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フリーアドレス制のオフィスにはデスクトップマネジメントですよ

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最近はフリーアドレス制を導入している企業が増えています。

うちの会社もそうですが、フリーアドレス制のオフィスでは、社員に固定席は与えられません。出社した順に早い者勝ちで場所を確保していきます。

スペースは全社員の数割しか設けないので、全社員がオフィスに出社すると席が足りなくなるのですが、こういった制度を採用している多くの企業は外回りやクライアント先に常駐する社員が多いので、通常は問題になりません。まあ、たまに席が溢れることもあるんですけどね・・・

これだけ書くとフリーアドレス制はオフィススペースの節約にしか聞こえませんが、他にもメリットがあります。

まず、頻繁な組織変更に対して柔軟な対応ができるということ。プロジェクトベースで動いているところは頻繁に人の出入りがありますし、プロジェクト自体立ち上げや解散しますから、ワークスペースの確保が容易というのは大きなメリットです。

毎回違った人とお隣さんになるというのも、情報活性という点から好ましいですね。

後者2つのメリットは、社員が常に自社オフィスで作業するケースでも有効のため、フリーアドレス制を検討している企業や研究所も多いようですけど、一方で忘れてはいけないデメリットもあります。

それは、情報の持ち出しが容易であること。

毎回違う席に移動するのだから、当然PCも持ち運ぶことができるわけです。つまり、PCごと持ち去れるのです。だから、外に持ち出されて困る情報を扱うところでは導入が難しい。

ならば、PCを持ち出しされないようにすればいいではないか、ということでPCに鍵をかけるという解決策で落ち着く場合が多いのですが、そうではなく、「情報自体をセンター側で全て管理して、社員には各々のデスクトップ環境だけ提供したらリスクを極限まで減らせるんじゃないの?」という考えで、シンクライアントに行き着くケースもあります。

シンクライアントで最も一般的なのは、Windowsターミナルサービスでしょう。Windowsサーバを管理したことのある人はちょっと意外に思うかもしれませんが、別にリモートでサーバにアクセスするだけのツールではないのですよ。

他にもデスクトップマネジメントでジャストミートなのがSun Rayでしょう。Sunのデモセンターに行くと見せてもらえますが、社員カード(IC)を端末付属のリーダーに読み込ませると、センター側で認証を行い、一気にユーザ固有のデスクトップが出てきます。ただし専用端末が必要。

シンクライアントで詳しい話はITmediaに書かれているので、そちらを参考にしてみて下さい。
シンクライアントシステムを実現する仕組み

とまあ、つらつら書いていますが、要するに何が言いたいかというと、フリーアドレス制のオフィスでセキュリティを強化するなら、デスクトップマネジメントしないとね、ということです。

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