通信キャリアから発売してほしくないLTE搭載 4Kデジタルカメラ「LUMIX CM1」
モバイルを愛していますか?モバイル情報ブロガーの伊藤浩一です。
ガジェット好き、カメラ好きにとって、とても魅力的な製品がリリースされています。パナソニックのLTE搭載 4Kデジタルカメラ「LUMIX CM1」です。「Photokina 2014」で発表になり、現在では、ヨーロッパでは発売になっています。
世界最薄1.0型センサー&LTE搭載 4Kデジタルカメラ「LUMIX CM1」を Photokina 2014 に出展 ポケットサイズに一眼クオリティ
この端末の魅力は、カメラとしての妥協がない点です。スマートフォンのカメラというと、どうしてもスマートフォンの機能が優先となり、カメラユーザーとしては物足りない性能の製品が多くあります。一方、コンパクトデジタルカメラに、スマホ機能を搭載した機種もありますが、こちらはスマートフォンとしての使い勝手が悪くなっています。
カメラ機能をフルに活用して、さらに、スマートフォンとしても使いやすい機種が出てほしい、そんな思いをしているモバイルユーザーがきっといると思います(私はその一人です)。そんなユーザーに、一つの答えとしてリリースされたのが、「LUMIX CM1」です。
日本発売が発表されていないため、入手できるかどうかは不明ではありますが、一つの懸念があります。LTE搭載ということで、通信キャリアから、他のスマートフォンと並びで発売されるのではないか、ということです。通信キャリアから発売されると、全国のショップから入手はしやすくなりますが、懸念として、値崩れをすぐにしてしまい、最悪、0円で販売、なんて事態が起きかねません。
同じような苦い思い出として、PDAがあります。スマートフォンが出てくる以前、モバイルと言えば、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)でした。ザウルス、クリエ、モバイルギア、ジェニオなど、いろいろなシリーズにて、各メーカーが凌ぎを削って、最新機種をリリースしていました。携帯電話やノートパソコンの普及で、PDA市場が縮小していきましたが、最後に息の根を止めたのは、通信キャリアだと思っています。
当時、PDAは高価なものでした。キーボード無しのペンデバイス操作の機種は、5万から10万円、キーボード付きの端末は10万円前後、という価格でした。これが、当時、0円携帯や0円PHSの販売合戦に巻き込まれて、PHSの通信カードと抱き合わせ販売で、投げ売りされるようになってしまいました。
安く入手できるのは、ユーザーにとっては嬉しい反面、自分の購入した端末が0円で販売されてしまう、というのは、悲しいことです。10万円近くするPDAを、毎年購入していましたが、0円で投げ売りされるようになると、逆に購入しなくなってしまいました。この通信キャリアの安売りの販売方式は、ブランドを殺してしまい、魅力ある端末の魅力さえも感じなくしてしまいます。
非常に魅力的な「LUMIX CM1」が、LTE搭載ということだけで、この通信キャリアの販売競争に巻き込まれてしまうのが、怖く感じてしまいます。こんなことを考えているのは、私だけかもしれません。しかし、「LUMIX CM1」というブランドを大事に育てて、他のメーカーも追随するようなシリーズになって欲しい、と望んでいる私にとっては、通信キャリアからの発売を避けて、本当に欲しいユーザーに届けて欲しい、と思っています。