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モバイルを使い始めて30年の筆者が活用しているモバイル機器、モバイルシーンを紹介していきます。スマートフォン、ノートパソコン、PDA、携帯電話に加え、様々なネットサービス(ソーシャル、クラウド、レンタルサーバーなど)、周辺機器(Bluetoothヘッドセット、Bluetoothキーボード)との連動をご紹介します。

スマホで変わったGPSの世界(第35回)

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モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。

スマートフォンでよく使う機能に地図機能があります。この地図機能は、内蔵されているGPSにより、自分の居場所を感知し、今いる場所の地図を表示してくれるので、とても便利な機能です。GPSによる地図表示機能は、スマートフォンでは定番となっているため、ユーザーは意識することなく、簡単に利用ができます。また、ランニングにおける走行ログを取得するアプリもGPSを利用しており、便利に利用ができます。

便利なGPS機能ではありますが、スマートフォンではないGPS内蔵端末を使う機会があり、昔、GPSで苦労したことを思い出しました。使った機器はエプソンのGPS機能付きランニングウォッチ「WristableGPS」(リスタブルGPS)です。この端末は、腕時計にGPS機能を内蔵し、防水、軽量、バッテリの長時間駆動、とランナーにとっては理想的な端末になっています。ただ、唯一の欠点としては、最初にGPS情報を取得するのに、数分の時間がかかることです。

数分はわずかな時間ではありますが、早く走り始めたいランナーにとっては、結構長く感じる時間です。この数分の待ち時間を体験して、昔、PDAでGPS機器を使っていた時代を思い出しました。

PDAを使っていた時代は、GPS機能を利用するのが意外に大変でした。GPS機能を内蔵していない機種がほとんどでしたので、BluetoohのGPSレシーバーや、CFカード型のGPSを導入して、別途、地図アプリをインストールして、GPSによる地図上のリアルタイム表示を行っていました。

PDAとGPSのBluetoothのペアリングと地図アプリとの連携設定を行って、いざ、使おうという段階で問題になったのが、初期のGPS位置情報取得でした。GPS衛星を数個取得しないと、位置情報が表示されないため、天気の悪い日などは、雲の影響からか、なかなか位置情報を取得できませんでした。ランニングに利用する際にも、結局、GPSの利用を諦めて、ランニングを開始することもありました。

PDAとGPSにおける初期の位置情報取得の苦労が、スマートフォンにGPSが内蔵されることで、一変しました。地図アプリを起動した瞬間に、自分の位置が表示されるのです。この衝撃を受けたのは、初代iPhoneのiPhone 3Gを使ったときでした。あまりの位置取得の早さに目を疑いました。

スマートフォンにおいては、GPSの位置情報を、衛星情報だけでなく、3Gと無線LANからも取得できるようになったためでした。3Gと無線LANによる位置情報は誤差が大きいものの、すぐに表示されます。極端な例では、GPSが全く入らない地下道でも、位置情報が取得できます。

PDAからスマートフォンになって、電話機能や通信機能を内蔵する喜びに加えて、このGPS機能の強化がありました。旅行をする度に、地図アプリを起動して、地図アプリを頼りにしながら移動しています。また、毎日のランニングで活用しています。

無線機能を持たないGPS機器を使って、久しぶりに、PDAとGPS端末で苦労していた時代を思い出しました。昔のモバイルユーザーの思い出話でした。

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