ポストSIビジネス：ビジネス・モデルの選択肢（２／２）

» 2015/01/20

昨日に引き続き、ポストSIビジネスの選択肢について考えてみたい。今日は、「インフラ設備・運用管理」の切り口から考えてみよう。

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ITの需要がなくなることはなく、むしろ益々その需要は拡大する。必然的にITインフラの需要も拡大する。その方法として、AWSやSoftLayerなどのパブリックIaaSは、主要な選択肢となる。しかし、全てがそれらに移行することは当面はないだろう。やはり独立性が担保される自社専用のITインフラを持ちたいという需要は維持される。特に、大企業においては、その傾向は高いだろう。

その理由は、「物理的かつ地理的に特定できる機器や設備」でなくてはならないという社内規定やコンプライアンスといったものであり、必ずしも技術的合理性に基づくものではない。

しかし、ITインフラそのものを所有したり、自ら運用したりすることは、避けたいとの要望は強い。そこで、ITインフラ設備や運用管理を丸ごとアウトソーシングし、占有利用したいという需要が生まれている。

NSSOLのabsonneやNTTコミュニケーションズのBizホスティングEnterprise Cloudなどは、そういう需要を取り込み、ユーザーを増やしているようだ。これらサービスの中には、クラウド技術を基盤としながらも顧客毎に独立した専用の設備を提供しているケースもある。

また、このような需要に付帯して、災害時のオフサイト・センター（緊急事態応急対策拠点施設）、データのバックアップやアーカイブなどといった、定常業務外に必要とれる設備やサービスを提供する需要も存在する。

ただ、大きな設備投資を前提とすることから相応の資本力がなければ対応できないビジネスでもあり、自ずとプレーヤーも限定されることになるだろう。また、AWS、SoftLayer、Windows Azure Platformなどが、国内にデータセンターを設け、さらに価格競争を繰り広げてコスト・メリットを高めつつある中、このような需要が置き換えられてゆく可能性は否定できない。

いずれにしろ「ITインフラを所有しない」ユーザー企業は確実に増えてゆく。その需要に応えユーザー企業専用設備やパブリックIaaS、また、その中間的な位置付けであるホステッド・プライベート・クラウドやバーチャル・プライベート・クラウドといったITインフラのサービス化も拡大する。

これを自ら提供するか、あるいは、使いこなすためのサービスを提供することを模索してゆくべきだろう。

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