その新商品は売れるだろうか?
ふと目に留まったニュースですが、考えてみると実に興味深い事象だなーと思いまして久々にエントリー書いてみます。
『「使い切りデジカメ」、初日でほぼ完売-次回は全国展開視野に』
つまり、50枚まで撮影できる簡易版のデジカメが1980円で買うことができてお手軽!ということで売れてるらしいです。
少し調べたところ、最近の売れ筋コンパクトデジカメは2万円台で、安くても1万円くらいはするようなので、確かに2000円というのは安いかも。
もっとも、300万画素の性能ということで、イマドキの普通のデジカメに比べるとだいぶ低くはなるようです。
そのくらいなら携帯電話にカメラ付いてんじゃん、て思ってしまったのですが、実はニーズが高かったというのに驚きました。
携帯なら、たいていいつでも持ってるし、最近の携帯のカメラはそこそこ高性能。メモリーカードもずいぶん安くなっているので、大容量のカードを入れておけば枚数も相当保存できるわけで、なにも50枚に限定されてしまうデバイスを買わなくってもいいんじゃないかなと思ったりするんですが、さにあらず。
仕事柄、これから世に出ようとする新製品のマーケティング分析や戦略構築などに関わっていると、その製品がどういう顧客層にどのように捉えられて、売れそうかそうでないかなど検討する機会が多々あります。
そんな中で、この商材は売れるだろうか?どのくらいならいけそうか?というテーマを扱う際には誰かのダメっぽいという直感的な意見によって検討が終了してしまうこともあります。このケースでは、マーケットリサーチも含めニーズを洗い出してうまく間隙を縫ったパッケージングに成功した例なのかもしれません。
それにしても、どんなポイントが響いたんでしょうかね?
例えば、写真は紙で欲しいけど携帯で撮影したデータをショップでプリントしてもらうのはなんだか面倒というような人が多く、このカメラだとそのまま持ち込むだけですぐに出力してくれる利便性がウケた?
あるいは、案外みんな携帯のカメラには満足していないのが実情だったりする?
フラッシュが付いてる点は、夜使おうという場合には魅惑的なところなので、もしかしたら夕方から夜にかけてよく売れたとかかな?
その新製品が、売れるのか売れないのか?
場合によってはその企業の業績に大きな影響を与える事前の分析検討の重要性について、あらためてよく考えてみる機会になりました。
ところで、このカメラ欲しいと思います?