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Web 2.0はユーザーを信頼する

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Web 2.0は、ユーザーを信頼することから始まります。これは、今までの常識では考えられない、かなり大胆な発想です。特に、ソフトウェア開発の世界では、ユーザーを信頼して、しかもそのユーザーから協力を得るなんてことはありえないことでした。

Web1.0の世界では、他社へ情報が漏れることを恐れ、企画・開発から管理までのすべての開発工程を、自社で行うことがベストだとされていました。ユーザーの要求を反映させることよりも、自社の開発手法やノウハウを守ることのほうが重要視されていたからです。ユーザーは、あくまでも製品やサービスを利用する側に過ぎないというのが、従来のWeb1.0の考え方でした。

だから、Web 1.0では、製品やサービスの開発にユーザーの手を借りるなんてことは、想像もできないことなのです。製品やサービスを提供する企業側と、それを使うユーザー側には、乗り越えることができない大きな壁が立ち塞がっていたのです。

一方、Web2.0の世界では、ユーザーを信頼し協力を仰ぐことが重要だと考えます。「参加型のアーキテクチャ」という考え方です。利用者が増えることによって、製品やサービスは自然と良くなっていくという考え方が根底にあります。つまり、Web 2.0は、企業とユーザーの間に立ち塞がっていた壁を取り払うことに成功したわけです。

オンライン百貨辞書の「ウィキペディア」が良い例です。「ウィキペディア」は、ユーザーを信頼し、ユーザーの協力によって成り立っている代表的なサービスです。アカウント登録さえしておけば、誰でも記事の投稿・編集ができます。

ユーザーによって編集されているサービスだからといって、品質の面で劣っているわけではありません。2006年4月にインターネットコム株式会社とgooリサーチが行った調査によれば、ウィキペディアの内容について、ある程度信頼できると答えたユーザーが94.32%にも達していました。ちゃんとユーザーから支持されているサービスなのです。

ユーザーを信頼し、ユーザーの協力を得るという考え方は、Web 2.0の中でもかなり重要な意味を持った要素です。ユーザーを信頼することも、ユーザーの協力を得ることもできない企業やサービスは、ユーザーから愛されることはありません。そして、ユーザから愛されない企業やサービスは、いずれ市場から退場して行くことになります。

ユーザーとの関わり方が、Web 2.0登場以降のビジネスでは重要になってきます。

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