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テクノロジーに心も仕事も奪われそうな日々を綴ります。

ノマドワーキングがブームになる前に

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最近スティーブ・ジョブズのことが頭から離れなくてセンチメンタルな日が続いています。松井です。

ジョブズの体調が心配です。Appleのことも心配ですが、まあ、製品についてはあと5年くらいマイナーチェンジでも持つんじゃないかと思います。シンプルってそういうことだと思う。

そんなわけで、いや全然そんなわけじゃないのですが、ノマドワーキングの必要性がこのところよく叫ばれるようになってきました。そのためのツールだって十分揃っています。しかし、人が一箇所に集まらないで仕事をすることで、本当に良いプロダクトが生まれるのかという疑問が湧いてきました。

ジョブズ・ウェイ 読んじゃったからなぁ。

確かに情報の交換はインターネットを通じて十分に行うことができます。対面でないことの不安もビデオ通話が補ってくれるし、心の友は大きな声で歌を届けてくれます。ジャイアンちょっと黙ってて。

でも、本当にそれでいいのでしょうか。

ここはひとつ、ノマドワーキングをひとつの手段として、本当にこれから主流の働き方として成り立ちうるのかを考えたいと思います。

まず、仕事をする上で欠かせないことを挙げていきましょう。

1. 円滑なコミュニケーション
2. 時間ロスの最小化
3. コストの削減

真っ先にこの3つが浮かんだのですが、経営という観点から見たらもう少し違ったものが挙がるかもしれません。でも今回は働き方の話です。僕には経営がわかりません。

この3つの中でノマドワーキングが後ろ2つを満たすことはよくわかっていることなので、やはり語るべきはコミュニケーションになります。

コミュニケーションの中でもメールや情報ツール、例えば社内用Twitterクローンなんかでも、コミュニケーションはかなりいい線行くと思います。それでも電話のほうが早い場合、直接目で見て、それこそ身振り手振りがあることで理解を深めることの効果は無視できないでしょう。

電話って、ノマドワーキングという形態だと意外と話せる場面が少なかったりします。おしゃれなカフェは大概静かで、電話で話をするのは憚られるし、図書館は絶対無理だし。そうなると自宅か別宅でということになります。

家族がいる人にとって自宅での仕事ほどはかどらないこともないので出来れば別の場所にしたい。そうなると別宅でということですが、お小遣いの範囲ではどうすることもできないし。と考えると電話が必要な業務ではむしろコストが掛かりそうです。

直接話すときの空気感についてはもはや言うまでもないでしょう。レスポンスの速さや相手の表情から体の動き、その情報量は相当なものです。ノマドワーカーが外で、全身を使って会話してたらかばんに小銭を投げられかねません。

このように、ノマドワーキングにもネガティブな要素というのはふんだんにあるわけです。確かに交通機関に依存せず、災害時に強く、平常時でも見かけ上のコストは削減できます。しかし、業務の内容に見合わない仕組みを導入してしまうと余計なコストや損失が出てしまうことがあります。ノマドワーキングが単なるブームに終わらず、しっかりと社会に根付くためには、ぜひともこうしたデメリットについても真剣に考えて欲しいと思います。

会社によっては社宅を用意したり、アメーバやライブドアのように会社の近くに住む人に手当を支給するという手段をとったほうがコストが掛からないかもしれません。自社の状況に合わせて方法を選ぶとよいでしょう。

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