード2を取り持つガーディアン(+解説) p.22
人工知能編 98ページ
【新規】Amazon Alexa (+解説) p.18
【新規】動画での事例紹介 Amazon Go p.94
【新規】動画での事例紹介 Amazon Echo p.95
【新規】動画での事例紹介 Tesla p.96
【新規】動画での事例紹介 Nextage p.97
IoT編 93ページ
LPWAについての記載を追加、また日米独の産業システムへの取り組みについて追加しました。
【新規】LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの位置付け p.47
【新規】ドイツでインダストリー4.0の取り組みが始まった背景 p.82
【新規】アメリカとドイツの取り組みの違い p.88
【新規】インダストリー・インターネットのモデルベース開発 p.90
【新規】日本産業システムが抱える課題 p.91
インフラ編 294ページ
【新規】Googleのクラウド・セキュリティ対策 p.72
基礎編 50ページ
変更はありません。
開発と運用編 66ページ
全体の構成を見直し、チャートや解説を追加しました。
【新規】自律型の組織で変化への柔軟性を担保する p.20
【新規】超高速開発ツール(+解説) p.37
【改定】FaaS(Function as a Service)に解説を追加しました p.39
トレンド編
変更はありません。
トピックス編
変更はありません。
【講演資料】変化を味方につけるこれからの現場力
大手IT企業の改革・改善活動についての全社発表会に於いての講演資料。
・実施日: 2017年1月25日
・実施時間: 90分
・対象者:大手IT企業の改善活動に取り組む社員や経営者
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新刊書籍のご紹介
未来を味方にする技術
これからのビジネスを創るITの基礎の基礎
- ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
- ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
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斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
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